“運命的な出会い”<縁(えにし)>個人で特許出願体験記【07】

合同会社リボーン

2022.12.07 10:32

2014年から2016年の2年間に渡る実体験を綴る特許にまつわる彼是(アレコレ)

エキゾチックレザーを使った個性的な財布を提案するブランド「リボーン」を展開する合同会社リボーン(本社:東京都台東区、CEO:高島成央)が、自身の体験を基にした初物づくしの特許出願ドラマチックストーリー第七話

【運命的な出会い】<縁(えにし)>

弁理士会館へ通いながら特許出願についての様々なノウハウやアドバイス、アイディアなどをいただきながら【国内優先権の主張】(特許出願)に向けて書類を仕上げていきました。

その時に、少し面白かったのがある弁理士の方の提案で、ある箇所の言い方をその方の仰るように書き直しすることがありました。

後日、別の弁理士の方に明細書に目を通してもらったところ
『ん?ここのこの表現だけど・・・』と、先日別の弁理士の方の提案で書き直しした箇所に対して又、別の提案をされるということがありました。

結局先日の弁理士の方に申し訳なかったのですが、更に書き直しをすることとなりましたが、その方との出会いの記録として残したい気持ちもあったので、一箇所だけ原文をそのまま残しました。

実は後ほど…本当に最期の最後になって、その時に残した一文の言い回しによって、審査官からアドバイスをいただき助けられる事となります。

ムダな出会いは一切ありませんでした。

記憶と記録

出会った弁理士の方から受けたアドバイスは、必ず全て明細書に反映させて頂いていたので、【明細書】は出会っていただいた方々と過ごさせて頂いた時間と気持ち(想い)そのものでした。

その時に思ったのが、やはり言葉を使った職業なので弁理士ひとり一人に哲学のようなものが在るのだなぁ…と。あと、やはり弁理士それぞれの得意分野があるので、ひと言に“弁理士” といっても、その案件に対して得意としている方を探された方が良いんだなと思いました。

当然のことなのですが、特許出願前と特許出願後とでは多少なりとも弁理士の方たちの熱が違ってきている事も薄々感じていたので、ここから先は一人で頑張るしかないな…という考えが頭をもたげ始めていました。

お会いした弁理士の方々が仰る “このまま出願するのは惜しい” その言葉の真意も分からぬまま、‘自分が出来る限界はもうこの辺なのかな?’ そう思い始めていました。

これ以上どうしたらよいのか・・・・・


先日、名刺をいただいた弁理士の方に連絡を取ってみようかな?どうしよう??・・・


‘あと一回だけ弁理士会館を訪ねてみよう。その後の事は、それから考えよう’

そう決心して最後のつもりで弁理士会館を訪問しました。
 

運命的な出会い 

そして、いつものように訪問票に質問事項などを記入して待つことしばらくしてお声を掛けていただき、いつものようにご挨拶させていただいて明細書に目を通していただきながら説明させていただきました。

この時は、プロトタイプ(試作品)が出来上がっていたので持参していったように記憶しております。

始まって5~10分程度の時間が経過した頃でしょうか、その時に弁理士の方が発したお言葉が、自分の意図するところ(主張したい部分)のド真ん中を言い当てられたのです。

それまで数多くの弁理士の方々と接見させていただいてきましたが、そこまでの核心を突かれたのは(ましてやお会いしてからものの数分で)初めての事だったので、ビックリすると共にとても嬉しく思いました。

とてもお話しもしやすい方だったので、ついつい自分の置かれている状況や事情なども含めて色々とご相談に乗っていただいて、とても充実した “有り難くも濃い時間” を過ごさせていただきました。

特許出願書類の書き方のアドバイスはもちろん、“特許出願において【請求項】の部分は特許の心臓部であって特許権の範囲そのものなんだよ。” といったことも教えていただきました。


 あぁ…今日はこの方とお会いできて本当に良かった’

そんな風に思いながらも時間は5時を回っていました。
 

相当長いお時間お付き合いしていただいておりましたので感謝の言葉をお伝えして、

『近いうちに特許出願(国内優先権の主張)をしたいと思います。』
 そう伝えて退室しようとしたところで、その弁理士の方に呼び止められます。

 


