[レポート]ショートドラマアプリの海外市場進出に関するインサイト

Sensor Tower

2024.04.04 08:16

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ショートドラマとは、一般的に一編の時間が短く、ストーリーの展開が早い縦型スクリーンのミニドラマを指します。一般的に制作コストが安く、サイクルが短く、劇的なストーリーでユーザーを素早く惹きつけます。ショートビデオが世界を席巻する勢いに乗り、2023年にショートドラマ市場は急成長を遂げました。2023年6月、『ReelShort』が海外市場において人気を集め、パブリッシャーは続々とショートドラマアプリの海外進出に参入しました。本レポートでは、現在の海外進出ショートドラマアプリの動向と人気アプリの実績を分析し、リーダーである『ReelShort』に焦点を当て、海外市場開拓成功の方法と戦略を探っています。

※本レポートではアプリストアにおける収益のIAP推定値のみを集計しており、広告収入および中国本土におけるサードパーティのAndroidマーケットでの収益は含まれていません。

『ReelShort』がショートドラマアプリの海外進出におけるトップリーダー

『ReelShort』の海外市場での成功によって、パブリッシャーは続々と海外のショートドラマ市場に進出しています。現在、『ReelShort』が先駆者の特権によりリードし、『DramaBox』がそれに続き、『GoodShort』『FlexTV』『ShortTV』といったショートドラマアプリが収益Top10に名を連ねています。

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ショートドラマアプリの海外市場への進出はここ半年ほどで急速に人気が高まっています。2023年9月比で、2024年2月のIAP収益・ダウンロード数はそれぞれ280%と220%成長しました。2024年2月末現在、すでに40余りのショートドラマアプリが海外市場で展開されており、累計ダウンロード数は約5,500万、IAP収益は1.7億ドルに達しています。

このうち、『ReelShort』が52%のダウンロード数と48%の収益を占め、主導権を維持しています。『ShortTV』は、東南アジア市場での優れた実績から、わずか6ヵ月で国外市場で第2位にランクインしています。

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アメリカはショートドラマ海外進出において重要な市場、東南アジアと日本市場は成長が突出している

アメリカはショートドラマ海外進出において重要な市場です。『ReelShort』『DramaBox』『GoodShort』などの上位アプリは、アメリカ市場総収入のうちそれぞれ69%、57%、66%を占めています。同時に、アメリカ市場において、『ReelShort』と『DramaBox』の1ダウンロードあたりの収益は、他の市場の6倍に達しています。

『ReelShort』は依然としてリーダー的ポジションではるものの、ますます激しい競争に直面しています。2024年2月、『DramaBox』のアメリカ市場における収益は82%増加して『ReelShort』の月間収益の72%に達し、差は徐々に縮まっています。

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JoyHunterのショートドラマアプリ『TopShort』は日本市場に狙いを定めており、2024年2月の収益は前年比110%増加し、日本市場における収益・ダウンロード数でトップのショートドラマアプリとなりました。Sensor Towerのデータによると、日本におけるエンターテインメントアプリのダウンロードランキング(iOS)で『TopShort』は上昇を続けており、2月末にはすでに『Netflix』と『U-NEXT』を超え、6位に躍り出ました。

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文化の相似性と膨大なモバイルユーザーのおかげで、東南アジアもショートドラマアプリの海外進出において人気市場の一つとなっています。2023年9月にリリースされたショートドラマアプリ『ShortTV』は、フィリピン、タイ、インドネシアなどの市場で好評で、同アプリの全世界ダウンロード数の46%を東南アジア市場が占めています。2024年1月の『ShortTV』の東南アジアにおけるダウンロード数は150万で、前期比6倍増となりました。これによって、初めて『ReelShort』を超え、東南アジア市場におけるダウンロード数トップのショートドラマアプリとなりました。

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超人気ショートドラマにより『ReelShort』の収益とダウンロード数が急増

『ReelShort』の成功は一夜にして成し得たわけではありません。2022年8月のリリースから2023年5月まで、『ReelShort』のダウンロード数と収益に目立った増加は見られませんでした。しかし、『Fated to my Forbidden Alpha』『Never Divorce a Secret Billionaire Heiress』『The Double Life of My Billionaire Husband』などの超人気ショートドラマが登場されたことによって、『ReelShort』の1日当たりのダウンロード数とトラフィックは急増しました。

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『ReelShort』の超人気ショートドラマの誕生は、パブリッシャーであるCrazy Maple Studioの女性向けロマンチック路線における長年の経験と深い関係があります。2017年に設立されたCrazy Maple Studioは、女性向けロマンチックコンテンツに照準を合わせ、インタラクティブストーリーモバイルゲームの『Chapters』『Spotlight』、ロマンチックウェブ小説の『Kiss』『Scream』などを相次いで発表、大量の人気シナリオとユーザーデータのインサイトを提供し、『ReelShort』に成功をもたらしました。

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『ReelShort』と『Netflix』 は異なるユーザーグループを惹きつけ、優位性の差別化を形成

Sensor TowerのAudience Insightsのデータによると、『ReelShort』と『Netflix』はアメリカ市場において異なるコアユーザーグループを有しています。両者は、ペルソナ、人気モバイルアプリ、好きな広告カテゴリーにおいて顕著な差が見られます。『ReelShort』は競争が激しいエンターテインメント動画において競合他社を排し、差別化を図っています。人気アプリでは、『ReelShort』ユーザーは競合である『DramaBox』やウェブ小説『Dreame』の熱心な愛好者であり、『Netflix』ユーザーは『GTA: San Andreas』と『STARZ』を好んでいます。

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ReelShortのようなショートドラマアプリのダウンロードの78%は広告から

『ReelShort』ユーザーは、強力かつ有効な広告配信と切り離すことはできません。広告配信の増加に合わせて、『ReelShort』ダウンロード数は2022年9月の42%から2023年4月には90%に増えました。2023年10月以降は75%以上で安定しており、広告によるダウンロード数全体の占有比は78%に達しています。

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Sensor TowerのPathmaticsのデータによると、7月初旬に『Fated to my Forbidden Alpha』のTikTokにおけるトラフィックと課金が急速に増加しています。これは、『ReelShort』のダウンロード数が急増したときの状況と類似しており、『ReelShort』はアメリカ市場を切り開くキーノードとなりました。

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2013年にサンフランシスコで設立されたSensor Towerは、モバイルアプリ/ゲームのデータや分析環境を提供する企業です。X(旧:Twitter)、Unity、Tencent、HBOなどのグローバルデジタル企業からも信頼されており、モバイル市場のトレンド把握に役立つストアインテリジェンス、広告戦略の最適化に活用いただける広告インテリジェンスなど、デジタル分析プラットフォームとしてモバイルのあらゆる場面で質の高いインサイトと先進のカスタマーサポートを提供しています。

 

Sensor Towerは、Pocket Gamer Mobile Games Awards 2022において、Best Analytics / Data Tool賞を受賞しました。

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Sensor Tower 日本オフィス代表

谷内 照吾(Shogo Yachi)

 

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