ベビーテックアワード2023大賞受賞!シングルマザー・シングルファザー向けのトークアプリ ペアチルは光栄な賞をいただけました!
シングルマザー・シングルファザー向けのトークアプリ「ペアチル」の開発・運営をする⼀般社団法⼈(⾮営利徹底型)ペアチル(本社:東京都港区、代表理事:南翔伍)は、この度、BabyTech® Awards Japan 2023保護者支援サービス部門で大賞を受賞しました。
優秀賞には株式会社ジェイアール東日本都市開発様のCHARICO(チャリコ)、江崎グリコ株式会社様の子育てアプリ「こぺ」、他の部門の大賞・優秀賞はコクヨ株式会社様、株式会社ポーラ様であるなど、日本を代表するホールディングスや企業様と同じく、光栄な賞をいただけたことはとても誇りに思います。
ペアチルは非営利団体ながら、数少ない資金・リソースでひとり親の方の声に耳を傾け、人・情報・仕事から孤立し、孤独になっているひとり親の方のウェルビーイングを最大化することを目指し、懸命に活動を続けています。
審査委員からのコメント
・ひとり親の境遇に応じた孤独の解消のためのアプリというなかなか難しい領域に真摯にとりくんでいらっしゃる様子が伝わってきました。応援したいです。
・「孤育て」という造語にも現れている通り、独り親の孤独による精神的な苦痛は、親自身にも子どもにもハレーションがある。ITリテラシーが低い独り親にも分かり易い仕組みにしている点や、登録のハードルを上手く下げている点など、高く評価出来る。
BabyTech(ベビーテック)とは
BabyTechは、妊娠妊活、出産、乳幼児の子育てを支援するスマートデバイスやITサービスのカテゴリを指す総称です。
2016年のCESから「BabyTech」ジャンルははじまり、2018年にはカテゴリでフロアが設立されるなど認知度が高まりました。欧米では多くのスタートアップ企業やクラウドファンディングが存在しています。
国内外で市場が拡大するBabyTech領域で、ペアチルを大賞に選んでいただけ、スタッフ一同嬉しく存じます。
シングルマザー・シングルファザー向けのトークアプリ「ペアチル」について
ペアチルは、全国の多様な境遇のひとり親の方同士で子育て・仕事・家計・家事などの雑談や相談を気軽にできるトークアプリ。親子の年齢・子どもの人数・お住まいなどの基本情報と、自由に会員が設定できる境遇タグ(「3歳児の子育てに困っている」など)をもとに検索やレコメンド表示で、簡単に素早く相談したい人・共通点の多い人を探すことができます。
グルメ・映画・音楽などのカテゴリ別に「好み・考え方カード」を作成登録ができ、気軽な雑談・交流ができるようになっています。
データの暗号化によるセキュリティ保護、運営への通報・ブロック機能、本人確認書類の提出必須によって、安心安全に交流できるシステムがあります。
シングルマザー・シングルファザー向けのトークアプリ「ペアチル」を立ち上げた経緯
一般社団法人ペアチル代表理事の私は0歳から虐待を受け、かつ母子家庭で育った背景があります。
そのため、私の母のようなひとり親の方の問題を解決したい想いが強いです。起業前、元ZOZO前澤友作氏から出資をうけ、養育費の不払い問題を解消するべく、株式会社小さな一歩のボードメンバーとして「養育費保証サービス」を展開していました。
養育費保証サービスにお申し込みいただいたひとり親の方々から、養育費に限らず、子育ての困難さ、育児・家事・仕事をワンオペでこなす大変さ、周囲からの偏見、行政制度や相談できる人などの社会関係資本の不足など、ひとり親の多様な問題に直面しました。
行政制度や多数のひとり親支援団体がいるにも関わらず、ひとり親からの悲痛な声が多すぎたため、多様なひとり親の問題を解決しなければならない使命感が強烈に生まれたことがペアチルを立ち上げたきっかけです。
一般社団法人ペアチルが解決したい課題
(ペアチルが考える貧困連鎖のループ図、ペアチルのロジックモデル)
