【カレー業界でヒット商品連発のレトルトカレー開発のカリスマと呼ばれるプロデューサーをご存知ですか?】敏腕レトルトカレー開発プロデューサーである井上岳久(カレー総合研究所代表)がゼロからヒットするまでノウハウを紹介する「レトルトカレーで成功する開発セミナー」開催!
株式会社カレー総合研究所(代表:井上岳久/東京都渋谷区)は、カレー大學の学長も務める井上岳久がレトルトカレー開発プロデューサーとして活躍し1000品以上のレトルトカレーを手掛け、いずれも目標数を上回るヒット商品にしています。このレトルトカレー開発のカリスマと呼ばれる井上がゼロから企画し味づくりから販売まで一貫して支援する「レトルトカレーで成功する開発セミナー」を1月29日(日)に開催します。
多くのレトルトカレーを開発する中でヒット商品にならない要因があることがわかりました。
≪レトルトカレーが売れない3大要因≫
①OEM先の選定の失敗
②パッケージを見ても買いたくならない
③コンセプトが凡庸
これらを克服し、レトルトカレーを地域の活性化の切り札にしませんか?
レトルトカレーで新規事業を展開しませんか?企業のブランディングを展開しませんか?
<問い合わせ> http://www.currysoken.jp/contact/
今や全国に数千種類存在するといわれるレトルトカレー。
生存競争が激しいこの世界で、ヒット商品を生み出し続けるヒットメーカー、井上岳久について紹介します。
※レトルトカレーに関する質問や問い合わせ、開発やプロデュースについて取材を歓迎します。
【 プロフィール 】
井 上 岳 久
レトルトカレー開発プロデューサー
(株式会社カレー総合研究所代表、カレー大學学長)
商社勤務や横濱カレーミュージアムの責任者を経て、コンサルタントとして独立。2008年に株式会社カレー総合研究所を設立。企業や自治体に対してPRや商品開発のコンサルティングを多数手がける一方で、カレーの専門家としてテレビ、新聞、雑誌など年間100以上のメディアにも出演。カレー業界ではカレーメーカー、スパイス商社、カレー店、外食産業、小売店など幅広いネットワークを形成し、日々、カレービジネスを精力的に展開している。カレーミュージアム時代の2002年に全国初のレトルトカレーミュージアムを立ち上げ、現在のレトルトカレーブームの先鞭をつける。プロデュースしたレトルトカレーは300品を超え、監修やアドバイスなど開発に携わった商品は軽く1000品を超える。その大半が販売目標数を大きく上回るヒット商品になっている。レトルトカレーのバイブル『日本全国ご当地レトルトカレーカタログ』(株式会社ダイアプレス)を監修している。著書は、『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)、『カレーの経営学』(東洋経済新報社)、『一億人の大好物カレーの作り方』、『国民食カレーで学ぶもっともわかりやすいマーケティング入門』、『カレー雑学』(日東書院本社)、『おとう飯カレー』(徳間書店)、『咖哩なる広報』(ごきげんビジネス出版)など20冊以上。事業創造大学院大学客員教授。昭和女子大学現代ビジネス研究所研究員。慶應義塾大学、法政大学卒。中小企業診断士。加須市観光大使。株式会社カレー総合研究所代表、カレー大學学長。
第1部 日本を代表するレトルトカレー開発プロデューサー=井上岳久とは?
コンスタントにヒット作を生み出すレトルトカレー界のヒットメーカー
生存競争が激しいレトルトカレーの世界で、コンスタントにヒット作を生み出し続けている一人のプロデューサーがいます。その名は井上岳久。カレー総合研究所やカレー大學を運営し、カレーの専門家として多くのメディアにも出演しているカレー界の第一人者です。
中でも「レトルトカレー」に関しては、2001~07年に運営し、井上が責任者を務めていた横濱カレーミュージアムで、それまで全貌が明らかになっていなかった全国のご当地レトルトカレーを集めたコーナーを作り、レトルトカレーブームを巻き起こした火付け役でもありました。
全国のレトルトカレーを少なくとも3000食は試食し、その世界を熟知した井上は、グリコなど大手メーカーと組み、あるいは地方自治体や各地の商工会などから依頼を受けて、数多くのヒット商品を開発してきました。一方で売れないレトルトカレーの再生依頼も殺到し、多くの商品を蘇らせてきました。近年のレトルトカレーでのヒット商品には「アスメシカレー」(加須市振興雇用協議会)、「野菜が主役のカレー」(JA東京むさし)、「甘酒カレー」(河内本舗)、「焼き肉の後の〆カレー」(マルマン)などがあります。
信頼される理由は?