『連絡先を教えてもらえないかな?名刺ある?』

『?…?!』

『さっき話ししていた【請求項】の部分だけど、そのまま出願するのは余りにも勿体無いから僕が考えてあげるよ。』

『えっ!?….でも….』

『大丈夫、今日ここを訪ねて来た貴方と僕が会ったのも何かの“縁”だと思うから。』

 

『ありがとうございます!!』

何度も何度もお辞儀をして喜び勇んでお別れをした、あの日の事は忘れません。



その後、言葉に尽くせぬほどにお世話になる弁理士 “Mさん” との出会いでした。

“Mさん”との出会いに感謝しながら、日枝神社で参拝して帰りました。
 

ただ、この時は“Mさん” が仰られた

『【請求項】を僕が考えてあげるよ』


この意味が、どれ程すごいお言葉をかけていただいたのか十分に理解できずにいました。
 只々、お声を掛けていただいたことに喜んでいたように思います。

そして、その日の夜には “Mさん” から
『僕なりに【請求項1】の文案を考えてみましたので、これをたたき台にお考えいただいたらどうでしょう』とメールをいただきました。


非常に嬉しく、有り難く感謝する気持ちと共に、その表現力の幅の広さに只々脱帽するばかりでした。

とはいっても、それがどれほどの広い権利を指しているのか、明瞭には分からなかったのですが、後で解説していただきました。
 

兎に角、それ程素人の自分とプロである“Mさん”の請求項(特許の権利)には雲泥の差があったのです。
改めて昨日“Mさん”が仰られた『僕が請求項を考えてあげるよ』の言葉の重みと同時に感謝の気持ちが溢れた瞬間でもありました

早速、弁理士会館での御礼とメールをいただいた事への御礼を伝えて、“Mさん”からご提案いただいた【請求項1】を起点とした第二、第三~の請求項を自分なりに考えて“Mさん”からの返事やアドバイスなどを参考にさせていただきながら明細書を訂正&加筆していきました。


 当時を思い出しながら現在、執筆しているのですが “Mさん” との出会い(自分にとっては運命的な出会いでした)は、最初の特許出願から数か月後だったと思っていたのですが、メールのやり取りを確認したところ、お会いしたのは2月4日で最初の特許出願から3週間も経っていなかったことを知りビックリしました。

きっとそれくらい苦しんでいた中での ‘出会い’ だったのだと改めて思いました。

それからの日々は自分がお送りした明細書や請求項、“Mさん” からいただいた【請求項】のアドバイスを基に、明細書の加筆をしていく毎日でした。

“Mさん” からいただいた請求項には、どういったことを(どういう商品を想定して)記載しているのか素人の自分に分かるように解説も書き記されていました。
 非常に稚拙だと思われるような質問にも快くお応えいただいたことにも感謝の念が絶えませんでした。


 

請求項や明細書を作り上げていく中で、基本的な(よく用いられる)【請求項の書き方】も、“Mさん” からご教授いただきました。

毎回メールのあたまに『こんにちは。がんばってますか。』の一文に、どれほどの力を頂いたことか言葉に尽くせません。

 

【“Mさん”からご教授いただいたこと】

◆【請求項1】では、出来るだけ多くの含みを持たせた記載をし、それらがはねられた時の為に、より範囲を明確化(縮小)した【請求項2】や【請求項3】の記載をして、それらに従属する形態としての【請求項4~】を記載するそうです。

(もちろん例外もあるようですが、特許出願において、よくとられる手法のようです)

*上記の記載例ですと、【請求項1~3】が独立項、【請求項4~】が従属項となるそうです。

 

そして “Mさん” からのアドバイスを基に加筆訂正を繰り返して、出願時は9ページ【請求項2】図面5だったものが、19ページ【請求項11】図面12まで増えていました。

何度もなんども読み返してついに【特許出願】(先の出願に基づく優先権主張)をして参りました。

 

2015年7月7日のことでした。


その8へ続く

 

 

【Re-Bone Wallet/リボーンウォレット 製品開発秘話】

 

 

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