【寒波襲来】「寒冷バッテリー切れ」にご注意ください

慧通信技術工業株式会社

2023.12.19 18:22

【寒さに弱いリチウムイオン電池】リチウムイオン電池は寒さによって突然電源が落ちる 「寒冷バッテリー切れ」に注意が必要です

5℃以下に周囲温度が下がると、リチウムイオン電池の内部抵抗が増加し、放電容量が減少します。 これは、リチウムイオン電池内部の化学反応が低温では遅くなることに起因します。 また、リチウムイオン電池の電解質は非常に低い温度で凍結する可能性があり、電池セルに損傷を与える可能性があります。 最悪の場合、火災発生の可能性があります。

【寒冷地におけるリチウムイオン電池の性能】リチウムイオン電池は寒さによって突然電源が落ちる 「寒冷バッテリー切れ」に注意が必要です

2023.12.19


リチウムイオン電池の内部抵抗は温度が下がると増加し、そのまま充電すると金属析出による内部短絡の危険があります。

リチウムイオン電池を低温で使用しつづけた場合、あるいは低温で保管した場合、バッテリーが劣化することが指摘されています。

–容量の削減
–自己放電率の増加
–出力の電力の損失
–サイクル寿命の短縮

参考資料
国立研究開発法人科学技術振興機構
低炭素社会戦略センター
リチウムイオン電池の劣化挙動調査

https://www.jst.go.jp/lcs/pdf/fy2019-sr-01.pdf

寒冷地におけるリチウムイオン電池の性能

5℃以下に周囲温度が下がると、リチウムイオン電池の内部抵抗が増加し、放電容量が減少します。
これは、リチウムイオン電池内部の化学反応が低温では遅くなることに起因します。
また、リチウムイオン電池の電解質は非常に低い温度で凍結する可能性があり、電池セルに損傷を与える可能性があります。
最悪の場合、火災発生の可能性があります。

Parameter Description Capacity 低温下での電池性能の低下による容量の減少 Self-discharge 自己放電率の低下 Charging 充電効率の低下と充電時間の長時間化

寒冷時におけるリチウムイオン電池の危険性

Parameter Description Overdischarge 過放電や電池損傷の危険性増大 Safety 電池性能の低下や内部抵抗の増加による熱暴走や発火の危険性増大

Note:

危険を最小限に抑え、性能を最適化するために、リチウムイオン電池は暖かい環境で保管し、電池の適切なメンテナンスを行うことが必須です。

ポータブルパワーがリチウムイオンバッテリーを採用していない理由

パーソナルエナジーポータブルパワー、無瞬停可搬型オフグリッド電源 HPP-2000、バッテリーバンクHBB-1000に内蔵されるバッテリーにはAGM(アブソード・グラスマット)バッテリーを採用しています。
以下はバッテリーの安全に関する主な認証、認定です。

1、ISO9001, 14001, 45001認証取得。
2、UL1989(ファイル番号MH14533)UL認定部品。
3、IATA/ICAO 航空輸送に関する特別規定A67に適合。
(危険な熱を発生させるおそれのある電池のうち、当該電池の電解液が55℃においてケースの亀裂等により漏えいしないものであり、かつ、当該電解液が遊離した又は吸収されない液体を含まないものであつて、短絡若しくは不測の作動を防止する措置がとられているもの又は当該電池を動力とする装置、機器及び車両は輸送禁止物件に含まれないものとする。)

4、欧州航空安全機関 MG改正27により、水上輸送の非危険物として分類。
5、陸上輸送において、アメリカ交通省(Department of Transportation)により「ドライチャージ」49 CFR 171-189として認定。

これには理由があり、ポータブル電源はその名前が示す通り、ポータブル(portable)持ち運びできる、携帯できる、ことが最大の特徴ですから、特に災害時や停電時では、いつでも、どこでも、「安全」に電源確保できることを目的としています。

AGMは非常に低い電気抵抗となっており、効率よく電力を供給し、他のタイプのバッテリーと比較しても驚異的なライフサイクルで、元々は航空用途に開発された、軍用のバッテリーとしても多く採用されている方式です。
バッテリー単体の期待寿命は10~12年で設計されています。
AGM は既存のバッテリーに対して、安全性、効率、そして耐久性を向上する目的で設計されています。
そしてAGMバッテリーは完全なリサイクルが可能です。

特に災害時においては、負荷の電気機器を選ばず、高出力を安定して出力することが求められます。
リチウムイオンバッテリーの最大の特徴である、急速充電やサイクル充電は再度バッテリーが充電できる環境があって初めて役立つものですしかしながら災害時にはそのような充電環境は容易に準備できないため、急速充電やサイクル充電の優先順位は低いと思われます。
また、移動、運搬を前提とした、ポータブル電源では、円筒型リチウムイオンバッテリーは移動、振動の影響を大きく受けるため不向きです。
AGMバッテリーはもともとが航空機やミリタリー使用を前提としたバッテリーですので、移動や振動に適したバッテリーと言え、出力に関してもリチウムイオンバッテリーと比較して差は無いため、これを採用しています。

また、使用中に充電残量が少なくなった場合を想定して、バッテリーバンクHBB-1000は電源を投入したままバッテリー交換(活線挿抜/活線交換/ホットスワップ)が可能であり、最大49台の接続をサポートしています。
もちろん、この電源交換の間も無瞬停で高出力は維持されますので可搬型、大容量UPSとして使用することが可能です。