世の中には商品やマーケティングの知識を持たず、自ら名乗るだけの“なんちゃってプロデューサー”が大勢存在しますが、本当の知識がなければ売れる商品は作れません。その点、井上には学問と経験に裏付けられた豊富な知識があります。
[理由1]大学の客員教授も務めるマーケティングの専門家で、マーケティングプランナーでもある。売れる商品に対する確かな目を持っている。
[理由2]合格率わずか3%ととも言われる中小企業診断士の資格を持ち、経営にも精通している。商品の開発には経営者の目も必要。
[理由3]農林水産省から地域再生を仕掛ける専門家「地産地消の仕事人」の認定を受けている。地域の産業を盛り上げるノウハウも持ち合わせている。
[理由4]独自の発想法を習得し、開発アイデアは尽きない。また全国に人脈を有し、多様な企画に合った企業やスタッフをそろえることができる。
[理由5]これまでの実績が豊富で、実際にヒット商品を生み出し続けている。
以上のような理由から、他のプロデューサーたちとは一線を画した存在として、多くの依頼者たちから仕事を任され続けているのです。
横濱カレーミュージアム時代に現在のレトルトカレーブームの礎を構築した!
2000年代初頭、当時ほとんど知られていなかった「ご当地レトルトカレー」に着目したのが井上でした。全国的に調査すると、各地の特産品などを使ったユニークな商品が多数存在。当時責任者を務めていた横濱カレーミュージアム内に「レトルトカレーミュージアム」を開設して50品を一堂にそろえたところ、一気に他の全テナント10店をしのぎ、売り上げ1位の人気コーナーとなりました。その人気とラインナップの面白さに目を付けたビジネスマンたちが多数調査に訪れた他、多数の取材が入り、メディアを通じて「ご当地レトルトカレー」の存在が広く認知され、ブームの火付け役となったのです。販売商品も50品から100品、300品と増えていきました。
そうした盛り上がりを受けて、日本各地で新たなレトルトカレーが雨後の筍のごとく誕生。常時3000種以上が存在するようになり、ついに500億円市場にまで成長しました。現在では「ご当地レトルトカレー」を集めて販売するサイトやショップは数多く存在し隆盛を誇っています。2017年に、それまで日本のカレー消費の中心だった「カレールウ」を市場規模で抜いたことは、業界に大きな衝撃を与えました。この流れの基礎を築いたのも井上だったのです。
第2部 レトルトカレーに関する実状と井上岳久ならではの戦略とは?
実はレトルトカレーの開発は難しく、売れない商品も多い
こうして非常に人気を得ているように見えるレトルトカレーですが、実は生存競争が厳しいジャンルでもあります。
全国にはまちおこしのために、当地名物のレトルトカレーを開発すようとする自治体が後を絶たず、市場にはあらゆる具材のレトルトカレーが百花繚乱です。
しかし500品ほどの新商品が毎年市場に投入される一方、500品ほどは売れずに市場から去っており、競争が激化している厳しい実状があります。地域のまちおこしで全国を訪問する機会が多い井上は、日本各地で製造したご当地レトルトカレーが売れ残り、販促用に作った幟やポップなどが埃をかぶっている寂しい光景に、愕然とすることが多々あります。常時3000種類存在するといっても、定番で売れているレトルトカレーは100~200種類といわれ、販売しているだけで売れていない商品も多いのです。
なぜ多くのレトルトカレーは失敗し、すぐに終売になるのか?
