【特許出願】<背中を押してくれたひと>個人で特許出願体験記【05】

合同会社リボーン

2022.12.05 11:31

2014年から2016年の2年間に渡る実体験を綴る特許にまつわる彼是(アレコレ)

エキゾチックレザーを使った個性的な財布を提案するブランド「リボーン」を展開する合同会社リボーン(本社:東京都台東区、CEO:高島成央)が、自身の体験を基にした初物づくしの特許出願ドラマチックストーリー第五話

【特許出願】<背中を押してくれたひと>

商標登録出願を無事に済ませて、再び【特許出願】のための書類製作に取り組み始めました。


同時に、Re-Bone Wallet/着脱財布・リボーンウォレットのプロトタイプ製作の為のファスナーなども注文していたのですが、事情を聴いたファスナー屋さんの社長様が、通常10本以上まとまらないと値引きして貰えないのですが、値引きしていただけた事もとても有り難かったです。

同時進行で、何の知識もなかった自分がパソコン教室へ通って “html” から教わってホームページ制作をしていたのもこの頃でした。


最終的には当時のホームページは閉鎖して現在のページに移行することとなるのですが、決してムダではなかったと思っています。

兎にも角にも特許願のための書類を持って弁理士会館へ通っては訂正、書き足しの日々が続きます。


当時の自分は ‘国際特許’ も視野に入れていたので、お会いした弁理士の方に、その旨質問させていただいたのですが、そちらの答えはいずれも‘ノー’ でした。

理由は、先ず莫大な出願料が掛かること。(一つの国に対して100~数百万の手数料がかかるので数か国で出願するだけも大変な額になるからです)

第二に仮に特許取得出来たとしても、誰が特許権の侵害のチェックするの?といったところでした。

確かに今の自分では夢物語だな….そんな風に思って日本では何としても特許を取得できるように頑張ろう!と誓いました。

そんな中でお会いした弁理士の方から、プロとしての考え方の片鱗などにも触れさせていただいたりしたことも自分の財産になっていきました。

 

 

抑止力としての特許出願

 

例えば “抑止力としての特許出願”  ‘審査請求をあえてしない’ などのアドバイスをいただいたりもしました。

特許を取れる可能性が低かったとしても、とりあえず特許出願をする事によって、同業他社が特許を取得出来た時の特許権の侵害を嫌って似たような商品開発を抑制させる…というものです。

また、早期に審査請求などをして拒絶されてしまうと抑止力の期間が短くなってしまうので、あえて審査請求までの期間を長くする(或いは審査請求をしない)など。

特許出願ひとつとっても様々なアプローチの仕方があるのだなぁ…と勉強させていただきました。

特許ではない実用新案の提案などもしていただきましたが、自分は最初から “特許で勝負する” と決めていたので、その点についてはブレることはありませんでした。

ある弁理士の方から『非常に面白いと思うから商品化されたら購入させてもらうよ』などと言っていただいたことが自信にも成りましたし発奮材料となって頑張り続けることができました。


気が付いたら2014年も暮れに差し掛かっていました。

2014年に特許出願を急ぐ気持ち

 “やり直しがきかないのだから本当にこれで大丈夫なのだろうか?…” 

そんな気持ちが入り混じる中で時間だけが過ぎ去っていきました。
 

そして2014年は終わりを告げていきました。
 

 

背中を押してくれたひと

 

年が明けて2015年になっても、決断しきれないままでした。


このままズルズルと時間が過ぎていって同じものを誰かが出願する可能性だってゼロではないんだから早く出願に行かないと…
そんな気持ちとは裏腹に ‘本当にこれで大丈夫なんだろうか?’  という葛藤。
 

『どこかで線引きをしないと』

 

もうこれで大丈夫だと自信が持てたら、来週にもう一度書類に目を通して出願に行こう!

そう決心して最後のつもりで弁理士会館を訪れました。

しかしその日に限って待合室には順番待ちの人でいっぱいで、弁理士の方から意見を仰ぐことが出来ませんでした。

しょうがないから、特許庁職員の方からご意見を伺って帰ろう。
そう思って久しぶりに特許庁を訪れました。

特許庁の職員の方の何人かは顔見知りになっていたのですが、その日にお会いした職員の方は、その日に初めてお会いした方でした。

特許願を見ていただいてご意見を賜ろうと思っていたのですが、その方が特許願に一通り目を通した後にひと言


『今日出願していきなさい。』

『えっ!?』と思った矢先


『一日でも早く出願したもの勝ちなのだから一日でも早い方が良い。だから今日出願していきなさい』と言われました。


 


 

その日に出願するつもりではなかったので捺印していなかったのですが、「特許庁近くのビル群で印鑑を売っていたと思うから、そこで購入して捺印して出願するか、時間が間に合わなかったら、郵送でもよいから本日中に発送しなさいよ。」


『とにかく一日でも早く行動に移しなさい』


そう仰られた言葉に背中を押されるように印鑑を買いに走っていました。

時間はもう4時半を回っていて ‘もしかしたら間に合わないかも’ そう思いながらも必死で走り回って印鑑を無事に購入して捺印。

 

一階の窓口で収入印紙を購入して貼り付けて出願窓口へ。

窓口の方が『あぁ、今日は特許なんだね』と一言。

奇しくも商標登録の出願時にお相手してくださったときと同じ方だったのです。

無事に特許出願を済ませたときは、すでに5時になろうとしていました。

今日もしも弁理士会館で接見できていたら…もしも特許庁の職員の方に背中を押されていなかったら、今日特許を出願することはなかったんだなぁ・・・自分は本当に人に恵まれているんだな。

 

そんなことを考えながら、今まで出会った全ての方々への感謝を想いながら帰りました。

 

2015年1月16日(金曜日)のことでした。



その6へ続く



 

 

◆特許出願料

15000円(現在は14000円のようですが、たしか当時はこの金額だったと記憶しています。)

 

 

【Re-Bone Wallet/リボーンウォレット 製品開発秘話】

 

 

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