多くのポータブル電源は常時使用することを前提には作られていない

ポータブルパワーHPP-2000およびバッテリーバンクHBB-1000は万が一の場合だけではなく、24時間365日連続稼働することを前提に設計されています。

また、伸縮するキャリーロッドハンドル、キャスターによって移動することも前提に考えられており、振動や衝撃周囲の温度環境、特に日本では夏は40℃以上になることや、冬にはマイナス20℃の環境下で使用することも考慮した設計となっています。
連続稼働することと持ち運びが出来ることを両立した非常に珍しい製品と言えます。

さらに、通常のポータブル電源では接続することが出きない、誘導負荷、電動工具やエアコンなどに対しても電力供給することが可能となっています。

https://youtu.be/huNaat5Afbw

 

BCP対策として業務用ポータブル電源を選ぶ際に重要なポイントとは

安全性

BCP対策として業務用ポータブル電源を選ぶ場合に最も重要な要素は「安全性」です。
停電や災害時などの非常時だけでなく、常時使用が可能な製品を選択することも重要です。
常時使用されていることによって非常時にも途切れなく電源を確保することが容易です。
また、業務用ポータブル電源には電気用品安全法、PSEに準拠していることはもちろんのこと、内蔵される蓄電池の種類ごとの安全性能、「SDS(安全データシート)」が明記、公開されている製品でなければ万が一の火災事故や製品の故障、廃棄時に所有者や販売者は損害賠償責任を負うリスクがあります。
SDSとはSafety Data Sheetの頭文字をとったもので、伝達対象となる化学物質を一定割合を超えて含む製品を他の事業者に譲渡または提供する際に交付する、化学物質の危険有害性情報を記載した文書のことです。
特にリチウムイオンバッテリーに関しては日本国内では厳しい制限が課されています。

リチウムイオンバッテリーはどんな材料を使っていても、どんな構造で、どんな電池特性であったとしても、全て「リチウムイオンバッテリー」と呼ばれており、リチウムイオンバッテリー内の有機溶剤やレアメタル、毒性物質に関しても不明な点が多いため、ポータブル電源で使用されているリチウムイオンバッテリーに関しては家庭から廃棄される一般廃棄物の対象外であり、事業場・工場から廃棄される場合(産業廃棄物)でも、処分できる業者、場所が決まっていないため、メーカーでの引取り条件がない限りにおいては日本国内では事実上、廃棄、処分が出来ないことにも注意が必要です。
現在、各自治体においても「リチウムイオン電池等処理困難物」として大きな問題となりつつあります。

→パーソナルエナジーポータブルパワーは航空機、船舶、鉄道すべての搭載が可能な安全認証を取得しています。

参考 令和2年度リチウムイオン電池等処理困難物 適正処理対策検討業務結果
https://www.env.go.jp/recycle/210407libhoukoku.pdf

高可用性

次に重要な要素は「高可用性」です。
ユーザーから見てシステムが停止せずに使えることを高可用性と言いますが、これを実現するためには、信頼性の高いハードウエアを使い、耐障害性を高めたソフトウエアによる制御をされたポータブル電源であることが重要です。
万が一の場合も平常時と変わらぬ電力供給が可能な「UPS機能」が搭載されたもの、そして正弦波を出力するポータブル電源を選ぶことも大切です。

→パーソナルエナジーポータブルパワーは正弦波「無瞬停」で電源切り替え可能。コンセントと同じ感覚で使えるオフグリッド電源です。
※オフグリッドは慧通信技術工業の登録商標です

ライフサイクル

そして、3つ目に重要な要素は「ライフサイクル」です。
どのような種類のバッテリーであっても非常用であるからと言って、非常時以外には使わないような使用方法は不可能です。
充電・放電を繰り返すことで進行するのが通電劣化といい、使用しない状態でも時間経過とともに進行するのが経時劣化と言います。
バッテリーの寿命低下は電池内部で起こる化学反応によるもので、一般的に化学反応は温度が高いほど、その反応速度が上がるため、使用環境の温度が高いほど、バッテリーの劣化が早く進行します。
メーカーが推奨する一定の環境下で常時使用した場合にどの程度の期間、連続運用できるのか?という要素が重要です。
国税庁によれば、蓄電池の法定耐用年数は6年となっていますが、できるだけ法定耐用年数に近い製品保証のあるポータブル電源ほど信頼性が高いと言えます。

→パーソナルエナジーポータブルパワーは5年間の製品保証、期間中は回数無制限で交換修理が可能です。

安全性・高可用性・ライフサイクルを備えた
可搬型大容量UPS PortablePower HPP-2000 製品サイト

 

「安全性」「高可用性」「ライフサイクル」
3つの重要な要素を満たしたポータブル電源を選択することがBCP対策には不可欠です。

特にリチウムイオン蓄電池を使用しているポータブル電源は、事故が起きたときの発熱量も大きくなるため、より注意が必要です。
ポータブル電源の本体は電気用品安全法の規制対象外ですので、ポータブル電源を使用する際は、以下の点を参考により安全性の高い製品を選ぶとともに、保管や使用状況にも注意が必要です。

1.製造・販売元がはっきりしている製品を選び、また回収・リサイクルに対応しているか確認する。
2.使用中の感電に注意
3.リコール対象製品となっていないか確認しましょう。
ポータブル電源に関する事故のうち約5割がリコール製品によるものです。
メーカー、型番などで過去に事故やリコールがないか確認するようにしましょう。

・消費者庁リコール情報サイト https://www.recall.caa.go.jp/
・独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE) SAFE-Lite https://safe-lite.nite.go.jp/

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種類
調査レポート

カテゴリ
エネルギー・環境

サブカテゴリ
交通・物流
自治体など