懐かしい想い出~ご縁を紡いでいく~

合同会社リボーン

2022.12.16 11:26

2014年から2016年の2年間に渡る実体験を綴る特許にまつわる彼是(アレコレ)の後日譚

エキゾチックレザーを使った個性的な財布を提案するブランド「リボーン」を展開する合同会社リボーン(本社:東京都台東区、CEO:高島成央)が、2年かけて辿り着いた特許取得までのバック(背景)ストーリー

ひとりで特許出願~その後~


2022年11月25日、久しぶりに特許庁へ行ってきました。


2016年以来ですから、6年ぶりになります。

銀座線の田原町駅から虎ノ門へ・・・

想えば、あの頃は銀座線の浅草駅から虎ノ門へ通っていたんですね

懐かしい想い出


2015年のクリスマスを最後に母親が会社に来ることもなくなっていたので、2016年から特許庁に行く時は、会社を早い時間に閉めて特許庁に通っていたんだなぁ・・・とか、
母親の病院に見舞いに行ってるときは、よくMさんの話をしていたなぁ・・とか、あの頃に見た日枝神社の階段からみた街の風景とか。



虎ノ門から特許庁へと歩いていく風景とか懐かしくて、いろいろな感情を噛みしめながら再び特許庁を訪れました。


2014年9月から2016年9月までの2年間に渡る特許出願から取得に至るまでの出来事を、全13話で書かせて頂いております。
今回はその後日談として当時の状況を振り返りながら書き綴ってみたいと思います。


右も左も分からないど素人が、初めて特許庁を訪れたときの話に始まり、特許や商標登録にまつわる話です。
個人で特許出願をしようと思っている方には参考になるかもしれません。
よろしかったらご覧くださいませ。
 


Re-Bone Wallet リボーンウォレット/特許出願編

【01】“始動”<最初の一歩>

【02】“発明協会(会館)”<続けることによってひらけてくる道もある>

【03】“模倣から始める”<先人たちの礎>

【04】“弁理士会館と商標登録”<一期一会>

【05】“特許出願”<背中を押してくれたひと>

【06】“国内優先権の主張”<ひとりでは何処にもいけない>

【07】“運命的な出会い”<縁(えにし)>

【08】“諸刃の剣”<戦略としてのグレー>

【09】“面接”<淡い期待>

【10】“最初の拒絶通知”<余命数ヶ月の宣告>

【11】“原点に戻る”<実より名を取るー桜の咲く季節>

【12】“最後の面接”<ひとりではない>

【 ∞ 】“感謝の気持ち”<恩返しと恩送り>

【2022】◆ひとりで特許出願~その後の話~◆

 

◆製品開発と同時進行で行っていた、特許出願までに至る経緯とその後のことなど特許情報などを含めて掲載しています。
◇特許にまつわる情報(特許庁や発明会館、弁理士会館や商標登録等)を掲載しておりますので、ご自分で第一歩を踏み出そうと考えていらっしゃる方のご参考になればと思い執筆致しました。

Re-Bone Wallet 製品開発編
 


6年ぶりの特許庁

 

今回は6年前に取得した特許料の納付と、商標登録の為に特許庁を訪問しました。

特許庁に入ると、白い幕が掛けられていて大規模な改修工事がされているようでした。

何だか“時の流れ”を感じる光景でした。

 

特許取得時に、6年分の特許料を支払っていたので、今回は7~9年分の特許料を支払ってきました。

10年目からの特許料は、グッと上がってくるので、この3年間で更に頑張らねばと思います。

もう一つの目的であった商標登録は、年末頃から発売開始予定のレザーアイテムのネーミング(ロゴ)についてでした。

財布に忍ばせるレザーアイテムで、店舗にいらっしゃったお客様からいただいたアイディアを形にしたものに成ります。

このアイテムも、特許のときの“Mさん”と同じように、素敵な“ご縁”によるものでもあります。

クリスマス頃までには販売開始予定ですので、楽しみにお待ちくだされば幸いです。

 

2014年

自社製品販売のホームページを作ろう!


そう思いパソコン教室に通い始めたのが、2014年6月頃でした。

HTMLの基礎から教わり始めたんですけど、自分一人でHTMLだけでホームページを作るにはとても時間がかかってしまうんですね。

そこでHTMLの基本を覚えた頃に、パソコン教室の先生のアドバイスもありホームページビルダーを使って、ワードプレスでホームページ作りを始めました。
 

土日や平日の夜に通っていて、途中から特許出願に時間を割かれることになったので、半年位しか通えませんでしたが、何とかホームページを開設することができました。

もう当時のホームページは残っていませんが、今思うと本当に幼いホームページでした。
ド素人なりに頑張っていた記憶だけが唯一の財産です。





そんな中で財布のデザインも考えていました。

「エキゾチックレザーを、より多くの方に知っていただくには?」

「ここでしか手に入れることができない財布を作ることができないだろうか?」

そんなことを考えている時期でもありました。
 


そんな中で生まれたのが 『巻蛇』 と 『ピンクスノー』 でした。





巻蛇は、異なる2種類のへび革である水蛇とカロングを使って生前相まみえることがなかったヘビの“出会い”と、風水的にも縁起が良いといわれているヘビが“お金を護る”ようにとヘビが財布に巻き付いているようなイメージをしました。