ペアチルは、ひとり親が社会資源(行政の制度情報、民間団体の支援情報)・人(専門家、身近に相談できる人、気軽に子どものことで頼れる人など)・情報(子育てのノウハウ、障害などの専門知識、不要な支出を減らすための工夫、転職ノウハウなど)から孤立し、望んでもいないのに孤独になっている課題を解決していきます。
私たちが考える、「望まない孤独が多様な問題に発展してしまっていること」と「望まない孤独になっている要因」について、ご説明していきます。
<望まない孤独が多様な問題に発展してしまっていること>
メディアの影響もあり、「ひとり親の問題」と聞くと、「経済的に大変(貧困)」を真っ先に思い浮かべる方が多いかもしれません。
確かに、子育て世帯全国調査(平成30年度)によると、ふたり親世帯よりも母子世帯と父子世帯の貧困率は高く(ふたり親世帯の貧困率:5.9%、母子世帯の貧困率:51.4%、父子世帯の貧困率:22.9%)、その上子どもに貧困が連鎖するケースが少なくありません(私自身も貧困母子家庭で育ち、連鎖しないために相当苦労しました)。
しかし、経済的困難の背景には、実に多様な要因が絡みあっています。 問題を構造化していく中で、似た境遇の人に相談できる人がいない・自治体や支援団体の資源にアクセスできていない・孤独感が高いことが経済的困難の要因構造であると独自調査と統計データで判明しました。
東京都福祉保健局『ひとり親家庭の相談状況等に関する調査』(2019)では、約3人に1人のひとり親が親同士の交流、頼れる相手がいないことが分かっています。我々の独自調査でも80%ほどのひとり親の方が本音で相談できる人がいないと回答しています。
日本はイギリスに次いで世界で2番目に孤独・孤立対策担当大臣を任命しており、孤独・孤立を重要な社会問題だと捉え、大規模な調査をしています(ペアチルは孤独・孤立対策担当室が先導する内閣官房「孤独・孤立対策官民連携プラットフォーム」に参画しています)。
調査結果で配偶者がいないと孤独感スコアが圧倒的に高いと判明しています(孤独感があると回答した割合 既婚:28.6%、離別:52.2%、死別:43.1%)。では、身近に相談できる人がいない場合には、代わりに自治体などの行政機関やNPOなどの支援団体に援助依頼や相談すれば解決できるかというと、全国ひとり親世帯等調査(令和3年度)によると97~98%のひとり親はそもそも自治体や支援団体に相談すらできていないのが現実です。
この①身近に相談・頼れる人がいない②自治体や支援団体にアクセスできないの2つの要因によって、人・社会資源・情報から孤立し、結果として経済的に困窮に陥っているのです。
またこの2つの要因は、精神疾患・児童虐待・親子自死・少年犯罪など他の問題にも発展してしまっています。 仕事・育児・家事をワンオペでしないといけない生活の中、しかも身近に相談できる・頼れる相手がいない、自治体や支援団体にも相談できない、そんな方の精神状況を想像してみてほしいです。
絶望以外のなにものでもありません。このような状況に陥ってしまっている方に「収入UPのために就労支援を受けてほしい」「子どもの健康のためにも食生活を整えてほしい」「子どもに少しでも異変があれば病院に連れて行ってほしい」「休日に気晴らしに交流しにきてね」などの声掛けをしたとして、実行できる気力、継続できる気力が湧かないと、独自調査を通して出会ったひとり親のママさん・パパさんが悲痛の声をあげています。
ここまで述べてきたように、あらゆる問題に発展しえる可能性があり、経済的困窮のボトルネックになっていると考える「望まない孤独」ないしは「孤育て」になっている状況を解消するために、ペアチルは立ち上がりました。
<望まない孤独になっている要因>
この「望まない孤独」の状況になっている背景には2つのことがあります。
1つ目は、「同じひとり親であっても、相談し合える関係になれないこともある」ことです。
同じひとり親であっても、親子の年齢・ひとり親になった経緯(死別、離別、未婚)・親子の障害の有無・実親からの支援有無・養育費の有無・面会交流の有無・子どもの人数・年収・就業形態・法的手段の経験有無・居住地・病気の有無など、ひとり親を構成する要素は複数あります。