なぜ多くのレトルトカレーが失敗に終わるのか、その第一の原因は、開発者の多くがレトルトカレービジネスの本質を知らずに開発及び販売を展開していることにあります。率直にいえば、レトルトカレーを作ること自体は、さほど難しいことではありません。世の中にはレトルトカレーを製造できるメーカーは山ほどあり、食材を決めれば、作るだけならすぐに作れるからです。
けれど井上は、「カレーなら誰でも作れる」と安直に考えて、地域の特産品を入れただけで、美味しくもなく、ちっとも売れないレトルトカレーをたくさん見てきました。簡単に売れるほど甘いものではないことは、これまでの経験でよく分かっていたのです。一方で、成功に不可欠なポイントも見えてきました。
レトルトカレー成功のための6つのポイントとは?
1)コンセプトメイク
売れる商品にはコンセプトが必須です。「にんじんの特産地だからにんじんを入れた」だけや、「○○の女将が作った」だけでは商品は売れません。それを超えて、消費者を引き付けるコンセプトを作り出すことが重要です。
2)OEM先の選定
先述のように、レトルトカレーの製造技術を持つメーカーは多数存在します。その中でもインド風・欧風どちらが得意なのか、辛口が得意なのか、スパイシーとコクがあるのとどちらが得意なのかなど、メーカーにも得手不得手があります。その特質を熟知して、最も適切なメーカーを選定しなければなりません。
3)売れる味への仕上げ方
マジョリティが好む「売れる味」があり、それをベースに対象層の好む味に向けて仕上げていくのがプロの技です。これは10,000食以上も試食した舌だからこそわかる感覚なのです。
4)パッケージデザイン
多数の商品が並ぶ陳列棚で、手に取りたいと思わせるパッケージデザインの役割も重要です。インターネットが発達した現在では、地方在住の優秀なデザイナーに発注することも容易になりました。多くの才能と出会えるよう、日々アンテナを張っている者が、よりよいクリエイターに発注できるのです。
5)販売主体者の情熱醸成
地元の商工会などにやる気がある人たちがいることも重要ですし、販売を委託する問屋などが本気で販売してくれると百人力です。販売主体者たちを上手にノセて、売る情熱を醸成することもプロの力です。
6)プロモーション
ご多聞に漏れず、レトルトカレーもコストをかけないPRが求められます。マスメディアにいかに取上げてもらい、消費者に知ってもらえるかが売れ行きを大きく左右します。井上はPRのプロなので、効果的なメディアへの露出法を熟知しています。
第3章 井上が成功に導いたレトルトカレーの事例
1)埼玉県加須市「アスメシカレー」
埼玉県加須市の外郭団体である加須市振興雇用協議会からプロジェクトでレトルトカレーの開発依頼を受けました。条件は「加須市産いちじくを入れること」で、要望は「地元を代表するお土産品を作ること」でした。
◆開発から発売までの流れ
井上が知る限り、いちじく入りレトルトカレーは全国に多数あり、単にいちじくが入った商品では売れないことはわかっていました。そのため、全国的に有名な施設など他の観光資源と掛け合わせ、いちじくを入れた上で加須市の特性が盛り込めるアイデアをメインに検討しました。
候補に挙げた遊園地など数社に打診しましたが、ビジネス的に難しいと思われて断られることが相次ぎました。けれど最終的に、最も望ましかった甲子園優勝校の花咲徳栄高校に決定することができたのが幸運でした。花咲徳栄高校はアスリートを養成するのに定評のある学校であり、食の専門家を養成する食育実践課もあるため、生徒たちとカレーを共同開発することにしました。ポイントは体を鍛える人たちの間で近年関心が高まっているタンパク質を入れ、1食で30g超の高配合にすることでした。
肝心の味は、10回ほど試作を繰り返しました。関係者が多いと様々な希望が出てまとまらないのが常ですが、「これ以上タンパク質を入れると、苦くなって万人が好む味から外れる」など明確な判断基準を井上が持っているため、そこを信頼してもらい、味をまとめることができました。
