台湾:違法テレビ視聴アプリおよび不正ストリーミング視聴機器を刑事摘発、2事件の運営者など計11名を逮捕
台湾の内政部警政署(NPA)刑事警察局(CIB)電信偵査大隊と内政部警政署保安警察第二総隊刑事警察大隊(IPR警察)は、2023年3月、宜蘭県、台中市などで家宅捜索を実施し、違法テレビ視聴アプリ「熊愛影視APP」を通じて日本などの放送番組を違法に提供していた容疑者4名を逮捕しました。さらに8月、不正ストリーミング視聴機器(ISD) 「小雲機上盒」向けに日本などの放送番組の信号を違法に提供していた犯罪組織の拠点を家宅捜索し、容疑者7名を逮捕しました。
これを受けて、CIBは9月27日に台北の本部にて、2つの事件に関する記者発表を行い、現地のテレビ局など多くのメディアが集まりました。
違法テレビ視聴アプリ「熊愛影視APP」を開発・販売したとして逮捕された容疑者らは、正規セットトップボックスより放送信号を盗み、台湾、シンガポール、米国、日本などの放送番組を違法に視聴者に提供していました。同アプリは、正規セットトップボックスの5分の1の価格でアプリ内の全チャンネルを視聴することができ、Android OSを搭載したあらゆる端末にインストールが可能でした。被害額は当初の見積もりで18億1,000万台湾ドル(約83.7億円)以上と推計されています。
CODAでは今回の摘発に関連し、捜査機関からの依頼を受け、会員社の協力により日本の放送番組の権利侵害を確認し、当該会員社が7月に宜蘭地方検察署に対し刑事告訴を行っていました。
ISD「小雲機上盒」は、IFACT-GC(※)の調査により2023年4月に発覚し、それがCIBおよびIPR警察による捜査および摘発に進展し、その後も捜査が継続しています。
記者発表には、NPAの黃明昭署長、CIBの周幼偉局長が参加され、CODAからは伊奈エンフォースメント担当部長が参加し、あいさつにおいて今回の摘発を含むCIBおよびIPR警察による日頃の日本コンテンツの保護に謝意を表し、今後のさらなる協力と支援を求めました。
CODAは、今後も台湾の取締機関との連携を強化し、現地における日本コンテンツの知的財産権保護のために効果的な侵害対策を継続してまいります。
※:CODAが業務提携する、中華圏全域における知的財産権保護をミッションとする民間の調査会社
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CODAについて
CODA(一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構)は、2002年に日本コンテンツの海外展開の促進と海賊版対策を目的として、経済産業省と文化庁の呼びかけで設立されました。音楽、映画、アニメ、放送番組、ゲーム、出版などの日本が誇るコンテンツは、日本の国際プレゼンス向上や経済成長の一翼を担っています。デジタル技術の普及が進む今日、巧妙化する著作権侵害から日本のコンテンツ産業を守り、その発展を図ることが一層重要になっています。その中でCODAは、国内外の関係政府機関、団体、企業と叡知を結集し、権利侵害への直接的、間接的な対策や広報啓発活動などに取り組むことで、オンラインを含めた海賊版の抑止や摘発に貢献しています。具体的な事業内容はhttps://coda-cj.jp/activity/から。
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