要素の掛け合わせパターンが異なると、同じひとり親であっても共感できなかったり、相談できなかったり、せっかく他のひとり親と出会えたとしても、孤独が解消されにくい構造になってしまっています。
例えば、DVが原因で離婚してひとり親になった方と、パートナーが交通事故で亡くなられてひとり親になった方では、悩みや辛さ、不安の要因・内容が異なり、気持ちを分かち合えないこともあります。
2つ目は、既存のサービス・取り組みでは似た境遇のひとり親と交流しにくい状況になっています。
主な既存のサービス・取り組みは①自治体等が運営するひとり親向けのリアルコミュニティ②ひとり親限定のFacebookグループ・LINEオープンチャット・その他コミュニティサービス③X等のSNS・Yahoo!知恵袋などの掲示板サイトです。
①は家事・育児・仕事で疲れ、休日にわざわざ予定をあわせてリアルのコミュニティに行く気力が湧かない、もしくは予定をなかなか合わせにくい課題があります。
②はオンラインコミュニティのため参加がしやすいですが、大勢の人が参加しており、各々に発信するUIになっているため、会話についていけない、人見知りだと自己開示できない課題があり、孤独解消には至ってないケースがあります。
③は見ず知らずの人からの誹謗中傷が多く、自己開示できず、相談などをし合える人と出会いにくい課題があります。
この2つの背景があるため、調査を進める中で分かってきたニーズは「いつでも・どこでも、簡単に、安心して、似た境遇の人に、相談・気持ちを吐き出せる」サービスあるいはプロダクトが必要であるということでした。
シングルマザー・シングルファザー向けのトークアプリ「ペアチル」の現状
ペアチルは2023年6月1日にApple Store、GooglePlayに正式に公開しました。現在、島根県以外のひとり親の方々にご利用いただいており、月に100通〜1500通のやりとりをされているひとり親の方がいます。
0~6歳のお子さんがおり、離婚でシングルマザーになった30代の方にもっとも多くご利用いただいている状況。
少しずつ使われるひとり親の方が増えてきて、寂しい気持ちが和らいだ、ネットでは調べられなかった情報を交換できた、今まで吐き出せなかった気持ちに寄り添ってくれる人と出会えたなどのお声をいただけるようになってきました。一歩ずつひとり親の方の孤独解消に向けて、役立つプロダクトになってきたのかなと実感してます。
ペアチルの今後の構想
ペアチルは「ひとり親特化型のLINE(スーパーアプリ)」を目指します。LINEはメッセージサービスから始まり今となってはコマース・人材マッチング・メディア・金融など幅広いサービスもつくられ、日本を代表するスーパーアプリになりました。
ペアチルも、スキルUPができる学校・企業の講座、弁護士などの士業の方々、全国の関連非営利団体、子育て世帯向けにサービスや商品展開する企業、ひとり親の雇用に注力している企業などとひとり親の方々を紡げられるサービスにしていきます。
どうか、応援・ご支援いただけますと幸いです。
ペアチルを支援する↓
https://parchil.org/donation-request
企業様や他非営利団体との連携を強化しております。我々のトークアプリ「ペアチル」を一つのチャネル・ブランディングツールとしてもご活用ください。
ご関心ある方は以下の問い合わせフォームか、代表理事の私のFacebookにまでご連絡ください。
・問い合わせフォーム
https://forms.gle/21F78fv55QZychpm8
・代表理事 南翔伍Facebook
https://www.facebook.com/minamisyogo.shiro/
今後ともペアチルをよろしくお願いいたします。
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