そうして95%完成したものに、最終的ないちじくの量を花咲徳栄高校の食育実践課の生徒とともに試作して決めました。いちじくを入れても甘くなり過ぎず、かといっていちじくが分からなくならない境目が難しかったですが、生徒たちには事前にカレー大學の出張講義をしていたので、スムースに議論することが出来ました。
OEM先のメーカーは、井上の提携先の中から今回のコンセプトに適切な10社程度に条件を打診し、万人向けの味を作ることに長け、関係者からの信頼度も高いハウス食品の子会社に決定しました。
パッケージは提携デザイン会社やデザイナーの中から3~4人を選出。各5案程度を提出してもらい、最も消費者に響く1案を採用しました。水色は花咲徳栄高校のユニフォームカラーで、地元の人ならすぐに分かる色なのでメインに使用。単品では出来が良くても、スーパーに並べると埋もれてしまうこともあるため、カレーにはあまり使わない色なのも好都合でした。
花咲徳栄高校の食育実践課ではもともと、アスリート育成のためのメニューを「アスメシ」(=アスリート飯)と呼んでおり、商品コンセプトにも合っていて語呂も良かったため、そのまま商品名に採用。
ネット上では市関連のHPが多数あるため、極力載せてもらえるよう持ちかけ、広報面では記者発表に市長に出席していただき、地元のテレビや新聞にも多数掲載がありました。プレスリリースも「スーパーに導入」「〇千個達成」など機会を見て配信を繰り返し、日経新聞や産経新聞など全国紙にも掲載があったことは大きな成果でした。
いよいよ迎えた発売日、最初は地元商店の店頭でテスト販売をし、消費者の反応を見ることにしました。すると当初1か月の販売予定分が10日で完売、実質的には3日で初回製造分の受注が完了。予想を上回る好反応に慌てたのは依頼主でした。本来はテスト販売後すぐに全国展開する予定でしたが、まずは地元分の商品を確保することに専念。
増産して、1か月半後にようやく全国に向けて販売を開始しました。すると半年で販売が1万個を超え、ご当地レトルトカレーではヒット商品のレベルに達しました。全国的には知名度が低い加須市発の商品としては、期待値をはるかに上回る売れ行きを、今でも示し続けているのです。
成功のポイント
最大のハードルは加須市には観光資源がないことで、コンセプトメイクには苦労しました。しかし提携先が花咲徳栄高校に決まったことで一気に展望が開けました。やはり甲子園優勝校のネームバリューは大きい上に、同校に食育実践課があったため共同開発できたのも、単に名前を借りるだけでなく実質的なつながりが出来て商品力につながりました。また井上自身が近年、タンパク質配合食品が流行しつつあることに目を付けており、商品コンセプトにうまく結びつけられたのも功を奏しました。
販売業者の頑張りもキーポイントでした。依頼したのは地元の有力酒販卸業者で、食品卸には馴染みが薄いため、当初は難色を示したのですが、井上が「地元の発展のため」と口説いて引き受けてもらえました。同社はちょうど新型コロナ感染症の影響で酒類の販売が減っていた時期だったため、非常に力を入れてくれてヒットに結びつきました。
またこれは井上が常に感じていることですが、ご当地商品をヒットさせる最大のポイントは「地元を味方に付けること」です。観光などで訪れた他地域の人は、物珍しさで1回は購入してくれますが、それきりで終わるケースがほとんどです。けれど地元の消費者は、気に入れば何度でも購入してくれます。加須市にはこれまで、他地域の人に渡せる地元の土産品がありませんでしたが、アスメシカレーが完成したことで、手軽に配れる地元色のある土産品ができたと喜ばれています。スポーツで活躍する花咲徳栄高校を応援するなど、地元の活性化につながるコンセプトが作れれば、地元の人を味方につけてヒットにつなげることができるのです。
2)JA東京むさし「野菜を主役にしたカレー」
JA東京むさしでは、自社で初めて開発したレトルトカレーが不評で大量に売れ残っていました。東京都の農業振興団体から「何とか売れるようにしたい」と熱烈に依頼され、井上が立て直しを図りました。
