ブロードウェイミュージカル『ピピン』初主演で「この夏、森崎ウィンは大きく変わる気がします!」

株式会社キョードー大阪

2022.06.22 10:45

1972年、『シカゴ』や『キャバレー』で知られるボブ・フォッシーによる演出と振付で、ブロードウェイで初上演されたミュージカル『ピピン』。ストーリーは「劇団の一座が若き王子・ピピンの物語を演じている」という劇中劇の構成で、人生の目的を探し求めるピピンの壮大な物語を展開する。 2013年に新演出版で同地に帰還した本作は、ボブ・フォッシーのスタイルを踏襲した刺激的なダンス、シルク・ドゥ・ソレイユ出身のアーティストが手掛けたスリリングなサーカスアクロバットなど、誰も観たことのない、新しいミュージカルエンターテインメントとして世界中を驚かせ、同年のトニー賞でミュージカル部門・最優秀リバイバル作品賞を含む4部門を受賞した。国内では2015年に初の来日版が上演され、2019年には城田優主演で日本初演が実現。連日のスタンディングオベーションを記録し、大好評を博した。 そんな傑作ミュージカル『ピピン』が2022年夏、主演のピピン役に森崎ウィン、キャサリン役に愛加あゆと新キャストを迎えて帰ってくる。また、オリジナルキャストとしてリーディングプレイヤー役を演じ、本作で2019年読売演劇大賞優秀女優賞を受賞したCrystal Kayほか、今井清隆、霧矢大夢、岡田亮輔、中尾ミエ、前田美波里らの続投が決定。劇場でしか体験することのできない、“奇跡のひととき”が再び、立ち現れる。 先日、主役のピピンを演じる森崎ウィンが来阪し、公演をPR。日本初演版はチケットを購入し、劇場で観たという森崎。本作へのありったけの思いを語った。

――ミュージカル『ピピン』の主演を務められますが、出演のオファーを受けたときの率直なご感想を教えてください。

 

純粋にびっくりしました。日本初演のピピン役を城田優さんがされていて、当時、自分でチケットを買って観に行かせていただきました。もちろん、二代目ピピンをやるというお話が全くない中でした。最高のミュージカル、最高のエンターテインメントに生で触れて、その感動をずっと覚えている中で、「ピピン役をどうですか」とお話をいただき、正直、本当にびっくりしました。と同時に、すごく嬉しかったです。でも、だんだんプレッシャーがのしかかってくる感じがあります。

 

――観客として作品をご覧になって、観劇のご感想や見どころを教えてください。

 

劇場は東急シアターオーブでしたが、中に入って、客電が落ちてからの『ピピン』の世界というのは一言で言い表せないものがありました。あの世界の中で観ていると興奮するんですよね。「これは今まで味わったことのない感触だな」とすごく感じました。

 

『ピピン』って、総合エンターテインメントの最高峰だと思うんです。いろんなことが起きてドキドキハラハラさせられますし、マジックも行われて、「これ、どうなっているんだろう」と考えようとしたらもう次のシーンだし。その一方で、ストーリーでも考えさせられるものがありました。それこそ普通の幸せを求めて田舎町を出たピピンに自分と重ね合わせる瞬間があったり、僕も歌い手だから楽曲にのめり込んで、「一緒に歌いたい、踊りたい」って思わせてくれたり…。そんなに数多くのミュージカルを観てはいませんが、僕が観てきた中でもミュージカルという概念を大幅に超えたエンターテインメントショーです。オープニングもいきなりストーリーテラーのCrystal Kayさんがお客さんに話しかけてきて。そこからもう引き込まれていくんですよね。そういう感覚を味わった作品でした。

 

――ストーリーの魅力はどういったところでしょうか?

 

自分探しの話だけじゃなく、歴史と照らし合わせるといろんなことが背景に散りばめられているということも含めて、このストーリーの楽しみ方がたくさんあるのかなと思っています。戦争のお話もあって、日本初演は2019年でしたが、「今、こうしているうちにもいろんなことが世界で起きているんだ」と改めて考えさせられた瞬間も多かったです。

 

――『ピピン』のテーマが、今お話しにもあった「自分探し」ですが、森崎さんは自分探しのご経験はありますか?

 

自分探しは常にしております(笑)。いろんな作品に出会ったり、新たな物語や知識と触れ合うことで考え方が変わっていく中で、「あれ?昔、こう思っていたけど、今の俺って全然、違うところにいるし、これからの俺はどうなっていくんだろう」とか、こうなりたいと思っていたけど実際、そこに来てみたらまた違うものが見えていて、「あれ?ここを目指してやってきたつもりだったんだけど」と変わっていたりとかして。時間とともに常に自分を探しているという状態ではあります。

 

――Crystal Kayさんとはポスター撮影でお会いしたんですか?

