ぽこぽこクラブとは？

ぽこぽこクラブは2013年、鴻上尚史が主宰した「虚構の劇団」所属の三上陽永、杉浦一輝、渡辺芳博の3人が、独自で立ち上げた演劇ユニット。

その後、坂本健と高橋玄太を主要メンバーに加え、現在5人でぽこぽこと活動中の劇団。

脚本は公演ごとに三上、杉浦、渡辺の誰かが中心となり、共同で執筆。

誰が中心に執筆するかで、作品の雰囲気は微妙に変化しますが、演出は全て三上が担当している。

一つの価値観や方法論に拘らない、どこまでも自由な演劇で、作風は力強くスピーディ。かと思うとユルい空気だったり、はたまた切なさで苦しくなるほど繊細だったり。人の持つ、喜怒哀楽全ての感情をひっさげて「劇場空間」で「演劇」で演れる事をとことんやっている。

【受賞歴】

三上陽永は若手演出家コンクール2020最優秀賞を受賞。2023年第8回東奥文化選奨受賞。

劇団としてサニーサイド演劇祭最優秀賞、杉並演劇祭審査員特別賞を受賞。2020杉並演劇祭大賞受賞。

2013年に旗揚げしたぽこぽこクラブも今年10周年！！

紆余曲折あり、メンバーは旗揚げ当時の三上、杉浦、渡辺の三人となりました。
新体制で挑む第一弾は、長年我々を叱咤激励しながら見守ってくれた千葉哲也氏を演出に迎え、三上陽永の問題作「あいつをクビにするか」を大改訂して上演致します。

（前回公演時のフライヤー）

三上が描き続ける「家族」と「愛」そして「父親」の存在をベースに、ホラーやサスペンス要素を加えた異色作。

始まりの共同体である「家族」から「国家」へと裾野を広げ、病んだ日本を浮き彫りにした本作品を、

近年ではPARCOプロデュースで「マヌエラ」の演出を手掛けた千葉氏が、久々のホームである小劇場で思いっきり遊びまくります。

キャストは千葉氏自ら全オーディションに立ち合い決定。選りすぐりの俳優達を揃えました。

予想を裏切り期待に応える作品になっていると思います！心から劇場でお待ちしております。

三上陽永コメント

ぽこぽこクラブを主宰しております、三上陽永です。

今回は10周年という節目の記念公演であり、メンバー編成を経た新体制一発目の大切な作品となりました。

脚本は千葉さんと相談し、2016年初演の「あいつをクビにするか」を大改編する事にしました。
10年間、ぽこぽこクラブ全公演の演出を担当してきた自分にとって、自劇団で演出を受けるのは初めての経験。しかも、千葉さんの演出という事もあり気合い入りまくりで、若干空回っています笑
自分が書いた作品を、目の前で千葉さん独自の解釈で演出してもらうというのは、何とも贅沢で、不思議な体験です。
おそらく久々であろう小劇場の劇団で、千葉さんが思いっきり遊びながら演出しています。え？千葉さんがこんな演出するの！？みたいなシーンがたくさん。

脚本も何度も一緒に直しながら、千葉さんと二人三脚で創作に挑みました。
そして何より注目して頂きたいのが、オールキャストオーディションで選ばれた役者達。才能ダダ漏れの若き役者陣の輝き。それに負けじと攻めまくるベテラン陣。

間違いなく本作は小劇場界に事件を起こします。賛否分かれまくる本作品を、新宿シアタートップスで目撃して下さい。

あらすじ

気に入らない先生をクビに追い込む裏サークル
「先生をクビにする会」
発起人の阿久沢芽衣は、イラついていた。
最愛の兄、和矢が突然婚約をし、家を出るという。
婚約相手は、失踪した母親に良く似た女だった。
あの女に兄を奪われるぐらいなら…
「あいつをクビにするか」
カッターを握りしめる手が小刻みに震える。
ゆっくりと開く巨大な冷凍庫の扉は、地獄へと続く極寒の扉。
「芽衣…」
忘れかけていた母の声に、振り向く事もなく見つめていたのは、赤いボールだった。
暗闇に浮上する阿久沢家の凍った過去が溶けだし、川となり、やがて濁流となって海へと流れ出す。
新体制となったぽこぽこクラブ。
10周年記念公演の演出に、千葉哲也氏を迎え、ぽこぽこ史上最大の問題作を大改編し、最高のキャストで上演致します。お楽しみに。