既発売の商品を試食してみると、単にカレーに食材を入れただけで全くおいしくありませんでした。JA所属の農家からもクレームの嵐で、開発時に調理した味と、実際に製品化した味が違うことと、パッケージが悪くて買う気にならないのが主要因のようでした。
そこで担当者にカレー大學を受講してカレービジネスについて基礎から学んでもらい、企画を練り直すことから始めました。試作品の味をレトルトでもきちんと再現できるようにOEM先を変更し、味自体も万人に売れる味をベースに開発し直しました。
コンセプトを明確にすることも、商品のヒットには不可欠です。あまり知られていませんが、東京都内でも野菜を生産しており、小平から徳川家に野菜を献上していた歴史もあります。この意外性が面白く、消費者に響くと感じたので、東京都生産の野菜の存在自体を知らしめることを商品コンセプトにし、野菜のおいしさがわかるカレーを開発することにしました。
関係者が売りたくなることも肝要で、以前の商品では嫌われてしまった生産者を味方につけるため、ある程度完成した段階で100人以上の農家に試食してもらいました。そして農家が納得してくれる味になるよう微調整し、完成に至りました。
こうして完成した商品を「野菜を主役にしたカレー」のネーミングで発売しました。ただし前回の失敗の記憶が強かったため、JA東京むさしが製造数を控えたところ、あっという間に売り切れてしまいました。さらに野菜も確保していなかったので再生産もできない状況。野菜の収穫を待って翌年大増産しましたが、作ればすぐに売り切れる状態が今でも常に続いています。
3)長野県飯田市のマルマン「焼き肉の〆カレー」
味噌メーカーの次期社長がカレー大學及びカレー大学院を受講。地域の誇れる土産品を開発したいという意向を受けて、レトルトカレーを開発しました。
飯田市では希望の場所に焼肉セットを配達してくれる「出前焼き肉」が一般化しており、「焼き肉の町」としてまちおこしをしています。メインで食されているのは羊肉です。
ただし、焼き肉を入れただけのレトルトカレーはすでに他からも多数発売されていて意外性がありません。そこで井上は、焼き肉を食べた後の「〆カレー」というコンセプトを思いつき、マトンならキーマカレーが合うと提案しました。しかし羊肉には独特の臭みがあり、苦手な人もいます。キーマカレーを試作してみると予想以上に臭みがありました。ただ、完全に臭みを消してしまうとマトンらしさがなくなってしまうため、絶妙な風味になるまで何度も調整し、ようやく納得のいく味にたどり着けました。
パッケージも腕のいいデザイナーに依頼し、井上がブラッシュアップしスタイリッシュなデザインになりました。
発売すると、「焼き肉の後の〆カレー」というコンセプトが新鮮で、消費者に受けました。出前焼き肉をする人たちからは、焼き肉とセットでカレーも購入してもらえます。マルマンの次期社長が既存商品で販売ルートを積極的に開拓していたこともあり、飯田市の観光施設には必ず置かれる定番のヒット商品になっています。
4)鹿児島県鹿児島市の七呂建設「鹿児島・黒豚プレミアムなキーマカレー」
鹿児島No1住宅会社から「食のまちおこしをし、地域振興に貢献したい」との意向を受け、レトルトカレーとカレールウを開発しました。
住宅会社は全国規模の大手を除けば、基本的には地域密着型の事業です。なので地元にお世話になっているという感謝の気持ちが強いですし、地元に愛される企業イメージ作りも重要です。
住宅会社がカレーを作るというと意表を突かれる気がします。ですが、住宅というハードを提供後、ファミリーの楽しい生活も、食というソフトで応援するというコンセプトを持てば、決して的外れな企画ではありません。
鹿児島の黒豚は高級なため、地元の人たちはあまり口にすることがないと聞きます。そこで地元の人たちにも黒豚をしっかり味わってもらおうと、ぜいたくに入れることにしました。通常なら1000~2000円で売れるクオリティの商品が完成しましたが、七呂建設は地元への感謝を込めて、原価を下回る採算度返しの500円で販売することにしました。同社としてはこの商品で儲けを出す気もなかったのです。