 

そうですね、撮影でお会いして、その後にもう1回、バラエティー番組でご一緒しました。撮影の時は僕の後ろから、あの衣装とメイクで「『ピピン』、大変だよ」って言ってました(笑)。あの衣装で言われるとちょっと怖いんですよね(笑)。

 

――米倉涼子さんと城田優さんの『SHOWTIME』の動画が公開され、その中で城田さんが「ピピンは歌もダンスもすべての要素が難しい」とコメントされていましたが、2019年にご覧になった時も役の難しさは感じましたか?

 

一言で言うなら、「優くん、本当にすごかった」。優くんがいろんなミュージカルをやられていることは知ってはいたんですけど、行く機会がなかなかなくて、僕が初めて生で観たのは『ピピン』だったんですね。もちろん到底及ばないことを知った上ですけれども、やっぱり同業者ですし、僕の中で負けたくないというところもありました。優くんが日本初演の主演を務められたということも、『ピピン』の素晴らしさが胸に届いたのかなと思います。

 

――城田さんからは何かアドバイスはありましたか?

 

第一声で「正直、ピピンはめちゃくちゃ大変だよ」って。その後に「ウィンウィンだったら本当に大丈夫、絶対できるから」と。優くん演出の『SHOWTIME』に出させてもらって、僕がどれぐらいできるか優くんはわかっていると思うんです。その上で「大丈夫、できる」という言葉はすごく励みになりますし、「何かあればすぐ連絡しておいで」と言っていただいて。いきなり頼るのは僕の性格上、いやで。「優くんはここにいる」って感じているだけでも十分、頑張れるので、今はまだ甘えずに自分でできるところまでやって、稽古中に本当に追い込まれた時は急に夜中に電話しようかなと思ってます(笑)。

 

――『SHOWTIME』で『ピピン』の「コーナー・オブ・ザ・スカイ」を歌われました。

 

歌い方とか細かいところも含めて、自分の中でちょっとつかめた部分があるんですけれども、純粋にめちゃくちゃいい曲なので、歌い手としてはめっちゃ気持ちいいですよね。『SHOWTIME』ではピピン役として歌っていなかったので、前後の芝居を通じて自分がどういう歌になるのか、これから稽古を通じて見直さないといけないなと、その時から感じていました。

 

――森崎さんのファンの方で、まだ舞台を観たことがない方もおそらくいらっしゃるんじゃないかと思うのですが、「舞台の森崎ウィンはこう違う」という、生で見る良さはどこだと思いますか?

 

ウィンがウィンとしてライブするときはウインなんですよね。僕が好きなタイミングでしゃべるし。その良さもすごくあるんですけど、ストーリーのキャラクターを通した森崎ウィンって、ライブとかで見られないものがたくさん詰まっているんですよ。『ピピン』では、森崎ウィンとピピンの狭間を行き来していくと思うのですが、まだ見たことがない瞬間がたくさん出てくると思います。前後の芝居によってこんな顔するんだとか、こんな声出すんだとか。ミュージカルでしか観られないものがたくさん詰まっていると思うので、ぜひ目撃者になってもらいたいと思っています。

 

――今、ミュージカル『ピピン』に対しての心境はいかがですか?

 

なんか、すごく良い『ピピン』になる気がしていて。初演を観た時、正直「やりたい」って思ったんです、心のどこかで。僕、SNSとかあんまり更新しないのですが、『ピピン』だけは「観に行った」って自分で投稿しているんです。それだけに、もしかしたら(主演も)自分の思いが引き寄せたのかもしれないと思っていて。もちろんこれから超えなきゃいけないことはたくさんあって、「お前、そんな軽々しく考えるなよ」と言われることもたくさんあると思います。けど、それ以前に僕は楽しみなんです、純粋に。「これどうなってんの?あれどうなってんの?え、これ、やるんだ!よっしゃー!」みたいな。エンタメをやっている僕らがいかに楽しめるかということも大事だと思います。もちろん、それだけじゃないことは重々承知した上なのですが。あと、僕は初めてのシングル主演で。シングルでこれだけの公演数をやるのは自分の人生で初なので、まず、ちゃんと走り抜けられるように、どう自分を保てるかということも含めて、この夏、森崎ウィンは大きく変わる気がします!

 

――最後に、ミュージカル『ピピン』を楽しみにされている方にメッセージをお願いします。

 

正直、二代目ピピンをやるというプレッシャーも結構、あります。だけど本当に好きな作品なので、それを伝える一員として僕も携わることができるのは本当に誇らしいですし、喜びもすごく大きいです。稽古期間中に「いー!!」ってなっているところはあんまり見てほしくないのですが(笑)、その分、舞台で一生懸命、頑張ります。やっと劇場に足を運べるようになったので、ぜひこの作品を受け取ってもらえたらなと思っております。劇場でお待ちしております!

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