ピンクスノーでは、4種類のへび革を使って目に見える贅沢と目に見えない贅沢をイメージしてデザインしました。

2つの異なる色合いの命の上から、1つの大きな命が包み込み、その2つの命の内側には小さな命が宿る。隠しテーマは“幸せな結婚”です。

ピンクスノーはパイソンの下に銀箔と銅箔(ピンクゴールド)のへび革を忍ばせていて、財布内側には紫色の水蛇を使用しています。




とにかく、他にはないオリジナル財布をと考えていました。


『和財布』もその時に考えた財布です。

和財布の中で特に“武将”は、昔読んでいて好きだった漫画、“花の慶次”の傾奇者(かぶきもの)をイメージした革財布です。



 

花の慶次 -雲のかなたに-』(はなのけいじ くものかなたに)は、原哲夫による日本漫画隆慶一郎作の歴史小説一夢庵風流記』を原作としている。
 

戦国の世を、当代きっての傾奇者として生きた漢・前田慶次の奔放な生きざまを描いた作品である。『花の慶次 -雲の彼方に-』と題を変えて再版もされた。
 

Wikipedia「花の慶次」より抜粋


一夢庵風流記』も読ませていただきましたが、大変面白かったです。


 

自分と向き合う


でも、幾ら自分で考えたオリジナル財布と言っても他に似たようなものは存在するし、これだけでは弱いな、と思っていました。

誰が見ても文字通り“ここでしか買えない財布”って何なんだろう?

パソコン教室に通いながら、ずっとそのことばかり考える日々が続いていました。




ある日、“自分の人生は自分だけのオリジナルである”ことに気付きました。

世界中の何処を探しても自分と全く同じ人生を歩んでいる人はいないのだから、自分の人生の中で感じていることを形にすることができたなら、と。

その形は何なのだろう?

そして、自分の人生を振り返って考えてみることにしました。


幼少期は3人兄弟の末っ子ってことで親父が俺に甘いとか言われて、兄弟からの風当たりが強かったなぁ、、、とか

小学生の時は、『明日のジョー』とか『リングにかけろ』を見てボクサーにあこがれたなぁ、、、とか
『リングにかけろ』は、途中からアレですけど、最初は現実的なボクシング漫画だったんですよ。
でも、人気がでたのはアレからですけど・・・

高校時代には何億円積まれても二度と戻りたくないなぁ、、、とか

役者をしていた頃は随分と親父に迷惑かけたなぁ、、、とか

親父に連れて行ってもらった最後の旅行、ジンバブエから帰ってきた時のサプライズとか、あの時は本当にビックリしたな、、、とか


そんなことを考えていました。


今の自分が感じていることを形に

今思うと、親父には愛されていたんだなと思います。

僕が何かいっても、それを否定することはせずに“お前がそう思うんだったらやってみれば良い”と言っていました。

そんなわけで随分と甘えさせていただいていたのですが、2007年に、その親父が旅立ちました。


2009年には離婚により、妻と当時4歳だった娘と別れて、長男次男と男3人での生活が始まりました。

2013年には、大好きだった祖母が旅立ちました。

2014年にもちょっとした別れを経験していたので、“人生って別ればっかりだな”なんて思っていました。

家族

そんな中で他者との関わり合い“ご縁”をテーマにした着脱財布、リボーンウォレットでの特許出願を願って、最初の一歩を踏み出したのが2014年9月のことでした。

翌年2015年1月16日に特許出願し、その後Mさんとの運命的な出会いがあり、特許願を練り直し【国内優先権の主張】を使って、2015年7月7日に再度特許出願

5ヶ月後の12月2日に特許庁から最初の拒絶通知が届いて、年末に母の末期ガンの告知。
年が明けた2016年1月末に、拒絶理由に対する補正書と意見書を提出して、特許庁からの返答を待っている時に病院から、母危篤の連絡がありました。

2016年9月の特許査定を待たずして5月6日に母は旅立っていきました。

母を見送った5月に届いた【拒絶理由通知】を見たときは失望感に包まれましたが、Mさんの存在のお陰で、伸るか反るか最後の勝負で、再度拒絶理由に対する補正書と意見書を提出して、夢のお告げ通り特許取得に至りました。



実は、2015年の2月に病院から緊急連絡が入ったことがありました。
出社したばかりだったのですが、緊急事態なのですぐに病院に来るようにとのことでした。

病院に行ってみると、母は瀕死の状態で『転移した頭のガンが増大していて脳を圧迫しているので、今日手術をしないと24時間もたない』と言われました。

その日のうちに手術ができるという病院に、母を連れてタクシーで移動して手術をしていただき、何とか一命を取り留めることができました。

ただ、その時に執刀医の方から「圧迫された脳がかなり腫れていたので、頭の骨の一部を閉じることができなかった。だから頭をぶつけないように注意してください」と言われました。