すると、このお値打ちなカレーが地元消費者の間で大きな話題になりました。それが次第に口コミで広まり、住宅会社が作ったカレーという意外性も手伝って、ついにはKinki Kidsの番組で取り上げられることに。すると全国から注文が殺到し、一瞬で在庫がなくなってしまいました。Kinki Kidsの番組で紹介したカレーを作った住宅会社ということで、七呂建設の知名度も大幅にアップしたようです。
5)大分県大分市のSAKAI「おおいた和牛の白いカレー」を開発
大分の一部地域では、お祝いの時にカレーを食べる風習があるといいます。不動産会社がこの風習をレトルトカレーにしたいとカレー大學を受講したため、商品開発に協力しました。
大分では「テストで100点を取った」「少年野球でホームランを打った」など、ちょっとしたお祝いの日にはカレーを食べるという面白い風習があります。
そこでお祝いらしさを表すため、「紅白のカレー」を作ろうと思いつきました。カレーにつきものの福神漬けで赤を表せるため、カレーを白にすることにしました。パッケージも白を基調に赤の水引を入れ、おめでたさを演出。大分県の希望で、いま売り出し中の「おおいた和牛」を活用し、ご褒美らしいぜいたくさを込めました。
発売すると、そのユニークなコンセプトが受けて、地元のテレビ大分や、読売新聞、朝日新聞など多くのメディアで紹介がありました。地元小売店の8割が導入する定番商品になり、調理したものをメニューで提供する飲食店もあります。パッケージがのし袋を連想させるため、ちょっとしたプレゼントにして喜ばれることも多いようです。
6)徳島県徳島市のリーベフラウ「阿波美豚 高級ポークカレー」
徳島の養豚場から「四国を代表するご当地レトルトカレーを作りたい」との要請を受け、開発しました。
聞き取りをすると、依頼者は豚肉加工の過程で端肉がたくさん出ることをもったいないと感じていました。なので、それを活用してキーマカレーを作ることを提案。現在、社会の潮流となっているSDGsの流れにも沿っているため、PRにも効果的に働くと考えました。
阿波美豚は無添加にこだわっており、高級店でしか販売していません。端肉とはいえ、幻の豚肉が食べられるなら話題を呼べることも間違いありません。
発売するとほどなく、テレビ朝日の「モーニングショー」で取り上げられ、アナウンサーが「そんな高級な肉を使っているの?」と驚いたことで、全国から注文が殺到しました。しかし材料である端肉がある程度たまってからでないと製造できないため、現在は「幻のレトルトカレー」として、カレーファンたちの垂涎の的となっています。他の番組のディレクターが、リサーチのために手に入れようとしても全く手に入らないと、井上に連絡してくるほどのレア商品になっています。
7)東京都のウエニ貿易「マイルーティーンカレー」
貿易商社がプロテインのブランドを立ち上げました。その関連商品としてレトルトカレーを作りたいと希望したため、開発に協力しました。
近年のタンパク質ブームを受けて、プロテインを入れたレトルトカレーは日本中で多数販売しています。単純にプロテインを入れただけでは話題にならないため、「日本一のタンパク質含有量」のレトルトカレーを開発することにしました。
ただし、あまりプロテインを入れ過ぎると苦くなり、カレーが美味しくなくなってしまいました。そこで何度も試作を繰り返し、プロテインの量は多くて味も美味しい商品の開発に成功しました。
発売は同社が付き合いの深いディスカウントショップのドン・キホーテで特に力を入れています。すると筋肉を作ることに関心の高い若い消費者層と相性が良かったこともあってか、同チェーンで売れ行きが好調。第2弾である激辛味も発売するほどの人気商品となっています。
これらの商品のヒットメイクをした噂を聞きつけて、現在は地方のまちおこしの核となる人材から、井上への依頼はさらに増加し続けているところです。
4章 井上流ヒットメイキングの秘策
ヒットメイクは開発だけでは終わらない!
