「いぎなり東北産、びしょ濡れ『8周年祭』。スイカ割りに「マイム・マイム」に流しそうめんも」

株式会社スターダストプロモーション

2023.08.15 19:00

3rdミニアルバム『THE 東北産』をリリースしたばかりのいぎなり東北産が、8月11日にグループ結成8周年を記念したイベント『末広がり8周年祭』を山形県にある東北最大級の遊園地・リナワールドにて開催した。イベントではステージ上空に線状降水帯が発生したかのような大量の放水演出はもちろん、スイカ割りからの「マイム・マイム」、そしてステージ上での流しそうめんまで実施。端的に言うと“なんでもありなステージ”で、詰めかけた800人近いファンと8周年をお祝いした。

 

例年、いぎなり東北産の周年イベントの会場といえば、彼女たちにとって聖地・仙台駅前EBeanSの屋上だった。しかし今年は、グループ史上最大キャパのパシフィコ横浜単独公演も年末に控えていることなどあって、より多くの人たちにいぎなり東北産に触れてもらう機会を作るべく、周年イベントも規模を拡大。とはいえ、ショッピングモールの屋上から一気に東北最大級の遊園地にサイズアップしてしまうのは、なんともいぎなり東北産らしいざっくり感である。

 

夏の日差しを避ける屋根こそあるものの、気温は35度を超えている午後のリナワールド プラザステージ。開場が始まると、本日の公演は水を使った演出があること、両サイドのブロックは比較的濡れにくいこと(ただし濡れないとは一言も言ってない)などが場内でしきりにアナウンスされる。一方、持参したビニール袋でバッグなど荷物を包むといった準備が進められる客席側。水族館のイルカショーでも始まるのかというような雰囲気だが、この徹底した防水対策を行なったか否かで終演後の明暗が分かれたはずだ。

 

開演時刻となり、いぎなり東北産の出囃子に合わせて客席からはコールとクラップが発生する。そしてメンバーの登場かと思いきや、突然、どこかの夢の国を彷彿とさせるエレクトリカルなサウンドが流れ出す。会場はリナワールドなのに、ボコーダーを用いたロボットボイスで「東京なんとかランド」と聞こえた気がして、なんだかちょっと居心地の悪さに観客苦笑い。そうこうしていると、上手側のステージ横から、おそろいの“蜂周年Tシャツ”を着用し、伊達花彩を先頭にパレードのようにメンバー9人がやってくる。ひときわ大きな歓声が上がって、『末広がり8周年祭』はいよいよスタートだ。

 

まずは2023年のいぎなり東北産にとってエポックメイキングとなった「わざとあざとエキスパート」から。本人たちが積極的に制作に参加したことで誕生した同曲は、TikTokでの爆発的なヒットを経て、“皆産”や“スタダDD”と呼ばれる人たちではない、彼女たちと同世代を中心とした、東北産のことをまだ知らない層への認知拡大につながった。ほかのグループと比べても、若い層や女性ファンの比率は決して低くなかったいぎなり東北産だが、昨今のライブやイベントでの上記層の割合の多さは、「わざとあざとエキスパート」がその起爆剤となったのは間違いない。

 

リナワールド プラザステージは、構造が日本武道館と同じすり鉢状の客席になっているため、観客からの声は滝のようにステージへと降り注ぐ。最初のMCで、観客全員が一斉に「いぎなり東北産、8周年おめでとう!」と声を合わせると、その幸せな光景と声援を全身に浴びて、リーダー・橘花怜は「この9人で8周年が迎えられてよかった。」と、早くも感極まる。一方、山形県産(=山形県出身)の藤谷美海は、幼い頃から足を運んでいた地元のリナワールドでのイベント開催に「ちっちゃい頃から行ってる場所にみんながいるのが感慨深いです。」とちょっと大人なコメントをしてみせた。

 

そしてここから一気にお祭りムード(?)に突入する。東北を走る各新幹線の停車駅をファンクに歌い上げる「TOHOKU FUNKY RAIL」では、葉月結菜と律月ひかるがステージの上手と下手に分かれて、結構な水量を供給できそうな太めのホースに取り付けられた放水銃を手にして放水がスタート。ライブではあまり味わうことができないウォーターアクティビティに、早くも普段以上の盛り上がりを見せるオーディエンス。そんな姿を目の当たりにしたら、もっと盛り上げたくなってしまういぎなり東北産。ステージ中央に設置された子供用プールに入っている水鉄砲や柄杓も用いて、会場の至るところで水しぶきが円弧を描いていく。灼熱の太陽光との屈折で描かれる虹の向こう側で、「いだだきランチャー」が天を突き、「ハイテンションサマー!」へと続けば、もうそれだけで会場の熱狂は臨界点に達する。

