話題の新刊発売開始『沖縄画―8人の美術家による、現代沖縄の美術の諸相』
「本画」が揺らぐなか、はたして「沖縄画」は可能か!?
「日本画」という概念が、もともと日本にあったものではなく、明治期に流入した「西洋画」への対抗軸としてつくられたことは、いまでは広く知られています。「日本画」とはそもそも「日本」を描くことを本懐としていますが、明治から令和へと時代を経て、大きく様変わりをした日本の姿を現代の日本画は描いているのでしょうか。いまだ過去の様式美をなぞっている作品も多く見られます。そもそも「日本」という枠組み自体に問題があるのではないか―そういった疑問から「沖縄画」の試みは出発しています。
今年8月に開催された展覧会「沖縄画―8人の美術家による、現代沖縄の美術の諸相」は、沖縄という地縁だけを手掛かりに、ユニークな作品を展開する新進気鋭の美術家8名を紹介し、短い会期にもかかわらず多くの反響を呼びました。
本書には、同展の出品作品の紹介や作家ステートメントのほか、土屋誠一らによる「沖縄画」を巡る論考や、「東北画は可能か?」でも知られる三瀬夏之介を招いたシンポジウムを収録。「日本画」や「沖縄」にとどまることなく、美術をとおしてローカルかつトランスナショナルな共同体のかたちを模索する議論の起点となる展覧会ドキュメントです。
【本書概要】
書名:『沖縄画―8人の美術家による、現代沖縄の美術の諸相』
編:土屋誠一、富澤ケイ愛理子、町田恵美
ページ:80ページ
製本:並製本
サイズ:B5変
デザイン:鈴木春奈
ISBN:978-4-908122-25-5
2023年11月上旬刊行
定価:1500円+税
【作品収録】
泉川のはな、平良優季、髙橋相馬、陳佑而、寺田健人、西永怜央菜、仁添まりな、湯浅要
【論考】
バラバラなるものたちのアソシエーションとしての「沖縄画」|土屋誠一
沖縄の〈日本画〉一海外からの視点|富澤ケイ愛理子
沖縄の美術の現在地|町田恵美
【収録元シンポジウム】
「沖縄画」展をめぐって
登壇者
三瀬夏之介(画家、東北芸術工科大学教授)
大城さゆり(沖縄県立博物館・美術館学芸員)
富澤ケイ愛理子(美術史家、イースト・アングリア大学専任講師)
進行
土屋誠一
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