高齢化社会を迎えている日本では一人暮らしであったり、施設や病院に滞在されている方々にどうやって快適な生活を送っていただくか ＝ “未病ケア” が大変重要な課題です。しかし現実にはそういう方々は一人でいる時間が長くなり、どんどん認知症が進行してしまうという問題があります。認知症の進行を少しでも遅らせるために適切な“未病ケア”を行っていく事が急務です。

未病ケアとは、大事な家族が寝てばかりにならないようにして、現実世界にいる時間を少しでも長くしてあげる事です。しかしそれについては今の日本の病院や施設にいると対応するのが予想外に難しいのです。

今の日本は病気の治療に関しては世界でも有数の先進国だと思います。よほどひどい病院に当たらない限り水準以上の治療が受けられるでしょう。しかし、治療ではなく”未病”の人たちのＱoＬ（Quality of Life）をどう改善するかについてはまるで考えられていないのです。それは尊厳死についての議論が進まないのと同じ原因でしょう。つまり、今はまだ”病気を治す”という事を中心にしか考えられていないのです。”病気さえ治れば問題はなくなるのだ”という昔ながらの考え方から進歩していません。

未病の方たちのQoLを上げるにはどうしたら良いか？ いろいろ考えて行き着いた答えは、

『 未病ケアを“やらなくてはいけない辛い作業”から“一緒に出来る楽しい作業”に変えよう！』

でした。つまり 未病ケアをエンタテインメントにする方法です。実際に私が病院や施設で実現できたやり方も交え、課題と対策を整理しています。人手ですべてやるのが難しいなら、今の技術で自動化していくことも考える必要が有るのです。この本ではこれから大事なご家族の介護が必要になる世代の方々に、未病のうちに取り組んでおくべき課題と対策を提案しています。

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