 

今回の8周年イベントにおいて、ダイナミックな放水演出以外で特筆すべき企画といえば(メンバーそれぞれが先輩アイドルや他のアーティストの曲を披露したメドレーコーナーもさることながら)、スイカ割りからの「マイム・マイム」だろう。これは、7月に行なわれたYouTube19時間配信の中で視聴者にインパクトを与えた「マイム・マイム号泣事件」をトリビュートしたもの。事件の詳細は割愛するので各自検索などで探し当てていただければと思うが、今回は、橘花怜が19時間配信では実施できなかったスイカ割りにチャレンジし、もし見事スイカを割ることができたらみんなで「マイム・マイム」を踊る、という内容となっている。ステージにはさっそく山形県産の尾花沢スイカが運び込まれ、橘花怜も目隠しをして、準備万端。スイカ割りのスタートだ。

 

安杜羽加を中心とした的確なナビゲートとメンバー間のチームワークで、橘は目隠し状態ながらもソロリソロリと着実にスイカとの間合いを詰めていく。そして気合いを込めて木刀を一気に振り下ろすと、飛沫とともに尾花沢スイカを一刀両断。内側から赤い果肉が覗くと、メンバーは飛び上がって橘に駆け寄る。そして会場に流れ出す、聞き馴染みのあるイントロ。観客からの手拍子と「マイムベッサッソン」の声に包まれながら、割れた尾花沢スイカを囲んで、メンバーは一心不乱に「マイム・マイム」を踊り出す。我々は山形まで来て一体何を観ているのか。そんなことを考えてしまうのは野暮というものだ。

 

一方で、いぎなり東北産らしいカオスを見せつけたのは(いや、スイカ割りからの「マイム・マイム」も相当カオスだったけど)、「恋はじめ」の曲の間だけステージ上で行なわれた流しそうめんだろう。「本番前もアイスしか食べてなかったりして、メンバーみんなお腹が空いたよね?……じゃあここで、流しそうめんやりたいと思います!」という強引すぎる展開を、特に疑問に思うことなく歓声で迎え入れてしまうオーディエンス。そしてスタッフ総動員でステージに設置される流しそうめんセット。「恋はじめ」といえば、その昔、まだ彼女たちがメイク禁止だった頃、どうしてもメイクをしてライブがしたいメンバーからの要望に応えるため、『「恋はじめ」の曲中のみメイク可』という企画をライブ中に行なった経緯がある。そして今回の流しそうめんを食べながら歌うという企画は、上記の「曲の間だけメイクができる企画」の夏バージョンなんだそうだ。

 

ハンドマイクを首から下げられるアタッチメントに装着し、めんつゆと割り箸を手にした9人。「恋はじめ」の曲に合わせて、桜ひなのから順に器用に歌いながらそうめんを食べていく。このタイミングで観客の撮影可能タイムになっていたことから、食べることだけに集中するのではなく、ちゃんと客席に向けて可愛くポーズをとってあげることを忘れない吉瀬真珠や北美梨寧。安杜羽加に食べさせてあげる律月ひかるという一面も見られたり、藤谷美海はなぜかそうめんを流す側にも回っていたり。みんなそれぞれに、イベント中のお食事を楽しんでいた。

 

「いぎなり魔曲」に乗って流しそうめんセットが撤収されての後半戦は、「私たちの8年目の記念日だね。もう8年になるんだね。ずっと一緒にいようね。」と律月ひかるが瞳孔を開きっぱなしで語りかける狂気的な「あなたは」に、感謝の気持ちを歌った「sister」。そして「負けないうた」と続いた。いずれの曲も現状に満足することなく、もっと高みを、もっと大きな場所を目指して頑張り続けるという想いが込められた楽曲。それは、結成日となった8月9日の深夜に急遽始まった葉月結菜のインスタライブの内容にもつながる。いろんなものと戦いながら、いろんなものと折り合いをつけながら活動しているのは昔から変わることなく、むしろ今も現在進行形。だからこそ、グループが8年も続いたのは奇跡だとも言えるし、このメンバーとスタッフだったから続いたとも言える。そして、ここからはもっと先へ。まだ見たことがない景色をみんなで見るために。

