【減圧症と飛行機】ダイビング後の搭乗で気を付けたい事

株式会社伊豆高原ダイビングスクール

2023.06.15 18:30

ダイビング、飛行機、減圧症こんなデータがあります

はじめに言いたいことはダイビング、減圧症、飛行機の勉強はダイバーにとって必須事項となっております。
なぜなら昨今、減少傾向にありますが、いまだに減圧症を軽んじるダイバーも多くいるという事実!
そして、ダイビング後の飛行機搭乗で減圧症を発生させる例も後を絶ちません。

原因は

  • 講習期間の短縮化
  • ダイブコンピューター任せのダイビング計画(行き当たりばったり)
  • 決まった師匠が居ない(継続して教えてもらえない)
  • ダイビング雑誌の廃刊で安全啓発の記事を読まなくなった

時代背景も併せて多くはこの4つが原因かと思います。

ご質問や、お問い合わせはこちらの公式LINEご利用ください。

 

しかしこの時代、自分で調べればいろんな情報が出てくるので正しい情報を得ることができれば減圧症のことを学ぶ機会も十分あると思います。

そんな縁でこのページを見つけて頂いたと思います。

ここでは体内窒素のシミュレーターを使って体の中の窒素のたまり具合をご覧いただきながらご説明させていただこうと思います。

それではダイビング、減圧症、飛行機について一緒に学んでいきましょう!

シミュレーターの見方をご説明!

 

上のプロフィールをご覧ください。このダイビングは減圧症になる可能性の低いダイビングだと思います。
毎回こんな感じで潜れていれば、ダイビング後の飛行機搭乗も通常24時間あければ十分に安全な範囲です。

 

次は、右の縦グラフの説明です。

体内窒素について説明

上記写真の右側。緑色の縦バーが体内窒素です。

それを拡大したものがこちら↓

この窒素バーの見方がわかりますでしょうか?

右の縦軸25-200っていう数字が体内の各部位に溜まっているであろう窒素の飽和状態(水面時に)を100として表しています。

したがって、ダイビングが終わって水面に戻ってくるときに過飽和状態(縦軸100%を超える)になっていれば当然減圧症を発症するリスクがあります。

しかしこのグラフはすべてシミュレーションになります。減圧症を発症しやすい方、減圧症になりにくい方もいらっしゃいます。

 

次は減圧症になりやすい傾向をお話しします。

ダイビング、減圧症、飛行機の搭乗で発症しやすい方となりにくい方

飛行機搭乗と減圧症がテーマなのでここは軽めに説明いたします。

減圧症のリスクが少ない方

  • 若い方
  • 健康な方
  • 喫煙しない方
  • 普段運動する方

上記の方々は血管や肺の状態が良いことが多く体内に溜まった窒素を効率的に呼吸から排出できる方々です。

つまり、リスクが高い方はこの逆ってことになります。体内に溜まった窒素を効率的に排出できない方となります。

 

次はダイビングの当日に気を付けたい行動について

減圧症を発症しやすいダイビング前後の行動

これも飛行機搭乗と減圧症と別なので軽めに説明いたします。

前日~当日の行動で減圧症を予防する

  • 水分をしっかりとりましょう。ダイビング前後にはコップ1杯程度の水
  • 汗をかくような日はさらにもう一杯
  • 睡眠をしっかりとる(めちゃくちゃ重要)
  • 休憩時間をしっかりとる90分を推奨
  • 喫煙を避ける(せめてダイビングの直前直後)
  • ダイビング終わりの飛行機搭乗
  • ダイビング直後の高所移動
  • 深いところで何かを追いかけるような急激な運動
  • ダイビング後の運動

などなど、たくさんありますがこの辺で

要は体に溜まった窒素を効率よく排出できる環境(体)になるようにしてください。
それとダイビング中の激しい運動は体に窒素を溜めやすくなります。
そしてダイビング後の激しい運動も窒素の排出がはやくなりすぎてしまいます(炭酸飲料を振ってから開ける行為と同じです。)

 

次にダイビング、減圧症、飛行機についての重要ポイント

ダイビングと飛行機と減圧症について

データを出しながら説明します!

まず一般的に飛行機搭乗は基本24時間の休憩をすればよいといわれております。
が!ダイビング後24時間後の飛行機搭乗で減圧症になる例が結構あるそうです。
飛行機に乗る場合は体内窒素をほぼ完全に0%にしてからにしましょうね!
なぜなら飛行機搭乗で発症する減圧症は比較的重症度が高いと言われています。

 

次に、シミュレートした表を見ていきましょう

たっぷり潜った後の窒素の減り具合

はじめに、この表は1日4本がっつり潜った(すべて無減圧潜水)後に24時間の水面休息時間を取った表です。

右の窒素のたまり具合を見てください。窒素の溜まりにくくて、排出しにくいSLOW側の一番右だけまだ窒素が7%ほど溜まっている状態です。

この状態で飛行機搭乗すると非常に低い確率だと思いますが減圧症の発症例があります。(窒素飽和度が5%以上で発症のリスクがあるといわれております。)
その多くにマヒや極度の疲労感を伴う症状が出る重症に部類される場合もあります。

 

次に、下のシミュレーションした表を見てみましょう。

この7%の窒素がほぼ完全に0になります。

休憩時間を延ばしていくと27時間50分で一応、体内窒素の溜まり具合が0になります。
写真だけだと分かりにくいのですが27時50分を境に体内窒素が5%以下が急に0%になってします。
ここでは一概には言えませんが約30時間程度の休憩が推奨される窒素量であったとおもわれます。

次に飛行機搭乗について考える。

ダイビング、減圧症、飛行機搭乗を旅行で実際に考えてみる

体内には窒素の溜まりにくくて、排出しにくい組織があります。
骨や脊椎周辺などに窒素が溜まっていしまうとその後の飛行機搭乗の際にリスクが高まります。
実際のダイビング旅行でどんな行動をすればいいか考えましょう!

