【省エネルギー月間に考える】熱を逃がさない、空気を整える 省エネ住宅づくり

株式会社本間総合計画

2026.01.14 17:40

光熱費抑制と快適性向上を両立する有効手段をプロが解説!

冬の住宅の悩みに、家の中で感じる“温度のムラ”があります。これは、寒さが厳しい地域では特に多く聞かれます。実はその住宅内の温度ムラの正体は “住宅の断熱性能”と“換気による空気の質”にあります。しかし、住宅建築の際、その点を知らず建ててしまうと先々の光熱費や快適性に良くない影響が考えられるでしょう。近年は、建築物省エネ法に基づく建築物エネルギー性能が大幅に強化され、2025年には住宅の省エネ基準適合が義務化されました。それにともない新築住宅には補助金が出る可能性もあります。住まいの性能は「選べるもの」から「必ず備えるもの」になりつつあります。毎年2月の「省エネルギー月間」に、光熱費の抑制や快適性向上を叶える建築時の有効な手段を、建築家がご説明します。

省エネ対策の歩みと、住宅性能向上の必然性

住宅に求められる省エネ性能は、ここ30年で大きく変化しました。1992年の気候変動枠組条約に始まり、1997年の京都議定書、そして2015年のパリ協定を経て、日本では段階的に省エネ基準が強化されてきました。特にパリ協定以降は、建物の外皮(外壁、窓など)性能と一次エネルギー消費の改善が世界的課題となり、日本の住宅も例外ではありません。

近年では、建築主が“省エネを選べる時代”から“省エネが前提の時代”へと確実に移り変わっています。2025年4月からは新築住宅も省エネ基準適合が義務化され、外皮性能やエネルギー消費量の改善が不可欠な要件となりました。住宅は一度建てると30〜50年は使用されるため、今建てる家に求められる性能は将来の光熱費負担や室内環境に直結します。そのため、最低基準を満たすだけではなく、地域に応じて“ひとつ上の断熱性能”を確保することが求められます。

 

断熱を重ねるという発想・・・付加断熱とは何か

多くの木造住宅では、柱と柱の間に断熱材を詰める“充填断熱”が一般的です。しかしこれだけでは、柱や梁といった構造材部分から熱が逃げてしまい、断熱が途切れる“熱橋(ねっきょう)”が生じます。そこで近年注目されているのが、外側から断熱材を重ねる「付加断熱」という方法です。
付加断熱は、内側の充填断熱に加えて外張り断熱を組み合わせることで、断熱ラインが連続して保たれる点が特徴です。まるで家全体を“魔法瓶”のように包み込むことで、外気温の影響を受けにくい安定した室内環境が生まれます。

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   構造材の外側にもう一層の断熱材を加える

 

実際の施工例・・・断熱材はこうして家を包む

こちらは、付加断熱を取り入れた宮城県の住宅の施工写真です。宮城県は東北の中では比較的温暖ですが、この事例ではあえて岩手県や青森県のような厳しい寒冷地に対応した断熱性能を確保しています。これは冬季の暖房負荷を大幅に削減し、居住環境の快適性とランニングコスト低減に貢献する設計思想です。構造の外側に断熱材を張り重ね、さらにその上に通気層や外壁材を施工します。室内側では柱間の充填断熱を丁寧に施工することで、二重の断熱層ができあがり、外からの冷気や熱気を効果的に遮断します。

この二重断熱によって、冬は暖房の熱が逃げず、夏は外気の熱が伝わりにくくなるため、冷暖房に頼りすぎない暮らしが実現します。結果として光熱費の削減だけでなく、室内の温度差が少ないことで体への負担も軽減され、より健康的な住環境につながります。

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また、断熱性能の改善は新築時だけではありません。リフォーム等で即効性のある方法が「内窓」の設置です。熱は窓からの出入りが一番多く、リビング・寝室・廊下・トイレ等の内側に樹脂製のサッシを設置するのが簡単で施工費も抑えられる方法です。国や地方自治体も様々な補助金制度を用意しています。

 

もうひとつの温熱改善策・・・地中熱換気システムの活用

省エネ対策における温熱改善策として、さらに“自然のチカラをそのまま利用する方法”があります。それは、外気を地中の温度(約15℃)で自然に調温してから取り込む「地中熱換気システム」です。これは、エアコンのような空気熱ではなく地中熱を利用するものです。

地中温度は一年を通して安定しており、夏は外気よりも涼しく、冬は外気よりも暖かいという特徴があります。この自然エネルギーを活用して外気を予冷・予熱し、室内に取り込むことで、冷暖房負荷をさらに軽減できます。

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 地中に埋め込む5mのパイプ                                       地中熱換気システム(GEOパワーシステムHPより抜粋)

地中熱換気システムは、基礎工事の際に地面に垂直に埋め込まれた長さ5メートルのアルミパイプが地中熱を取り込みます。地表から5メートルほどの地中の温度は常に一定で、ダクトを通じて室内の空気をそこに通すことで、夏涼しく冬暖かい天然の空調が出来上がるのです。この仕組みでは、地中配管を通した外気が調温され、24時間換気と連動して室内にバランスよく空気が循環します。

まとめ

住宅の温熱環境を整える方法には、付加断熱のように“熱を逃がさない工夫”を中心に考える方法もあれば、地中熱換気のように“外気をどのように取り込むか”という視点から暮らしを整える方法もあります。

どちらか一方だけでも、住まいの体感は大きく変わります。また、両者を組み合わせることで、より高い快適性を得られるケースもあれば、敷地条件や家族構成、生活スタイルによって、どちらか一方が適している場合もあります。

気候変動の影響により、寒暖差の激しい日が増え、空調エネルギーの消費は年々増加しています。同時に電気代高騰が続く中、住宅の断熱性能を高めることや冷暖房の負荷の低減は、快適性の向上と光熱費の抑制を両立するための最も有効な手段となっています。省エネ対策は、住宅の寿命、健康、家計のすべてにプラスとなる“未来への投資”です。長く住み続ける家だからこそ、その性能はできる限り高めるほどに価値が生まれます。

会社概要

株式会社本間総合計画は「建て主の生活をデザインする」という理念のもと、超高齢化社会や地域経済格差といった現代社会の課題に対し建築を通じて解決すること、人々の生き方の質を高められる建築を目指しています。単に“建物を設計する”ことだけではなく、そこに住む人そのものを設計対象として捉えています。どのような家に住みたいかよりさらに深く「どんな暮らしをしたいか」を出発点として、家族の生活習慣や将来像、仕事や趣味、介護や育児、ペットの飼育…… などを丁寧にヒアリング。それらを空間として具現化します。

今後も、時代の変化に応じて多様化する住まいのあり方に応えられる「暮らしのデザイン」という当社最大の特長を武器にしていきます。

 

  • 会社名:株式会社本間総合計画
  • 代表者名:本間 貴史
  • 所在地:宮城県仙台市青葉区柏木一丁目3-12-111
  • 設立:1991年
  • 資本金:10百万円
  • 事業内容:当社は一級建築士事務所として、以下の事業を展開しています。

      ・新築住宅/リフォーム

      ・店舗/医院/施設設計

      ・海外プロジェクト

      ・不動産事業

      ・検査・支援業務

 

本リリースに関するお問い合わせ先

株式会社本間総合計画 担当:遠藤(えんどう)

TEL:022-346-1388 FAX:022-346-1387 MAIL:endo@hom-ma.co.jp

 

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