毛細血管計測装置「血管美人」を用いた機能性食品の評価

あっと(株)

2023.08.30 17:56

機能性食品ウロリチンA含有ザクロ抽出発酵物(ウロリッチ🄬)摂取に伴う血管内皮機能

あっと株式会社(本社:大阪市/代表取締役社長:武野團)は、当社の毛細血管計測装置「血管美人&CAS(Capillary Analysis System)」を用いて、株式会社ダイセル(本社:大阪市/代表取締役社長:小河義美)が開発したウロリチンA含有ザクロ抽出発酵物の長期摂取による毛細血管評価および血管内皮機能改善効果に関する研究を行い、その成果について共同で発表しましたのでご報告いたします。

【研究背景と目的】

ザクロ果皮から抽出したエラグ酸の腸内代謝物であるウロリチンA(製品名:ウロリッチ🄬)は、ザクロ果皮抽出物から発酵法を用いて生産し、株式会社ダイセルが世界で初めて開発した機能性食品素材です。

ウロリチンAは、ザクロに含まれるポリフェノール・エラグ酸が、ヒト腸内の腸内細菌によって代謝されてつくられる物質のひとつで、オートファジー(※1)やサーチュイン遺伝子(※2)の活性化などにより細胞を再活性化するウェルエイジング素材として注目されている素材です。

これまでの研究により、ウロリチンAを10 mg/日摂取することで血流依存性血管拡張反応(flow-mediated dilation(FMD))に上昇傾向がみられていました。

本研究ではウロリチンAの血管機能に与える効果をさらに精査するため、指先の毛細血管の変化を評価する測定装置「製品名:血管美人(※3)」を用いてランダム化プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験を実施しました。


【研究内容】

被験者32名を対象として、ウロリチンA 10 mg/日またはプラセボを12週間にわたり摂取してもらいました。毛細血管を「血管美人」を用いて自動的に計測し、画像処理技術によって毛細血管の変化(長さ、血管幅、血管外間質液の光学応答特性)を評価するとともに、被験者の体重や血圧、脈拍といった検査項目に並びに、老化によって衰えるとされる肌、腸、髪、見た目、眼、気力に関する項目のアンケートを実施しました。

【結果】

ウロリチンAを10 mgを摂取した結果、12週間後には指先の毛細血管観察において統計的有意な毛細血管の長さの伸長が観測され、体重の減少、眼(物の見やすさ)において改善が認められました。また、毛細血管画像の血管外間質液の透明度が向上する結果が得られ、毛細血管内皮の機能変化の可能性が考えられました。

図1:試験品摂取群の12週間前後の、爪先毛細血管観察・計測事例

 

試験品摂取12週間の前後で、毛細血管長さが長くなり、また血管周辺の光学特性が改善した爪先毛細血管画像が取得されました。

図2:試験品摂取群の12週間前後の、爪先毛細血管観察・計測事例

 

ウロリチンAを10 mgを毎日摂取した結果、12週間後には指先の毛細血管観察において統計的有意な毛細血管の長さの伸長が観測され、血管外間質液の透明度(毛細血管にごり)が向上する結果が得られました。

 


【まとめ】
 本研究の結果から、ウロリチンAの摂取は毛細血管の機能改善とそれに伴う健康増進効果が示唆されました。本研究では、毛細血管測定装置;血管美人・CASを用いて、機能性食品の摂取による毛細血管内皮の形態および機能変化の状態を視覚的かつ定量的に捉えたデータを提供いたしました。爪先(爪郭)毛細血管は正常な状態ではヘアピン形状とされていますが、ウロリチンAの摂取により、毛細血管の長さが長くなり正常な状態に近づくこと、また毛細血管の周辺の細胞外液の透明度が高くなることにより毛細血管の透過性が低下している状態も捉えております。これまでの研究でも、ウロリチンAを10mg/日摂取することでFMDの上昇傾向が見られ血管内皮機能の改善傾向が確認されており、本研究による毛細血管形状の正常化はこの研究結果とも合致しています。

また、本研究を通じ、食品の機能性検証に非侵襲な毛細血管形状・形態の経時変化測定が有用であることが示されました。

 

【掲載誌】
薬理と治療, vol.51 no.6 2023

 

【論文タイトル】
非侵襲毛細血管顕微鏡を用いたウロリチンA含有ザクロ抽出発酵物(ウロリッチ🄬)摂取に伴う毛細血管変化と内皮機能評価 -ランダム化プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験-


【著者】
Yuta Meda 1, Dan Takeno 1, Joe Nakano 1, Chiharu Fujii 1, Yuichi Ukawa 2, Shunsuke Ishiwa 2, Kanaya Shigehiko 3, Michia Igase 4

【所属】
1 あっと株式会社
2 株式会社ダイセル
3 奈良先端科学技術大学院大学 
4 愛媛大学

 

※1  ウロリチンAとは、エラグ酸の腸内代謝物の一つで、細胞の再活性化によりさまざまな健康効果を期待できる機能性食品素材。ダイセル社が世界で初めて発酵法による商業的な生産に成功しました。

 

※2 オートファジーとは、細胞の自浄作用のことで、古くなった細胞内組織を自身で回収して分解すること。細胞の恒常性を保ち、新陳代謝を促します。

 

※3 サーチュイン遺伝子とは、長寿に関する遺伝子として報告されている遺伝子群のこと。

※4 血管美人・CASとは、爪先毛細血管に流れる赤血球の反射光をイメージングまたする装置・システムであり、あっと社が世界で初めて非侵襲的に皮下の毛細血管像と毛細血管周辺の光学特性を計測しデジタルデータ化するシステムを開発しました。

 


<ウロリッチに関するお問い合わせ先>

株式会社ダイセル ヘルスケアSBU 健康食品BUマーケティング部 担当:石輪、山下(豊)

TEL : 03-6711-8213
Mail : healthcare_info@jp.daicel.com

 

<臨床試験のご依頼、血管美人およびCASに関するお問合せ先>
あっと株式会社 担当:小山

TEL : 050-5876-8563

Mail : info@kekkan-bijin.jp

 

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