健康長寿の人の腸内細菌には「長寿菌」が多い!!“ビフィズス菌=「長寿菌」” を増やして腸から健康に (監修:辨野義己先生)
腸内環境が気になる人は約半数、理由は「便秘」(49.0%)「腸に関心」(33.8%)
近年、健康を維持するためには腸を制すること、いわゆる“腸内環境を整えること”が重要といわれています。そこでビオフェルミン製薬は、腸内環境への関心度について、20~60代の男女300人にアンケート調査を実施しました(2023年1月/株式会社クロス・マーケティングによる調査)。 「腸内フローラや腸内環境が気になるか」を聞いたところ、「気になる」との回答が約半数(48.3%)。さらにその回答をした145人に理由を聞いたところ、「便秘が気になるから」(49.0%)が最も多く、次いで「腸に関心があるから」(33.8%)、「免疫力低下が気になるから」(33.1%)と続きました。「大腸がんなど腸に関わる疾患が気になるから」(25.5%)、「睡眠不足が気になるから」(25.5%)といった回答もあり、自分の健康のために、腸内フローラや腸内環境が大切だと思っている人は多いことが分かりました(参考データ:https://xfs.jp/kviVAz)。 腸内環境を整えるためには、善玉菌を増やし、悪玉菌の増殖を抑える必要があります。善玉菌の中でも特に注目を集めている「長寿菌」について、おなかと腸のスペシャリスト 辨野義己(べんのよしみ)先生に詳しくお聞きしました。
なぜ長寿菌が必要なのか
「長寿菌」とは、健康寿命が長い人の腸内に多い菌で、善玉菌として知られているビフィズス菌、大便桿菌(フィーカリバクテリウム)、ラクノスピラなどの菌の総称です。
私たちの腸内に常在しているビフィズス菌などの長寿菌は、他の常在菌と複合的に働くことで腸内環境を良くしていると考えられます。
辨野先生は研究によって、奄美大島に住む100歳の健康長寿の女性の便に、60~80歳の平均値の30倍以上のビフィズス菌が存在していることを発見しました。
そして辨野先生は他の健康長寿地域の分析結果も踏まえ、「健康長寿の達成には、「長寿菌」が腸内細菌の40%~60%を占めることが理想的」と結論づけています。
「長寿菌」を増やすには?
健康長寿の人たちの腸内細菌を調べてみると圧倒的にこのビフィズス菌などの「長寿菌」が多いことが分かっています。そのため「長寿菌」を増やすには、まずビフィズス菌などの善玉菌を含むもの(発酵食品、サプリなど)を摂ることが大切です。
赤ちゃんの腸内細菌の80%はビフィズス菌で、ビフィズス菌が赤ちゃんを病気から守っているとも考えられますが、多くの方は加齢とともにビフィズス菌が減少するといわれています。
そこで、意識的にビフィズス菌などの善玉菌を取り入れるとともに、食事や睡眠、運動などのいわゆる「腸活」を習慣にしましょう。「長寿菌」と密接に関係する“生活習慣”を見直すことが、もともと腸内に存在するビフィズス菌を活性化し、「長寿菌」を増やす上で大切です。
「長寿菌」オススメ腸活ポイント~食事編~
- たくさんの種類の野菜を摂る
特に善玉菌を増やす水溶性食物繊維の多い野菜を意識的に摂るようにしましょう。水溶性食物繊維の多い野菜は、便をやわらかくしたり、善玉菌のエサになったりします。
【水溶性食物繊維を多く含む食品】ニンニク、らっきょう、ごぼう、山芋、オクラ、芽キャベツ、アボカド、インゲン豆・大豆などの豆類、きのこ類、さつまいも、大根など
- 海藻や発酵食品も重要
ワカメ、モズク、コンブ、ヒジキ、アオサなどの海藻類や納豆、チーズ、ヨーグルトや乳酸菌飲料などの発酵食品も欠かせません。
- 動物性脂肪の摂りすぎを控える
逆に避けたいのは、動物性脂肪の摂りすぎです。通常、動物性脂肪は、胆汁酸によって脂肪酸とグリセリンに分解され、エネルギーとして肝臓に蓄積されます。この胆汁酸の大部分は回腸末端から再吸収されます。しかし、多く分泌された胆汁酸の一部が大腸に流れ込むと、腸内細菌(悪玉菌)によって「二次胆汁酸」に変換されます。二次胆汁酸は人体に有害な作用をするといわれ、この悪影響を減らすためには、食生活の偏りを避け、二次胆汁酸を作らない腸内細菌(善玉菌)が優位な腸内環境に整えることも大切です。
「長寿菌」オススメ腸活ポイント~生活編~
寝不足あるいは運動不足は腸内環境を悪くする要因になります。
生活面では「お通じ」が自分の健康を知る上で一番大事なポイント。トイレのことを昔から「便所」と言いますが、「便所」とは体からのお便り(おたより)を受け取るところなのです。
また、笑うことも大切。ストレスの少ない生活は腸内細菌を活性化します。
「長寿菌」オススメ腸活ポイント~運動編~
毎日トイレに行っているのになんだかすっきりしない、という場合は弛緩性便秘の可能性があります。その大きな要因は運動不足です。特にインナーマッスルといわれる腸腰筋はお通じに影響します。加齢に伴い便を押し出す力も弱まってしまうため、3階ぐらいはエレベーターを使わないで上り下りするなど、運動の習慣をつけておくことが大切です。
★ビオフェルミン製薬は、大人気フィットネスYoutubeチャンネル「Muscle Watching(マッスルウォッチング)」とコラボし、腸を支える筋肉や、排便する時の力を保つ「腸腰筋」「骨盤底筋」を鍛える7種類の筋トレをYoutubeでご紹介しています。
(動画はこちら:https://www.youtube.com/watch?v=OesdUPEJPws)
「長寿菌」が多いかどうかを見極める方法は?
自分の腸の状態を知るために目安となるのが「便」です。便通の調子が良い場合には、食べたものが16~24時間後に便として出ます。
「長寿菌」が多い便は、下記のような特徴があります。
- 黄褐色(特にビフィズス菌などの善玉菌が多いと黄褐色になります。「便」は腸内環境のバロメーターです)
- あまり匂わない
- 力まず気持ちよく出ること
- 毎日しっかりと出る(バナナ2~3本程度)
「長寿菌」を増やすためには、「便」の状態を日々確認しながら、腸内環境を整える腸活を毎日続けることが大切です。
他にも下記の項目すべてにチェックが入らないよう、バランスのよい食生活に気を配り、よく寝て運動し、ストレスをためない健康生活を心がけましょう。
おなかと腸のスペシャリスト
辨野義己(べんのよしみ)先生プロフィール
(一財)辨野腸内フローラ研究所理事長。理化学研究所名誉研究員。腸内細菌の分類と生態に関する研究を続け、DNA解析により新しい腸内細菌を多数発見。「長寿菌まで育てる最高の菌活」(宝島社)、「最高の睡眠は腸活で手に入る」(扶桑社)など著書多数。
【専門領域】
腸内環境学、微生物分類学
【受賞歴】
日本獣医学会賞(1986年)
日本微生物資源学会・学会賞 (2003年)
酪農学園大学獣医学部同窓会「三愛賞」(2007年)
文部科学大臣表彰・科学技術賞(理解増進部門)(2009年)
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