[レポート]アメリカ市場におけるAPAC地域のゲームブランドデジタル広告に関するインサイト

Sensor Tower

2024.05.16 08:19

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アメリカは世界最大のゲーム市場の一つであり、APAC地域のゲームブランドにとって避けて通れない市場でもあります。デジタル広告は、APAC地域のゲームブランドの急速な市場開拓をサポートし、タイトルの収益、ダウンロード数、アクティブユーザー数の拡大に貢献しています。本レポートは、人気APAC地域ゲームブランドに関し、2024年のアメリカにおけるデジタル広告のトレンド、人気広告クリエイティブおよび主な広告出稿先について詳しく分析しています。同時に、ケーススタディを通してBandai Namcoがデジタル広告によってIPの海外における影響力を高め、海外戦略目標を達成した方法についても考察しています。

アメリカのゲーム広告市場はmiHoYo、任天堂などのAPAC地域ブランドがけん引

アメリカは世界最大のゲーム市場の一つであり、APAC地域のゲームブランドにとって、アメリカでのデジタル広告の出稿が海外進出するための重要な市場になっています。APAC地域ゲームブランド広告費ランキング上位10ブランドの2023年第2四半期から2024年第1四半期までの合計広告費は7.5億ドルを超え、前年度から23%増加しています。

miHoYoの直近1年間の広告費は、前年度から487%増加し、APAC地域のゲームブランドで最も多く投入しています。任天堂はアメリカにおいて安定的に広告を出稿しており、1.2億ドルで2位になっています。また、Bandai Namco、SEGA、Habby、Century Gamesなど、APAC地域のゲームブランドの広告費も大きく増加しています。

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miHoYoの広告費が大幅に増えたのは、同社のタイトル『崩壊:スターレイル』が要因です。同社の2023年第2四半期から2024年第1四半期までにおける広告費合計のうち、『崩壊:スターレイル』の広告費は80%を占めています。

任天堂はアメリカにおける広告費をNintendo Switchに重点的に投入しており、2023年第2四半期から2024年第1四半期までの間にNintendo Switchに投入された広告費は、前年度から37%増加して7,100万ドルを超えています。

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APAC地域ゲームの広告主は、アメリカにおける主要広告出稿先にYouTubeとMeta運営プラットフォームを選ぶ

APAC地域ゲームブランドは、アメリカにおいてYouTubeとMeta運営プラットフォームを主な広告出稿先としています。中でもmiHoYo、Tencent、Bandai Namcoは、YouTubeに比較的多く広告費を投入しており、miHoYoは広告費の86%をYouTubeに投じています。一方、任天堂、SQUARE ENIX、Century GamesはFacebookとInstagramを志向しており、任天堂がFacebookに投入した広告費の割合は65%に達しています。

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広告出稿によってゲームタイトルの収益、ダウンロード数、ユーザー規模が拡大

カジュアルなプレイスタイルを取り入れたモバイル4Xストラテジーゲーム『ラストウォー:サバイバル』は、カジュアルな要素を強調した広告クリエイティブを大々的に出稿(アメリカにおける2024年1月の広告費は2023年11月の12倍)したことにより、急速にアメリカ市場を切り開き、ダウンロード数も過去最高を記録しています。

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広告の出稿は、ゲームタイトルの収益成長に対しても大きな影響を及ぼしています。『崩壊:スターレイル』は、2023年5月にアメリカにおけるインプレッションを3.5倍引き上げるやいなや、IAP収益が4月の3.3倍まで成長しました。

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広告出稿によってゲームブランドを差別化してターゲットユーザーを引きつける

モバイル4Xストラテジーゲーム『ラストウォー:サバイバル』は、オリジナルのプレイスタイルおよび広告戦略によってユーザー層を大きく拡大しています。アメリカにおける2024年第1四半期モバイル4Xストラテジーゲーム収益ランキングトップの『ホワイトアウト・サバイバル』と異なり、ランキング2位の『ラストウォー:サバイバル』の広告は、コアゲーマーだけでなく、潜在プレイヤーとして自動車、コンシューマーサービスなどの広告に触れる人をもオーディエンスとしています。

また、『ラストウォー:サバイバル』の広告クリエイティブは、カジュアルシューティングのプレイスタイルを強調してスポーツゲームのプレイヤーを引きつけているのに対し、『ホワイトアウト・サバイバル』では経営シミュレーションのプレイスタイルを提示してシミュレーションゲームユーザーにも好評を博しています。プレイスタイル、広告戦略、ユーザー層に違いがあることによって、この2つのモバイル4Xストラテジーゲームの真っ向勝負が回避されています。

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Bandai Namcoはデジタル広告出稿で海外比率増加

Bandai Namcoは、デジタル広告出稿によって、近年リリースするモバイルゲーム収益のうち、海外から得られる収益の割合が徐々に高まっており、2023年に42%に達しました。同社は、2022年4月から2025年3月までを対象とする中期計画において、グループで「IP軸戦略」を核として世界における影響力を高め、2025年海外売上高比率35%の目標を実現するとしています。

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Sensor Towerのデータによると、実際にBandai Namcoのアメリカにおける2023年の広告費は、2019年の7倍近くにまで増加しています。同社は、『ONE PIECE』IPと『ドラゴンボール』IPをアメリカにおける広告出稿の重点に据えており、これらIPの2024年第1四半期の広告費の割合は、それぞれ52%、25%に達しています。

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Sensor Towerの紹介

2013年にサンフランシスコで設立されたSensor Towerは、モバイルアプリ/ゲームのデータや分析環境を提供する企業です。X(旧:Twitter)、Unity、Tencent、HBOなどのグローバルデジタル企業からも信頼されており、モバイル市場のトレンド把握に役立つストアインテリジェンス、広告戦略の最適化に活用いただける広告インテリジェンスなど、デジタル分析プラットフォームとしてモバイルのあらゆる場面で質の高いインサイトと先進のカスタマーサポートを提供しています。

Sensor Towerは、Pocket Gamer Mobile Games Awards 2022において、Best Analytics / Data Tool賞を受賞しました。

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日本オフィスは2023年夏より東京・日暮里に移転、日本でのビジネスを強化しており、パートナー企業様も急増中です。弊社スタッフも増員しながらお客様のサポートもより強化していく所存です。

 

Sensor Tower日本オフィス代表

谷内 照吾(Shogo Yachi)

 

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