体質が10分で変わる!緩消法で血中代謝が急速に変化
わずか10分、約500gの軽い圧で慢性痛を緩和
独自の痛み解消手技「緩消法(かんしょうほう)」が、施術後わずか10分で体内の代謝状態に変化をもたらすことが明らかになりました。 10名の健常成人を対象とした最新の試験で、血液中の21種類の代謝物質に有意な増減が確認されています。血流促進やストレス緩和に関わる物質が施術直後から動き始めることが初めて客観的に証明され、体質を迅速に変化させる手技として期待が高まります。
研究成果のポイント
- 10名の健常成人を対象に、微弱圧筋弛緩手技「緩消法」の施術群と対照群を比較するランダム化単盲検クロスオーバー試験を実施。施術前・施術10分後・30分後に採血し、血中代謝物質を網羅的に解析しました。
- 施術わずか10分後に21種類の血中代謝物質が有意に変動することを確認。一酸化窒素(NO)前駆体の増加、ストレス関連ホルモン代謝産物の低下、抗炎症・抗酸化作用を持つ代謝物質(オーラプテンなど)の上昇など、多方面に有益な即時変化が起こりました。
- これらの変化は血管拡張による血行改善や炎症抑制、脂質代謝の促進といった生体機能の向上を示唆します。実際、脂肪燃焼に関わるアシルカルニチン類の増加や抗酸化物質オーラプテンの上昇が観察されており、継続的な施術により生活習慣病リスクの低減や全身状態の改善につながる可能性があります。
背景:痛みの施術法から全身への効果へ
緩消法は2007年に開発された革新的な手技療法で、筋肉に対して先端が球状の押圧棒や指先で約500gの弱い力をかけたまま筋線維をゆっくり伸縮させ、筋肉を無緊張状態に導く特許取得の施術法です。従来は強い力や長時間を要すると考えられていた筋肉の「こり」解消を、短時間・低負荷で実現できる点が特長で、既に2012年の論文で腰痛の軽減効果が科学的に実証されています。痛みの原因となる慢性的な筋緊張を安全かつ効果的に緩和できる方法として、幅広い世代に応用が進んでいます。
こうした主観的な痛みの改善だけでなく、「施術によって体内で何が起きているのか」を客観的データで示すために、本試験では血液中の代謝物質(メタボローム)解析が行われました。緩消法の施術前後で体質レベルの即時変化が起きているかを確認し、その有用性を評価することが目的です。
試験概要と結果
本試験は、20歳代~60歳代の健常者10名を対象に、緩消法の施術(実施群)と緩消法を模した軽度の刺激(対照群)をそれぞれ受けていただき、その前後で血液を採取して比較する無作為化単盲検クロスオーバー試験としてデザインされました。実施群では約500gの弱圧・接触面積1cm²で筋肉に働きかけ、一方の対照群では筋肉に届かない約200gの軽い押圧・面積2cm²で同じ箇所に施術を行い、各施術は10分間としました。各被験者は2週間間隔で実施群と対照群の両方を経験し、施術の前・施術10分後・30分後の計3回の採血を行って血清中の代謝プロファイル変化を解析しています。
その結果、緩消法を受けた場合のみ施術後に顕著な代謝変化が見られ、10分後の時点で計21項目の血中代謝物質に統計的有意な増減が確認されました。具体的には、血管拡張や平滑筋弛緩を促すアミノ酸誘導体「ホモアルギニン」の増加、ストレスホルモンであるコルチゾールの代謝産物(テトラハイドロコルチゾル)の減少が起こり、リラクゼーションによる血圧安定化やストレス軽減効果を示唆します。また、抗炎症作用を持つ芳香族化合物「オーラプテン」や強力な抗酸化物質ビリベルジンの増加が観察され、体内で炎症を鎮め活性酸素を除去する防御機構が速やかに働き始めたと考えられます。さらに、脂質代謝を促進するアシルカルニチン類の有意な上昇も見られ、エネルギー産生経路の活性化による脂肪燃焼モードへのスイッチが入った可能性があります。興味深いことに、これら多彩な代謝変化の多くは施術30分後にも持続傾向が見られ、対照群では認められない緩消法特有の生体効果であることが示されました。考察と今後の展望
わずか10分間の施術で得られたこれらの客観データは、緩消法が痛みの緩和に留まらず全身の生理機能を即時に整える可能性を強調しています。NO前駆体の増加による血流改善、コルチゾール低下によるストレス緩和、抗酸化・抗炎症物質の動員による細胞保護、脂肪酸代謝亢進によるエネルギー消費促進といった、生体内ネットワークの好ましい変調が一度の施術で同時に引き起こされる点は特筆すべき発見です。これまで慢性痛のケア手段として発展してきた緩消法が、生活習慣病の予防やコンディショニング法としても応用できる可能性が見えてきたと言えるでしょう。
一般社団法人日本健康機構 代表理事で本研究を主導した坂戸孝志氏は、「筋肉のこりをほぐす手技によってここまで速やかに全身状態が変化することが科学的に示された意義は大きい。短時間で効果が現れ、性別や体格を問わず再現性高く有効な手法なので、痛みや体調不良に悩む多くの方々の健康増進に役立てられると確信しています。今後はさらなる臨床研究を重ね、医療・福祉の現場で安全で即効性のあるケアとして広く提供できるよう努めていきたい」とコメントしています。
この研究成果は2025年8月30~31日に大阪で開催された「第34回日本病態生理学会大会」にて発表され、学会誌『Journal of the Japanese Society of Pathophysiology』第34巻第2号(2025年)に論文として掲載されました。
なお、発表の模様は緩消法公式YouTubeチャンネルでも公開されています(YouTube動画: https://youtu.be/FAqMES7wSB0)。発表資料のPDFも日本健康機構のウェブサイトから閲覧可能です(https://www.jho.or.jp/20250831_conference.pdf)。
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