ドキュメンタリー映画 『眩暈 VERTIGO』プレスリリース

HUGMACHINE有限会社

2022.09.28 22:43

国際映画祭29冠の映画が凱旋公開決定

プレスリリース

 この写真はブルックリンで撮られました。前衛映画のゴッドファーザーと呼ばれた男の事務所。張り紙の主はジョナス・メカス。

"Keep dancing, Keep singing, have a good drink and do not get too serious! OK? Jonas"

 2019年1月23日にメカスは96歳で亡くなりました。その1年後、日本を代表する詩人の吉増剛造氏がレクイエムを捧げにニューヨークを訪れます。2人が出会ったのは1985年。以来、2人は言葉を交わし続けます「きみがいなくて淋しい、会いたい。」どうぞ最後までお読み下さい。

監督:井上春生

ドキュメンタリー映画『眩暈 VERTIGO』

ジョナス・メカス×吉増剛造
井上春生監督作品
(117分)

主題曲:佐野元春「新世界の夜」
Instrumentall
DaisyMusic

2022年12月13日(火)より
東京都写真美術館ホール 公開

国際映画祭29冠

現在、グランプリ・最優秀監督賞・最優秀撮影監督賞を含む29冠に輝いています。

\ワールドプレミア決定/
ニュージャージー国際映画祭10月9日全世界配信
https://onl.tw/6ez8L81

\ニューヨークプレミア/
バッファロー国際映画祭10月6〜10日ニューヨーク州限定配信
https://www.buffalofilm.org/lineup/events/vertigo/

映画公式ホームページ
https://www.vertigo-web.com/

宣材写真ダウンロード
https://we.tl/t-Aio49RQgTr

連絡先
HUGMACHINE有限会社
井上春生 09036865302
inoue@hug-machine.com

製作:HUGMACHINE(有)

下記に映画館、マスコミ試写会情報記載

はじめに

 今年、2022年は前衛映画のゴットファーザーと呼ばれるジョナス・メカス(1922.12.24-2019.1.23、96歳没、リトアニア出身)の生誕百年にあたる。世界ではメカスの回顧展が目白押しだ。2月にはニューヨークのリンカーン・センターで「Jonas Mekas Retrospective(ジョナス・メカス回顧展)」、ユダヤ博物館で「Jonas Mekas: The Camera Was Always Running(カメラはいつも動いていた)」、そして「Jonas Mekas100!」と銘打ち祖国リトアニアのみならず、ベルギー、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、イスラエル、イタリア、日本、ノルウェー、ポーランド、韓国、スウェーデン、ウクライナ、英国、米国など世界各地で記念イベントが開催されている。ジョナス・メカス生誕百年を祝し、映像詩人であるメカスの人生、芸術、そして映像の分野における遺産の幅広さと重要性が注目を浴びている。

あらすじ

 日本現代詩を代表する詩人・吉増剛造(1939.2.22生)が、メカスの一周忌に、その面影をマンハッタンとブルックリンに追いかける。この映画『眩暈 VERTIGO』は、前衛映画の巨人への追悼詩を、盟友でもあった日本の詩人が綴るドキュメンタリーである。

 ニューヨークロケは、コロナウイルスが襲いかかる直前の2020年1月に行われた。吉増は、第2次世界大戦後に祖国リトアニアを離れ、ニューヨークに移民したメカスが見た新天地アメリカの姿を辿っていく。マンハッタンの地下鉄、新ワールドトレードセンター、避暑地のコニーアイランド、ブルックリン。時には8ミリカメラを回し、メカスを偲ぶ詩のモチーフを丹念に拾っていく。吉増は詩の創作歴が70年近くに及ぶ。言葉の可能性を突き詰めたアヴァンギャルドな詩と、過激な朗読パフォーマンスは海外でもよく知られている。そんな吉増の創作の原点は日常にある。和紙、ノート、レシートや付箋紙の裏に米粒大の文字で詩を毎日連ねていく。


 吉増がブルックリンにあるメカスの事務所を訪ねると引っ越しの真っ最中だった。戦時中の詩の手習い帖、1945年のパスポート、写真。息子のセバスチャンが数々の遺品を吉増の前に並べる。メカスが寝ていたという部屋の片隅に佇んでいたとき、吉増は眩暈を起こし卒倒した。一周忌にあたる1月23日。早朝に目覚めた吉増は瞬く間に追悼詩を完成させる。「詩とはあらたまったときに書くのではなくて、日常の細かな出来事に反応して誕生するのね。日記性の秘密というのはそういうもの。」メカスが若い時に仕事を探しに往復したマンハッタンとブルックリンにかかる吊り橋がある。吉増はその橋を渡り事務所に向かう。待っていたセバスチャンにその詩を朗読し、二人の間に長い沈黙が訪れた。


いま、ジョナス・メカスの理由

 2022年2月24日、ロシアがウクライナの軍事施設に対する攻撃を始め、多くのウクライナ人が国外に脱出した。その半年前、アフガニスタンではタリバンが政権を掌握、国外へ脱出するために空港に集まった群衆の姿はまだ記憶に新しい。映画人、現代美術家、ミュージシャン、文学者など、多くのアーティストたちも祖国を離れ、国外へ避難した。第2次世界大戦後、メカスがナチスの収容所キャンプを後に新天地アメリカに移民してから73年経った。世界の紛争地にはおそらく現代のメカスが数多くいるだろう。

ジョナス・メカスとは

 その名は祖国リトアニアでは「ヨーナス・ミャーカス」と発音される。メカスは戦時中、地下新聞を発行していた組織で反ドイツ活動に関わっていた。反スターリンの詩を発表したこともあり、撤退するドイツ、侵攻するソヴィエトからもマークされ、身の危険を感じ1944年7月国外に脱出する。ドイツの強制労働収容所や難民キャンプで過ごしたあと、1949年10月に移民としてニューヨークに渡る。

