新刊『バイオエコノミーの時代 BioTechが新しい経済社会を生み出す』発売
バイオエコノミー推進がいかに経済・社会にとって重要かを考える
株式会社きんざいは、2022年6月10日に書籍『バイオエコノミーの時代 BioTechが新しい経済社会を生み出す』を発売いたしました。本書は、バイオテクノロジーなどの事業創出に従事し、情報発信を続けている齊藤三希子氏によるバイオエコノミーの入門書です。
- 革新的バイオテクノロジーが私たちの生活を変える?(chapter1「プロローグ」より)
「茨木は、空港のコンビニで朝ご飯を調達することにした。ウェアラブルウォッチで今朝の自分のバイタルデータ(腸内細菌状況、血糖値、心拍、睡眠の質、血圧、タンパク質、ミネラル、体水分)を計測し、データを送信する。コンビニのフード3Dプリンタにウェアラブルウォッチをかざすと、その日の茨木の体調と目指している体型・筋肉に近づけるため食事が出てくる。茨木は趣味でマラソンをやっており、セミアスリートを目指している。今日のデータには、この前検査した遺伝子データを追加しておいた。遺伝子データにあった食事をとることによる身体の変化を楽しみにしながら、茨木は飛行機に乗り込んだーーー(略)
バイオテクノロジーとデジタル技術の融合により、20年先には十分にありえる未来の姿です。このストーリーに登場した技術や製品は、すでに研究開発段階か市場導入期になっています。いま、生活の身の回りのものは、ほとんどが化石燃料からできています。仕事も生活も化石燃料がなければ、何も始められません。いまは、普段の生活のなかにバイオ素材なんて見つけることすら大変だと思います。でも、20年後、あなたの生活にはバイオテクノロジーが入り込んでおり、あなたもバイオテクノロジー製品を扱っていたり、研究・開発したりしているかもしれません。」
- バイオエコノミーの時代到来の背景とは
世界の人口が増大するなか、自給率の低い国に住む我々は食料(タンパク質)をどのように確保していけばよいのでしょうか。気候変動の危機が迫るなか、我々はどのように脱炭素化を進めながらエネルギーを確保していけばよいのでしょうか。社会課題の認識はこの数年で瞬く間に広まり、いま社会全体で解決手段の具体的なイメージを持ち、行動することが求められています。
新型コロナウイルス感染症のパンデミック、環境配慮への意識の高まりなどによって、社会も大きく変化し新たな課題も現れました。この新型コロナウイルスの流行に世界全体が絶望するなかで早晩にゲームチェンジャーと期待されたのは、m-RNAワクチンでした。環境問題や健康、動物愛護への意識の高いミレニアル世代を中心にフェイクミートが注目されるようになり、食肉の生産地が牧場から培養液の入ったシャーレに変わろうとしています。
これらに共通するキーワードが「バイオテクノロジー」です。まさにバイオテクノロジーが社会課題解決を推し進め、新しい経済社会を生みだしている状況になっています。
- バイオエコノミーの推進が日本経済のカギとなる
岸田政権の「新しい資本主義」のなかでも、バイオ分野への投資の重要性が述べられています。本書では日本国内企業のさまざまな取り組み事例、先進的な海外の事例も多数紹介し、いま日本が抱える課題について述べています。バイオテクノロジーを起点にあらゆる社会課題解決に向けて前向きに考えていく1冊です。
- 書籍概要
【書籍情報】
書名:バイオエコノミーの時代 BioTechが新しい経済社会を生み出す
著者:齊藤 三希子
本体価格:2,420円(税込)
ISBN:978-4-322-14139-9
発行:一般社団法人金融財政事情研究会、企画・制作・販売:株式会社きんざい
https://store.kinzai.jp/public/item/book/B/14139/
【著者略歴】
齊藤 三希子(さいとう みきこ)
株式会社スマートアグリ・リレーションズ 社長執行役員
(株式会社バイオマスレジンホールディングス グループ会社)
Ridgelinez株式会社 Director
早稲田大学大学院アジア太平洋研究科修了、大学院で環境経済学を学ぶ。外資系総合コンサルティングファームのディレクター職を経て現職。地域資源を活用した持続可能な地域モデルの創出や、Agri-Food Tech、カーボンニュートラル、サーキュラーエコノミー、バイオエコノミー、SX(サステナビリティトランスフォーメーション)、食料安全保障などの事業創出に多数従事。『Newspicks』にて「環境・エネルギー、食・農業、バイオテクノロジー」分野のプロピッカーとして活動中。
【目次】
Chapter 1 Bio is the new Digital
プロローグ──バイオ社会到来の先にはこんな未来が待っている?/バイオを知るための基礎の基礎/バイオエコノミーとは何か/バイオにより広がるビジネス領域
Chapter 2 バイオが変える農業
食農分野におけるBioTechの可能性/人口爆発と気候変動が及ぼす食料生産や食文化への影響/農業の概念と文化を覆す新農法/ミートレス社会の到来/食肉業界のゲームチェンジ/農作物の高速ピンポイント改良時代/ニューノーマル時代に求められる農林水産業/日本が取り組むべき意義 等
Chapter 3 バイオが変える工業
工業分野におけるBioTechの可能性/サーキュラーエコノミー化の具体的な事例/環境に優しい「代替プラ」/未来の素材、セルロースナノファイバーの可能性/人工タンパク質で素材革命/アニマルウェルフェアなバイオレザー/海外で先行、バイオ燃料シフト/ルール形成戦略の重要性 等
Chapter 4 バイオが変える医療/ヘルスケア
バイオ市場における医療・ヘルスケア産業の市場規模/食のヘルスケア産業の創出/3Dフードプリンタで健康食/生命を扱うバイオ3Dプリンタ/不老長寿 ─寿命は自分で選ぶ時代の到来/生物の無限の可能性を引き出すバイオテクノロジー 等
Chapter 5 Bioの社会経済をつくっていくためには
化石燃料を軸とした社会経済の限界/バイオ市場動向および課題/各国のバイオエコノミー戦略/バイオエコノミー推進に向けた課題/バイオエコノミーの実現に向けて
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