第 17 回『アジア金融フォーラム』 成功裏に閉幕
3,600 人を超える政策立案者やビジネスリーダー 香港経済の活力をアピール
香港特別行政区政府および香港貿易発展局(HKTDC)の共同主催による、第 17 回「アジア金融フォーラム(AFF)」 が 1 月 24 日(水)、25 日(木)の二日間にわたり香港コンベンション&エキシビションセンターで開催されました。会期中 は、50 を超える国・地域から国際金融・ビジネス界で最も影響力のある企業経営者や専門家・有識者が 3,600 名以上来 場し、大盛況のうちに閉幕しました。今年の AFF では、「Multilateral Cooperation for a Shared Tomorrow(明日を共有 するための多国間協力」をテーマに、世界経済の見通し、投資プロジェクト、グリーンファイナンス、金融技術や金利動向などを 含む様々な差し迫った共通の課題について活発な議論が展開されました。また、AFF では持続可能な発展と多国間の協力を 促進する場として香港経済の強靭さが示されました。会期中は投資家とプロジェクト・オーナーを繋ぐビジネス商談が 700 件以 上行われ、金融業界における様々なビジネス機会が創出されました。
初日は、香港特別行政区の李家超(ジョン・リー)行政長官による開会の辞および香港貿易発展局の林建岳(ピーター・ラム)会長の歓迎挨拶により盛大に幕を開けました。AFF には世界から 140 名以上もの著名な金融界のリーダー、政府高官、政策立案者、経済学者、投資責任者などが登壇しました。日本からは、三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社の堀井浩之専務執行役員が「CIO Insights(CIO インサイツ)」に、株式会社三菱UFJ銀行の渡辺博史顧問(元財務官)が「Global Spectrum – Opportunities from New Markets(グローバルスペクトラム-新たな市場機会)」に登壇しました。今年新しく設けられた「CIO インサイツ」では、香港やアジア地域の課題や新たな機会について、ならびに、昨今のマクロ経済情勢下における資産配分や投資アプローチ、投資リスクの回避などについて、世界有数の資産運用会社の投資責任者らが様々な意見を交わしました。堀井氏は、世界的なインフレが課題となる中で、日本での企業の賃上げや、消費が堅調に推移する見方を示しました。また、企業の持続可能性とコーポレート・ガバナンスが大きなトレンドになっていると述べ、サステナブル投資の重要性も呼びかけました。世界経済の展望を探るセッション「グローバルスペクトラム-新たな市場機会」は、新興市場でのビジネスの成功を最大化する戦略や、急速な発展がもたらす機会について最新動向が共有されました。同パネルのモデレーターを務めた渡辺氏は、過去 20 年~30 年間においては米国や欧州の銀行や金融機関が業界を先導してきたが、状況は変わってきていると述べ、新興市場や発展途上国における銀行や金融機関の活動がより活発になり、今後数年間で、より一層幅広い業務を行うことになると指摘しました。
世界的影響力をもつキーパーソン 豪華登壇者が多彩なテーマで情報発信
初日の基調講演昼食会では、米国の経済学者であり、国連持続可能な開発ソリューション・ネットワーク会長を務めるジェフリー・D・サックス教授が見識を披露し、香港の国際的な金融センターとしての重要性を強調しました。サックス教授は、グローバルな協力が難題解決への道であり、香港が持続可能な開発の資金調達において重要な役割を果たすと述べました。今年の AFF のハイライトの一つである、香港の許正宇(クリストファー・ホイ)金融財務長官がモデレーターを務めたプレナリー・セッション「Charting the Path to a Shared Future(共有する未来への道筋)」では、世界の金融当局高官らが経済の課題について議論しました。タイの財務副大臣であるジュラプン・アモルンヴィヴァト氏は、「AFF は、官民一体となって、共通の課題に取り組み、将来の経済を変革するための解決策を見つける場所です。」と述べ、エジプトの財務大臣であるモハメド・マーイト博士は、世界が地政学的な緊張と未来の不透明性に直面しており、それが持続可能な経済成長を阻害していると指摘しました。グローバルな課題に対処するためには、世界は多国間で経済政策を調整するために全力を尽くす必要性があると語りました。
二日目の基調講演昼食会では、人民元の世界的な使用と国際的な需要の動向について深く掘り下げられました。「現代銀行理論の父」として名を馳せ、銀行の経営破綻と流動性危機に関する第一人者で、2022 年ノーベル経済学賞受賞者である米シカゴ大学のダグラス・W・ダイアモンド教授が講演を行いました。「グローバルスペクトラム」「明日への対話」などの様々な分科会では、多岐に亘る産業のパイオニアにより、最新の Web 3.0 やバーチャルアセット開発、フィンテックイノベーションの見通し、グリーンファイナンスでの新たな市場機会について議論が展開され、ブリッジウォーター・アソシエイツの共同最高投資責任者のボブ・プリンス氏、香港グリーンファイナンス協会会長兼社長の馬駿博士、アニモカ・ブランズ共同創業者兼会長のヤット・シウ氏など影響力のあるビジネスリーダーが深い洞察を提供しました。
会場アンケート調査 本土産業、環境経済の展望を分析 世界経済の見通しについてのパネルディスカッションでは、会場参加者に世界経済の展望やアジア太平洋地域の経済成長にとって最大の懸念要素について、アンケート調査が実施されました。その結果、回答者のうち 66.7%が、地政学的な分断を挙げました。
700 以上の「AFF Deal-Making」 オンラインプラットフォームが引き続き成果を上げる
香港貿易発展局と香港ベンチャーキャピタル&プライベートエクイティ協会が共同で主催する「AFF Deal-Making」は、ビジネスや投資機会を模索するプロジェクト・オーナーや世界中の投資家の双方にマッチングの機会を提供し、潜在的なビジネスパートナーとのコラボレーションを促進するものです。会期中、700 件以上のビジネス商談が行われました。参加したタイのスタートアップ創業者は、このビジネスマッチングにより、潜在的な取引可能性のある 20 名と繋がることができたと述べています。「AFF DealMaking」の参加者は地理的な多様性が広範囲にわたり、インドからヨーロッパ、そして日本まで様々であるとコメントしています。「AFF Deal-Making」では、潜在的なビジネスパートナーを模索するための貴重な機会が提供されました。
AFF 会場内展示ゾーンには、日本からも CoinEZ 株式会社が出展し、Founder の荒谷賢太氏が参加しました。世界的にキャッシュレス決済比率が高まるなか、依然根強い現金決済ニーズも併存するという金融課題を解決するため、同社はモバイルアプリを通じて小銭を電子化し、保管するシステムを開発・提供しており、多くの AFF 参加者が同社ブースを訪れました。
【公式サイト】
アジア金融フォーラム: https://www.asianfinancialforum.com/aff/
プログラム: https://www.asianfinancialforum.com/conference/aff/en/programme
登壇者リスト: https://www.asianfinancialforum.com/conference/aff/en/speakers
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