 メカスは最初にブルックリンの知人宅に転がり込んだ。英語は覚束ないまま、職業案内所でGM製造会社の「組立て工」の仕事を得て働き始める。母国語以外では詩は書けないと、ペンをムービーキャメラに置き換え、個人映画の撮影を始める。ファインダーを覗かない、キャメラを振り回す、ぶれた映像、ピンボケ、失敗したかのような露出の明暗などまったく気にしない。日常が淡々と切り取られていくその映像は、やがて日記映画としての地位を得る。

 メカスは『ヴィレッジ・ヴォイス』などに映画批評を書く傍ら、インディーズ映画を組織し、マスコミや政治から作品が非難され窮地にいるアーティストに救いの手をさしのべるようになる。ポップアートの旗手のアンディ・ウォーホル、アンダーグラウンドシネマのパイオニアのジャック・スミス、9月13日自殺幇助で急逝したゴダールには「情感だけに依存してきた映画が、ゴダールで理性(アイディア)を獲得した」と擁護した。そしてジョン・レノン、ロバート・フランクをはじめとする多くのアーティストの心の拠り所となっていく。映像詩人であるジョナス・メカスが、前衛芸術のゴッドファーザーとも評される所以だ。

ふたりのなれそめ

 メカスと吉増。二人の邂逅は1985年のニューヨークに遡る。アメリカ詩壇の巨人アレン・ギンズバーグが企画した日本の詩の祭典に吉増は招待される。そこにいたのがギンズバーグの親友、メカスだった。吉増が握手の手をさしのべたときに、メカスは少し揺れながら後ろに下がり、吉増はその佇まいに絶えず震えている心の根を感じたという。映画には、ふたりが交わした映像書簡など、過去の映像が盛り込まれていく。

テーマ音楽は佐野元春

 ロック界のカリスマ佐野元春の音楽が映画の最後を飾る。詩人でもあり、ポエトリーリーディングをする佐野は、90年代前半、ニューヨークで何度かジョナス・メカスと時を過ごした。そのときの貴重な記録を自身が発行編集を務めた雑誌「This」にも残している。また、近年、吉増剛造とも詩について長く語り合ったこともある。二人の詩人の魂を引き継ぐ佐野元春の心地よいインストルメンタルのサウンドが二人を祝福する。

劇場

2022年12月13日(火)より東京都写真美術館ホール(東京都目黒区三田1−13−3 恵比寿ガーデンプレイス内 鑑賞券1900円 問合=03-3280-0099)を皮切りに日本各地、そして世界へと順次公開。

マスコミ試写会

映画美学校試写室 
2022年
10月13日(木)10時〜
10月27日(木)15時半〜
10月28日(金)13時〜
11月1日(火)15時半〜
の計4回(東京都渋谷区円山町1−5 KINOHAUS B1F 問合・井上090−3686−5302)  
※試写状の代わりに受付にお名刺をお渡し下さい・マスクの着用をお願いします

半蔵門ミュージアムシアター 
2022年
10月11日(火)13時半〜
10月18日(火)13時半〜
の計2回(東京都千代田区一番町25『半蔵門駅』下車 4番出口(地上1階)左すぐ ミュージアム3階 問合・井上090−3686−5302) 
※試写状の代わりに受付にお名刺をお渡し下さい・マスクの着用をお願いします

マスコミ試写会希望の方
タイトル:映画「眩暈 VERTIGO」試写会・希望
本文:お名前、希望日時、所属、連絡先 を書いて
inoue@hug-machine.com
井上までメールをお手数ですがご送付下さい。
(優先して座席を確保します)

監督

 監督は、吉増剛造が東日本大震災の後に言葉を失い、復活するまでを描いた『幻を見るひと』(国際映画祭10冠)の井上春生。同志社大学法学部卒業後、東映京都撮影所で5年間製作部に所属。深作欣二、降旗康男らに師事。エピックレコードジャパンとタッグを組んだCINEMUSICA(シネムジカ)シリーズの映画を5本脚本監督。代表作はアスペルガー症候群の姉と妹の出会いを描いた池脇千鶴主演の『音符と昆布』。商業映画やコマーシャル、テレビを軸にアフガニスタンの映画人と合作映画『ザ・ルーツ』『カブールトライアングル』をプロデュースしている。
 近作はタリバン占拠後、アフガニスタンの映画人との交流を描いたドキュメント『アフガニスタン運命の8月』(2021、Eテレ)、アーティストの反戦の声を届ける『Artists Against War』シリーズ(2022、NHKワールドジャパン)をプロデュース演出。メカスには前作『幻を見るひと』(吉増剛造出演)で「詩のフォルムをまとった、美しすぎる映画だ」と評価される。

ふたりの巨大な亡命者

 この映画に映画評論家、芝山幹郎氏から贈られた言葉がある。

 「震える肉体と震える幻影が響き合う……だけではとどまらないのではないか。ジョナス・メカスと吉増剛造は、ともに歩幅の巨大な亡命者だ。限りなく繊細であるからこそ世界を太く渡り、不屈のサバイバルをつづけてきたふたりの魔物。そんな彼らの勇気と妖気が、冬のブルックリンで時間を超えて溶け合うと、どんな風景が現れるのか。われわれは、かつてメカスの呟いたsome kind of togethernessを目撃できるかもしれない。ひるむことなく待ち受けようではないか。」

各界から寄せられたメッセージはホームページに掲載されています。










 

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種類
イベント

カテゴリ
エンタメ

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URL
https://www.hug-machine.com/
業種区分
情報通信
代表者名
井上春生
上場区分
未上場