能登半島地震の特徴と被害・今後の注意点を解説
業界初の個人向け不動産コンサルティング・ホームインスペクション(住宅診断)、マンション管理組合向けコンサルティングを行う“不動産の達人”株式会社さくら事務所(東京都渋谷区/社長:大西倫加)が運営するシンクタンク「だいち災害リスク研究所」は、5月5日14時42分ごろ、能登地方(能登半島北東部)を震源とするM6.5・最大震度6強を観測する地震の発生を受けて、能登半島地震の特徴とこれまでの被害、今後の注意点や地震に強い家について解説する特別コラムを公開いたしました。
・能登半島地震の概要・被害状況
この地震では、推計震度分布によると、震央から少し離れた、能登半島先端部南側の珠洲市役所のある飯田湾側で震度が大きくなっています。地盤の揺れやすさ(表層地盤増幅率)を見ると、能登半島先端部の南側、飯田湾側で揺れやすい地盤である増幅率1.6以上が広がっていることがわかります。この地域は海沿いの海岸平野や川沿いの氾濫平野に位置しております。
被害は市街地があり、震度も大きかった地域において多く報道されており、耐震性が低いことが想定される家屋の損壊や、裏山のがけ崩れなどのほか、沿岸部での地盤変状(「隆起」と言われていますが液状化の可能性が想定)、倉庫の屋根の崩落などが発生しているようです。
・能登半島地震の特徴
能登半島の北東部の珠洲市付近では、気象庁のデータによると2018年頃から地震が増えており、なかでも2020 年12月以降地震活動が活発に、さらに2021年7月頃から地震活動がより活発となっています。
地震の発生回数を見ると、震度1以上の地震の回数は、2022年6月の45回をピークに今年は月に16回以下となっており、5月4日までも震度1の地震を5月1日に記録して以降5日まで観測されていませんでしたが、最大震度6強の地震があった5日には震度1以上の地震は58回、6日には12回を記録するなど急な増加がありました。このような「群発地震」は、地下で流体が上昇することによるという説が有力視されています。
・今後の注意点
火山ではない場所で、流体の上昇による可能性が高い地震という性質から、地震の継続は年単位に及ぶ可能性もあります。これから大雨シーズンを迎えるにあたり、被災地付近では土砂災害への備えや、屋根などの損傷による雨漏りなどへの注意・警戒が必要でしょう。
災害で被害があった地域では、悪質な訪問業者にも注意が必要です。敷地に入れない、すぐに契約しないなどの対策を。GW中に発生した地震で道の駅で車中泊を余儀なくされた例もあり、常に出先での被災を備えた準備が有効です。
「地震に対して本当に強い家」には、以下の3つの条件があると考えます。①地盤の地震に対する特性や切土・盛土の特徴、液状化エリアといった「立地」、②建物の耐震等級、設計・施工に関わる「初期性能」、③初期性能を長く維持していくための制振ダンパーや蟻害、雨漏りを防ぐなどの「性能維持」が重要です。そのうえで家具の固定を行い、備蓄品や防災グッズなどの置き場を考えることや、どのようなものを備えるかなどを考える手順が重要であると考えます。
コラム:「能登半島地震の特徴と被害・注意点を解説」
■不動産の達人 株式会社さくら事務所■
東京都渋谷区/代表取締役社長:大西倫加
https://www.sakurajimusyo.com/
1999年、不動産コンサルタント長嶋修が設立。「人と不動産のより幸せな関係を追求し、豊かで美しい社会を次世代に手渡すこと」を理念として活動する、業界初の個人向け総合不動産コンサルティング企業で2022年4月16日現在で60,874件を超える実績を誇る。
■だいち災害リスク研究所■
所長:横山芳春
https://www.sakurajimusyo.com/daichi/
安全性の高い土地選びと住宅づくりを広めることを目的として2021年に大西倫加が設立。防災のコンサルティング事業を開始し、国内唯一の個人向け災害リスク診断サービス「災害リスクカルテ」を提供する、さくら事務所運営のシンクタンク。
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