 

今日も彼女たちは、そんな想いをひとりひとりが抱きながら、力のかぎり歌いつないでいく。

 

「みなさんと8周年を迎えられてとても嬉しいです。東北産は、みんな別の夢を追って東北産に入っているから、かれんは大好きな東北産の形がいつか壊れることを覚悟して東北産をやっていた部分がありました。なので、まさか8年目を一緒に迎えることができるのがすごい感慨深いです。でも時間を重ねていくと、みんな、できなかったこととか、いろんなものを蹴散らして断ち切って東北産をやってきたんですが、続けていくうちにやっていてよかったなって。そんな話をこの間、深夜配信でも話してたんです。でも、東北産への自分の愛が重いんだって考えていたら、実はメンバーみんなも同じことを考えていて。それがすごい嬉しかった。……8年やってきて、なんか、今までいろんなことがあったけど、やっていくうちにすべてがひっくり返って、やっててよかったなって思える瞬間が来るんだ、って思ったし。この先も、今年はパシフィコ横浜もあるし、その先には武道館もあるはずなので。」

 

ラストスパートを前にした最後のMCコーナーでは、リーダーの橘花怜が、大きな瞳を潤ませて声を震わせながら、あらためて今の想いを伝える。するとそこに、葉月結菜がサラリと橘への想いを加える。

 

「かれんはずっと“自分の愛が重い”って言ってるけど、かれんがずっと8年間、東北産を始めた時からアイドルとしての夢を追っていて、ブレたことがなかったじゃん? “いぎなり東北産としてずっと一緒にいたい”っていう。かれんのブレない背中をずっとうちらは見てきたから、東北産は8年も続いているんだよ。かれんが重かったんじゃなくて、かれんがここまでブレないでいてくれたからこそ、うちらはここにいるんだよ。」

 

藤谷美海も思わず「すごいコメント……。」と驚嘆してしまうほどの葉月からのストレートな言葉を受けて、橘は思わず両手で顔を覆ってしまうほどの大号泣。そして「これからも私たちの生涯をかけて、みなさんに愛を届けていきたい。」と言葉を結んだ。

 

ラストパートは、「青春修学旅行」「NIWAKA」「伊達サンバ」「天下一品〜みちのく革命〜」(およびアンコールの「うぢらとおめだつ」)と、アゲ曲を立て続けにこれでもかと並べて、5台の放水銃もフル稼働させてのずぶ濡れのステージを展開。水量の勢いを上手く制御できずに客席の一角に集中放水してしまう場面も随所で見られて、服が濡れるとかいうレベルではなく、客席の様子を例えるなら、傘をさすことが許されないゲリラ豪雨のよう。

 

「久しぶりの自分たちのイベントでこんなに自由にやれた。」とメンバーも満足気だったいぎなり東北産『末広がり8周年祭』は、「曲が終わるのがあと少し遅かったら確実に溺れていた……。」と思った人も絶対いるであろうびしょ濡れのままいろんなものが振り切れてしまったオーディエンスに囲まれながら、熱狂と興奮の大団円を迎えた。

 

「これからもみんなと一緒に、一歩ずつですが前に進んでいけたらいいなと思っています。武道館もひとつの目標ですが、その先まで目指していけるようにこれからも頑張っていきたいと思います。いつも応援してくれてありがとう。これからもみんなにたくさんの景色を見せるね。これからも一緒に楽しい思い出作ろうね。ということで、以上、うぢらみちのくのスターダスト!いぎなり東北産でがんした!ありがとうございました!!」

 

いぎなり東北産は、2023年2023年12月29日には、グループ史上最大規模となるパシフィコ横浜 国立大ホールにて、『いぎなり東北産 2023年大一番ライブ 〜いぎなり伝説への幕開け〜』に挑戦する。

https://madeintohoku.com/contents/641239



取材・写真・文:Yosuke TSUJI



【関連リンク】

いぎなり東北産オフィシャルサイト https://madeintohoku.com

いぎなり東北産公式Twitter https://twitter.com/madeintohoku

いぎなり東北産TikTok https://www.tiktok.com/@the_made_in_tohoku

『負けないうた』全国絶対に負けないツアー ファイナル ライブ映像  https://youtu.be/MmXkqdJjBKc

『負けないうた』MV  https://youtu.be/1WbP1wYOf-w

『わざとあざとエキスパート』MV

  https://youtu.be/NGCOEq5uzNM






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