【慶應義塾×社会】人文社会学研究のニュー・スタイル 広く学外の人々と共に実践するプロジェクトを始動

慶應クラファン岡原正幸プロジェクト

2023.07.04 10:00

―閉塞する社会をよりよく生きぬく力を一人ひとりのライフに見出す、 かつてない研究活動の実践―

岡原正幸慶應義塾大学名誉教授(慶應義塾大学協生環境推進室ダイバーシティ専門委員)、小倉康嗣文学部教授、金澤悠喜看護医療学部専任講師らの研究グループはライフストーリー研究*1 とアートベース・リサーチ*2 を掛け合わせた新しい研究手法を社会の皆様とともに始動します。専門研究者以外の方々にも調査協力者としてクラウドファンディングを通じてエントリーしていただき研究活動を共にすることで、従来にはないコミュニティ形成を目指します。

■背景と目的
他者と共有された自分のライフストーリーを素材として、演劇的な身体表現を行い、鑑賞者に披露する。これはアートベース・リサーチ(ABR)という研究手法ですが、岡原名誉教授と小倉教授が共同で運営している授業において、これまでのべ1,200 人もの学生が参加し実践してきました。“自分の人生は平凡で語ることがない”と思っていても、その経験や体験は社会的にも公共的にも十二分な価値を持ち得ます。自身ではドラマチックではないと思っていた人生にも十二分にドラマがあり、授業を通じ参加者が実感するという出来事が多くありました。それは「奇跡」といえるような出来事でした。
しかし、科学で重視される数字やデータでは測れない、その人間らしさを感じる新しい研究方法は未だ広く普及していません。この新しい研究手法をキャンパス内に留まらず多くの方に知っていただき、たくさんの方々と研究を進めるために、クラウドファンディングを通じ本研究を実施することになりました。

■慶應クラファン 岡原正幸プロジェクトの概要
今回のプロジェクトにおいて、寄附者の自薦・他薦により対象者(語り手)を募集しライフストーリー作品を制作します。

  1. プロジェクトのステップと流れ
    ① リサーチ(語りを聞く)
    研究者と調査・研究協力者を中心にした複数のチームで、ひとのライフストーリーを聴き、記録。
    ② ワークショップ
    語りという出来事にかかわったみんなで作品化を念頭におき、ワークショップを実施。
    ③ 作品制作
    作品形式・表現形式は自由。このプロセスでは表現の専門家とコラボレーションして作品をつくる。
    ④ 作品公開
    語りの当事者の希望を踏まえ、公開は多様な形式で実施。鑑賞者を含めての対話の場が重要。
    ⑤ 活動記録
    作品紹介のパンフレットは、ある人のライフと対面するためのガイドブック。動画として作成する可能性も。

  2. 作品制作部門でお手伝いをおねがいできる方々
    映像(写真)
    岡原功祐(写真家)
    ハイスありな(写真家、Tokyo Art Beat、シアターコモンズ)
    映像(映画)
    原 真織(映画監督、俳優)
    小田浩之(映画監督)
    後藤一樹(映画作家、千葉商科大学制作情報学部准教授)
    演劇
    関根淳子(俳優、演出、SPAC)
    関根信一(俳優、演出、フライングステージ)
    アート
    小泉明郎(アーティスト)
    島影圭佑(アーティスト)
    宮森みどり(アーティスト)
    音楽
    河崎純(音楽詩劇研究所)
    近藤はるか(オペラ歌手)
    ファッション、詩、ゲーム
    龍花慶子(ファッションデザイナー)ほか
    マルチモーダル
    ふくだぺろ(詩人、映像作家、映像人類学)

  3. ライフストーリー研究の主な対象カテゴリ
    ① 戦災・被災の当事者のみなさん
    記憶の継承を当事者のライフをなぞることで実現します。語りを聞く、なぞるといった活動自体が、当事者の皆さんや語りを聞こうとする学生双方にエンパワーメントをもたらします。
    ② 医療従事者のみなさん
    病・生・死に関わる現場を生きながら、この数年はコロナ禍で多くの困難を経験された看護・医療に携わる方々の語りを聞くことで、双方にエンパワーメントが生まれます。
    ③ 慶應義塾普通部卒業生のみなさん
    セルフライフストーリー、オートエスノグラフィという手法はまさに自分のライフをテーマにする研究です。この文脈で、普通部を1973 年卒業し、2023 年に卒業50 年を迎える皆様やその前後の卒業後のライフを対象にした作品制作を行います。慶應生、普通部生、「慶應ボーイ」というカテゴリでも多様な生が営まれたことが明らかになると考えられます。
    ※上記 3 カテゴリに力点を置きますが、対象はこれに限らずカテゴリを超えた実践を想定しています。

  4. 目標金額
    400 万円(第一段階目標)

  5. 目標アウトプット
    最大対象者(語り手)数:30 名
    最大ライフストーリー作品数:10 本

  6. プロジェクトページ
    あなたのライフを作品にする〜人文社会学系研究によるエンパワー
    https://readyfor.jp/projects/keioabr

*1 ライフストーリー研究:個人が調査者である聞き手との出会いの中で自分の人生を語り、調査者がそ
の個人の人生を記述する調査分析。数値や統計にまとめるのではなく、個人の主観的見方を明らかに
して、人間行動を理解するための研究。
*2 アートベース・リサーチ:アートベース・リサーチ(ABR)とは、学問的な研究や教育の過程で、アー
トや文学、映像や演劇という表現を使用することで新しい形の知識を生み出す手法のこと。

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種類
キャンペーン

カテゴリ
エンタメ

サブカテゴリ
ライフスタイル

慶應クラファン岡原正幸プロジェクト

URL
https://k-ris.keio.ac.jp
業種区分
教育・学習支援業
代表者名
岡原正幸
上場区分
未上場