井上が商品をヒットさせる最大の秘策は、商品開発に力を注ぐのはもちろんのこと、売れるまで徹底的にお手伝いすることにあります。
まず緻密な販売戦略を練り、大手流通やコンビニ、土産店、問屋などのバイヤーを紹介し、必要があれば商談の際に同行もします。かつて商社に勤務しており、流通に精通し、顔が広いことも役に立ちます。初めての取引先でも、カレー専門家としてメディアに出ている井上がプレゼンすることで商談がスムースに進みます。
メディア関係者の知り合いも多いため、リリース作り、PRの仕方も指導し、WEBでの商品アピールに力になってくれそうな協力先も紹介します。
そして、さらに「カレー・オブ・ザ・イヤー」に推薦し賞の獲得を狙います。受賞すれば、強力な後押しとなり商品の箔付けになります。
ところで、カレー・オブ・ザ・イヤーとは何でしょうか?カレー業界で活躍し、話題を提供した企業や店、人を表彰するイベントです。カレー大學を卒業したカレーのプロが日ごろのフットワークの良い活動からカレーの優れた商品を推薦し、評価委員会が選定します。卒業生の有志たちが授与式に参加し、大いに盛り上がるイベントです。毎年多くのメディアに取り上げてもらえるため、受賞者にとっては箔付けになり、その報道が元で売れ行きに火が点くこともあります。
この鉄壁の体制を築くまでには、苦い失敗も…
今ではレトルトカレーのヒットメーカーとして、全国から開発依頼が多数来る井上にも、過去には売れずに苦い思いをしたことが2件ほどありました。
一つは、ある有名ふぐ料理店から依頼を受けて、ふぐのレトルトカレーを開発。ところが商品が完成した段階で、「井上さんはここまでで、販売は我々でやります」と手のひらを返されてしまいます。しかし、実際には十分な販売計画もなかったようで、全く話題になることもなく、売れずに終わってしまいました。味や品質には自信があったので、非常に残念だった案件です。
二つ目は、東北のある自治体から地元の食材を使ったレトルトカレーを作ってほしいとの依頼を受けました。ただしOEM先も地元の企業を使ってほしいと、最初から指定されていました。このメーカーがカレーは欧風の甘口・辛口・中辛しか作れないメーカーで、その条件の中で最善を尽くしましたが、納得いく味ができませんでした。最終的に味を妥協してしまったため、売れずに終わりました。
これらの経験があったことから、その後は商品開発から販売まで、すべての過程で必ず井上がタッチする方式にこだわっています。これがヒット商品を作り続ける秘訣なのです。
第5章 レトルトカレーを活用してお手伝いします!
自身も地域活性化に関心が高いため、レトルトカレーを使ってまちおこしを考えている自治体や企業、他業種から食品事業に参入したい企業のお手伝いを、今後も積極的に続けていきたいと考えています。
その道のプロとして、レトルトカレーのメリットを次のように捉えており、依頼主個々の要望に応じて実現する方策を探っていきます。
・売りたい食材をレトルトカレーに入れることで、食材の販売・消費を促進できる。
・レトルトカレーのパッケージを通じて、全国のスーパーや土産店で食材を宣伝できる。
・レトルトカレーを通じて地域の認知度アップを図れる。ひいては観光客の増加、定住の促進などにもつなげられる。
・企業の知名度アップにつながり、企業ブランドの醸成にも役立つ。
・メディア広告に100万円費やす分でレトルトカレーを作れば、商品として全国に流通し、広告以上の宣伝効果が見込める。しかもレトルトカレーが売れれば、その費用は返ってくる。
ご要望があれば、是非、カレー総合研究所、もしくはカレー大學にお問い合わせください!
★ご要望があれば是非、カレー総合研究所、もしくはカレー大學にお問い合わせください!
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