母はそれから帽子をかぶる様になりましたが、やはり女性ですし「頭の骨を閉じて欲しい」と強く願っていました。

お医者さんにそのことを告げると、「肝臓の数値が悪いので肝硬変を起こす可能性が高い、今の状態では手術は危険だ。」と言われたので、手術ができるようになるくらい良くしていこう!と母と話しました。

実際、母も私も全く諦めていませんでした。

母はよく『良くなったら、みんなでお寿司屋さんに行って、カウンターで好きなお寿司をお腹いっぱいになるまで食べよう!』と言っていて

僕もその日を夢見ていました。

 

手術から数週間後、主治医に呼ばれて話をさせてもらいました。

手術後の様態が落ち着いてきたので、また元の病院へ転院することになったからです。

今でも忘れられないのは、最後の別れ際にそのお医者さんが両手で握手をしてこられて
『ご苦労様でした』と、涙をボロボロと流されていたことです。

今は少し良くなっていると思っているかも知れないけれど、もう、、、

グッとくるものがありましたが、それでも、母と私は良くなることを信じて疑っていませんでした。

4月には会いに来てくれた娘と息子たちを連れて、4人で母の病院を訪ねたときには元気に笑っていたので、良くなっていく未来しか考えていなかったのですが、、、、。

5月6日に母が旅立った時に思ったのは、僕の子供時代の家族が半分になっちゃったなぁ。ということでした。

僕が3人姉弟の末っ子に生まれてから、僕が育った家族の数は6人でした。

一緒に住んでいた母の母である祖母、そして親父と母親、姉、兄。

6人いたのに、3人になっちゃったんだ。人生ってお別れの連続なんだな。


でも、よくよく考えたら出会いがあるから別れがあるわけですよね。

子供時代の家族は3人になってしまったけれど、僕には3人の子供たちが増えたわけだし。

出会いも別れも、素敵な“ご縁”によるもの。


想像していなかった別れと出会い。

人は他者との関わり合い“ご縁”の中に生きている。




そんなことを考えている時に思いついたのが、分かれるはずのない財布が別れて、新たなる財布との出会いがあったなら、これは“ご縁”を形にすることではないのか?
もしもできたなら素敵なことなのではないか?でした。


『人は0から生まれて0へと還る。でも俺には3人の子供たちがいるからそれだけで勝ちじゃないか』

親父が生前言っていた言葉です。


それは正に“紡いでいくこと”だと思うんです。

どのような形であれ、一人の人間が生まれて生きて旅立っていく、その想いを次の人間が紡いでいくことによって、旅立った人たちの想いは永遠だと。

“ご縁” “紡ぐ” この2つのキーワードを形にしようと、リボーンウォレットが生まれました。



沢山の人たちに支えられて


そして現在へと続いていくわけですが、当時は浅草駅から徒歩15分くらい歩いた浅草6丁目に会社がありました。

2016年に母が亡くなったこともあって、それ程広くなくて革製品の販売をするのに適した場所はないか模索していた時に、リボーンの職人さんから蔵前を勧められて蔵前に引っ越ししたのが2016年の11月のことです。

引っ越しの時に、父の代から懇意にさせていただいている革業界の社長さん、当時大学生だった長男、それと高校時代の先輩に手伝っていただいたことには大変な感謝を致しております。

やはり“一人では何処にも行けないな”と、心から思いました。

ライティングオブジェ“光の箱ワークショップ”


ちなみにですが、【特許出願編】の画像は、以前に娘と会ったときに子供たち3人とライティングオブジェに行って『光の箱ワークショップ』で作ったものです。

沢山のハート(想い)に囲まれている自分(白っぽく映っている)というテーマで作ったものです。(ハートが崩れて分かり辛いですが)

『光の箱ワークショップ』には、3~4回位行きましたが、とても良い時間が過ごせると思うので、おすすめです!

2022年の今年も開催するようなので、ご興味がある方は是非!行ってみてください。

光の箱ワークショップは、当日でも空きがあれば参加できるようですが、予約された方が確実かと思います。

12/17(土)A.11時~ B.14時
12/18(日)C.11時~ D.14時

今年の『光の箱ワークショップ』は、上記4回の開催のようです。


https://illuminat.co.jp/LO_official/event.html#event-04



光の箱ワークショップ以外にもアートな展示物がご覧いただけます。
2022年は12月15日から24日のクリスマスイブまで開催されるようなので、お出かけになられてはいかがでしょうか?

・ライティングオブジェ
https://illuminat.co.jp/LO_official/

東京ビルTOKIAガレリア
東京都中央区新富2丁目4-6 アーベイン三井3F
T.03-3555-5881

 




 

◆ひとりで特許出願ーもくじー◆




最後までお読みいただきありがとうございました。

 

あなたの日常が素敵でかけがえのないものでありますように願いを篭めて。

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