飛行機の搭乗時間を夕方以降にする。

ダイビングは比較的昼間にすることが多いのでダイビングの最終日は午前中までに終了しておきましょう。
例えば、午後からは観光やお土産を見に行く
夜はツアーの打ち上げがあるとおもいますが、睡眠時間は大切にしてくださいね。

 

そして、翌日の飛行機搭乗までの時間もスノーケリングをするのは問題ないです!旅行を楽しんで飛行機搭乗をしましょう!
つまりダイビン以外の予定も満載にした予定を組みましょう!

 

次に体内の窒素のグラフを時間経過とともに見てみましょう

減圧症予防に必要な休憩時間。窒素の減り方を見る(ダイビング、減圧症、飛行機)

先にも述べましたが休憩時間は90分を推奨しております。
体内窒素が休憩時間にどんな風に減っていくのかシミュレーションしてみました!

これは、少しがっつり目に潜っています。コンピューター上は無減圧潜水の範囲ですが結構溜めてます。

このグラフではダイビング後10分の体内窒素量です。
比較的窒素の出入りの早い組織は少なくなってきていますね。

このグラフではダイビング後30分で窒素の出入りの早い組織はどんどん減っていきます。
しかし、中間~窒素の出入りの遅い組織はほぼ変わっていません。

このグラフで注目してほしいのが中間あたりの部分です。
休憩時間30分と比べるとかなり減っているのがわかります。
第一に窒素の多かった70%の組織が43%まで減っています。
第二に多かった一つ右の排出の遅い組織が48%と逆転して一番多くなっていますね。

休憩時間90分経ちました。この後は窒素の減り方が
次第にゆっくりになっていくので見ていきましょう!

さらに30分の休憩を取ったのに一番窒素の多かった組織からは8%しか窒素の排出が行われませんでした。
この後もさらに窒素の減り方は緩やかになります。
つまり窒素の排出という観点で見ると90分くらいまでが効率的に出ていくので現実的な休憩時間だと思います。

次に休憩時間150分の窒素の吸収、排出の早い組織はほぼ0になりますが
排出の遅い組織はほぼ変わりありません。

いま窒素飽和度が6%になっている組織は150分からの30分の休憩で4%程度の変化です。
長く休憩時間を取っても窒素の吸収、排出が遅い組織には変化が少ないのです。

こんな感じ体に溜まっていった窒素が減っていく感じイメージできましたでしょうか?
90分の休憩時間は溜まりやすくて排出の早い組織の窒素はほぼなくなり
中間の組織も効果的に窒素の排出が出来ています。

現場でよく、タンクをおろしてから30分の休憩で次行きましょう!っていうのはおおよそ45~60分の休憩を取って次のダイビングに行くことになります。

中間位の組織が50%程度残っている状態です。
つまり、2本目のダイビングは結構浅めにしないと減圧症のリスクが高いということです。

次にロングダイビングの悪い所を見ていきましょう

ギリギリダイビングがよくない。どのくらい良くない?

ここでは、ギリギリダイビングをしたデータを見てみましょう

どれも無減圧限界を超えないダイビングです。

  • どの程度窒素が溜まっているのか?
  • どの程度のダイビングなのか?

ご覧ください。

まず30mマックスでのギリギリダイビングを見ていきます。

 

水深30mには約15分程度の滞在そのあと比較的浅い15m付近にずーっといます。
次に浅いところに20分程度いてさらに無限圧時間が迫ってきたところで10mくらいで粘ります。
それからエキジットというデータです。

皆さんこんな潜り方していませんか?
無減圧限界時間だけ見てダイビングをしているとこんな感じのダイビングも出来てしまいます。

次に体内の窒素量を見てみましょう
窒素の多いところが92%もあります。
これで無減圧限界内ですが減圧症が発症してしまうリスクが高い値です。

エキジット時に窒素飽和度を80%程度まで抑えて上がると良いよ。となっていますので
もう少し窒素を減らして浮上したかったです。

つまり、安全停止を長くするか、潜水時間を短くする必要があります。

また、ロングダイビングの後なので残圧を考えると潜水時間を短くする方が現実的であると思います。

次に20mの最大水深でのギリギリダイビング

次にこのダイビングも似たような結果です。

20m付近に長居をして無減圧限界時間が無くなってきたところで浅場へ移動します。
水深10mへ移動、ここで無減圧限界時間がのびたので安心してダイビングを続けていました。
つまり、無減圧限界時間だけをみてダイビングをしているとこのようにギリギリダイビングを繰り返すようになります。
自分の体にどれだけ窒素が溜まっているか?想像しながら潜れるようになってみましょう!

当店ではこのようなデータを見ながら減圧症の予防の勉強ができます。
このシミュレーターは現在の水深でどのくらい体内に窒素が溜まっているか?
というのが見られるようになっています。より詳しい話は担当佐藤まで!

ダイビングの知識開拓セミナー

定期的に渋谷店ではドクター山見のダイビング医学も解説しております。
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記事、データ:佐藤智章

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