好評“知的所有権”シリーズ新刊『新版 編集者の著作権基礎知識』 刊行のご案内

株式会社 太田出版

2022.04.08 16:12

オンライン出版時代の編集者必携の書!

1993年刊行のロングセラー同作を、日々業態の広まる出版業の現在に合わせて増補・改訂。「著作権の構造」から「オンライン出版」まで、豊富な図と参考文献、実務と実例を網羅した決定版です。

実務の前に、これだけは押さえたい
「著作権の歩き方」

肖像権、引用作法、美術や音楽の著作物性、著作物使用料、アイディア、新聞、広告の利用、保護期間、二次利用、送信可能化権、著作物利用契約、出版権設定契約――。

仕事を始めたばかりの編集者がつまづきがちな著作権の「基礎の基礎」を明解に解説、現場の編集者が最低限知っておくべき著作権の要所を、実務と実例に照らし合わせながら説く。

1993年に出版され、ロングセラーとなった同作を、日々業態の広まる出版業の「現在」に合わせ、増補・改訂。

「著作権の構造」から「オンライン出版」まで、豊富な図と参考文献で送る決定版!

日々移り変わり、複雑になる「著作権契約」の勘どころを鍛える。

筆者プロフィール

豊田きいち(とよだ・きいち)
本名・豊田亀市。1925年東京生まれ。評論家。元・小学館取締役。小学館入社後、学習雑誌編集部長、週刊誌編集部長、女性雑誌編集部長、出版部長を経て、編集担当取締役、日本児童教育振興財団専務理事。日本雑誌協会編集委員会・著作権委員会委員長、日本書籍出版協会知財関係委員、文化庁著作権審議会専門員など歴任。著作権法学会会員、日本ユニ著作権センター代表理事。「出版ニュース」、「JUCC通信」、美術工芸誌、印刷関係誌などに出版評論、知的財産権・著作権論などを執筆。2013年没(享年87歳)。

宮辺 尚(みやべ・ひさし)
1946年東京生まれ。1970年、東京大学文学部倫理学科卒業、新潮社入社。以後30年間、書籍出版部、雑誌「新潮」編集部、雑誌「小説新潮」編集部で文芸編集者として作家を担当したのち、出版総務・著作権管理部署に異動、2009年著作権管理室長を最後に定年退職。日本ユニ著作権センターに勤務し、2012年代表取締役に就任。元日本書籍出版協会知財委員会幹事、元財団法人新潮文芸振興会事務局、元公益財団法人新田次郎記念会事務局長。

※筆者・豊田きいち氏逝去に伴いまして、
 豊田氏の著作権継承者の理解と了承を得て、
 『新板』は宮辺尚との共著として刊行する運びとなりました。
 詳しくは「新板にあたって」よりご確認ください。

『新版 編集者の著作権基礎知識』目次

はしがき
1.著作権とは何か 著作物の定義
2.著作権という「財産権」
3.権利の中身 オンラインの権利は?
4.著作物の出版契約
5.著作物等の使用料
6.著作者と著作権者 著作者人格権と著作(財産)権
7.著作者人格権 著作者の志の尊重
8.著作権の及ぶ範囲(1)表現物の著作物性
9.著作権の及ぶ範囲(2)アイディアには著作権なし
10.著作権の及ぶ範囲(3)非著作物
11.類似題名で争った放送と出版 タイトルの著作物性
12.雑誌の目次は著作物か
13.懸賞・応募作品の著作権 コンクールの募集規定を疑う
14.美術の著作物
15.地図の著作物
16.写真の著作物
17.写真の再掲載(二次使用)
18.音楽の著作物 著作権の集中的権利処理(JASRACの場合)
19.保護期間・権利の制限、自由に使用できる著作物
20.「自由使用」の及ぶ範囲
21.公正な「引用」について
22.文章作法としての「引用」
23.無断使用の事例 承前・ゆらぐ引用作法
24.写真の利用・絵画の利用 全体使用と部分利用
25.肖像権とは何か
26.有名人の肖像権
27.肖像権侵害 二つの事例
28.新聞記事および広告面の利用
29.著作者不明の著作物の利用
30.二次的著作物
31.共同著作物
32.座談会の著作権
33.編集著作物
34.職務著作
35.ブックデザインは著作物か
36.©表示の意味 三要件
あとがき
索引

書誌情報

『新版 編集者の著作権基礎知識』
https://www.ohtabooks.com/publish/2022/04/14151823.html
著者:豊田きいち、宮辺尚  定価:2,640円(本体2,400円+税)   
発売:2022年4月15日     判型:A5判ソフトカバー 
ページ数:256ページ      ISBN:978-4-7783-1803-1

「新版」にあたって

豊田きいち著『編集者の著作権基礎知識』は一九九三年一月に日本エディタースクールから第一版が刊行されて以来、著作権法の改正や著者の思考の深化に合わせて手が加わって版を重ね、二〇〇八年までに六版を数えた名著である。この著が二〇一二年十一月に太田出版の「ユニ知的所有権ブックス」シリーズに移行する際にも、当然、著者の大幅な手が入った。

この度、太田出版は、編集者にとって必読の書ともいえる当著をさらに広く新たな読者に手渡したいと考えたが、二〇一二年以降には大きな著作権法改正がいくつかあり、また豊田氏の論考上からは欠かせないと考えられる重要判例もあった。デジタル化・ネットワーク化の進展度合いも激しさを増した。旧著のままでは読者に誤った知識や不十分な情報を与えかねない。しかし豊田きいち氏は二〇一三年一月に逝去されてしまった。どうしたらいいか。

そこで筆者の出番となった。豊田氏晩年の薫陶を受けた筆者は、豊田氏の著作権継承者の理解と了承を得て、共著者として旧著に最低限の手を加えることになった。基本方針は、著作権法の改正や新たな判例の出現、ネット環境の変化によって、豊田氏の表現のままでは誤解を招きかねないところを削除し、書き改めることである。

ただ旧著は、著作権という側面から見た、編集者として生きて行こうとする者にとって必要な「道しるべ」とも言うべき著書である。ほとんどはものの捉え方、気配り・心配りの仕方を述べている。また豊田氏独特の考え方も主張も表されている。そこに削るべき、書き加えるべき部分はない。従って筆者が手を加えた部分は多くはない。
その結果、以下のようになった。

〇デジタル化・ネットワーク化が進む中で、オンラインで著作物を扱うことが著作権法上でどういう意味を持つのかを示すため、著作権という権利の中身を解説する第3章を新たに書き加えた。
〇出版契約を論じる第4章も筆者が全面的に書きおろした。豊田氏の論旨は大幅に削除した。
〇旧版刊行後に延長された著作権保護期間に関する部分については、第19章を中心に適宜加筆修正削除を行っている。
〇法改正による条項の変更、条文の変更に関しては修正を行った。
〇ほか、明らかな書き違い、思い違いには手を加えた。

豊田氏の遺した編集者の著作権知識獲得への熱い思いが、筆者の加筆修正によってより大きく広がってゆくことを願う次第である。

二〇二二年三月 宮辺 尚

 

 

企業担当者の連絡先を閲覧するには
会員登録を行い、ログインしてください。

種類
商品サービス

カテゴリ
広告・宣伝

サブカテゴリ
ライフスタイル
エンタメ