「セックスレスでも浮気・不倫を許さない!」は何割?セカンドパートナーや風俗を許す割合は?──レス夫婦400人アンケートからみえた妻・夫の心理
「夫婦のセックスレスに関する実態調査2024」第9報(最終報告)
既婚者マッチングアプリ「Healmate(ヒールメイト)」を運営するレゾンデートル株式会社(東京都新宿区)は2023年10月から2024年2月にかけて20~50代の既婚者男女4,000人を対象にセックスレスの実態に関するアンケート調査を行いました。今回はその第9報告(最終報告)です。
日本における夫婦のセックスレス問題は深刻であり、多くの調査では5~6割以上がレスとの結果が出ています。加速化する少子化の原因の一つでしょう。
そこで、既婚者マッチングアプリ「Healmate(ヒールメイト)」を運営するレゾンデートル株式会社(東京都新宿区)は、夫婦間のセックスレスの実態を解明すべく、既婚者男女4,000人を対象とした大規模調査を実施しました。過去8回の分析結果は、多くの報道機関に引用されています。
<過去の報告>
・第1報:20代~50代既婚者の68.2%がセックスレス傾向(うち43.9%が完全なレス状態)
・第2報:結婚3年未満の新婚夫婦でさえ5割以上がセックスレス傾向
・第3報:レス当事者の6割以上が1年以上レス、約4割が5年以上レス
・第4報:「妊娠・出産」がレスの最大のきっかけ(25%)、最大の原因は女性の性欲減退
・第5報:男性(夫)はレスを解消したいが、女性(妻)はそう思っていない
・第6報:レス夫婦の5割以上は仲が良い(男性:56%、女性:53%が「仲が良い」と回答)
・第7報:セックスレスじゃない夫婦は「仲良し度」「SEX満足度」がともに高い
・第8報:セックスレスを夫婦で話し合えない?誰にも相談できない?
今回は本調査の最終報告です。
セックスレス夫婦の場合、パートナーの浮気・不倫を許す配偶者はどれほどいるのでしょうか? 許さない場合はその理由は?
また、プラトニックな関係のセカンドパートナー(セカパ)なら許されるのか? 性風俗の利用やオープンマリッジは?──など、セックスレス夫婦の「許容度」を調べます。
もしセックスレス解消の見込みがないのに「どれも許さない」としたら、結婚が続く限り性的な欲求不満で苦しむことになるのですが、どんな回答結果になるのでしょうか。もしかしたらそこに、現代の結婚制度の矛盾が一部あらわれているかもしれません。
<結果のポイント>
- セックスレスでも「配偶者の浮気・不倫は許さない」が5割弱
→男性は「許す」16.0%、「許さない」38.5%も、女性は「許す」8.5%、「許さない」53.0%
→男性は20代で「許す」が最多の26.0%、女性は20代で「許さない」が最多の66.0%
- セックスレスでも「浮気・不倫は許さない」理由は「いけないことだから」が6割以上
→男性:「いけないことだから」62.3%、「自分は我慢しているから」が23.4%
→女性:「いけないことだから」67.0%、「自分は我慢しているから」が10.4%
- 「浮気・不倫は許さない」と回答した既婚者は7割以上がセカンドパートナーも許容しない
※セカンドパートナーは「プラトニックな関係の婚外恋愛」のこと
→男性71.4%、女性81.1%が「セカンドパートナーでも許さない」と回答
- セックスレスでも「夫の性風俗の利用を許さない」妻が約5割
→女性:「許す」13.5%、「仕方がない」18.0%で、合計31.5%が「夫の風俗利用を許容」
→男性:妻の女性用風俗の利用を「許す」16.5%、「仕方がない」28.5%と許容度が高め
- 配偶者からオープンマリッジを提案されたら「同意しない」が4割弱、「離婚する」が2割弱
→女性:「同意しない」「離婚する」の合計が6割以上で、同意するが1割強
→男性:「同意しない」「離婚する」の合計が5割以下で、同意するが約2割
<調査概要>
・調査タイトル:夫婦のセックスレスに関する実態調査 第9報(最終報告)
・調査期間:2024年1月30日~2月3日、7月22日~26日
・調査対象者:20~59歳の夫婦間レス当事者の男女400人(男性200人、女性200人)
※第1報の回答者4,000人のうち「レス」と回答した人の中から無作為に400人を抽出。
※第8報の回答者とは別抽出(期間が空いて同サンプルでの調査が困難なため)
・調査方法:インターネット(セルフ型アンケートツールFreeasyを利用)
・エリア:全国
・調査機関:レゾンデートル株式会社
・調査報告の掲載:既婚者の男女関係に関する調査
・本報告の発表日:2024年8月18日
<調査対象者について>
次の通り男女、年齢層ともにほぼ均等なサンプルになっています。
・総数:男性(200人)、女性(200人)
・20代男性:50人(25.0%)、20代女性:50人(25.0%)
・30代男性:50人(25.0%)、30代女性:50人(25.0%)
・40代男性:50人(25.0%)、40代女性:50人(25.0%)
・50代男性:50人(25.0%)、50代女性:50人(25.0%)
回答者は島根県・大分県・沖縄県を除く全都道府県に分布しており地域的な偏りはありません。
子どもの有無は、子ども有が446人(71.6%)、子ども無が177人(28.4%)でした。
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1)セックスレス当事者は配偶者の浮気・不倫を許す?許さない?
調査概要で説明した通り、今回はセックスレスの当事者だけがアンケート対象者になります。
本調査におけるセックスレスの定義は「本人がセックスレスととらえていること」です(「夫婦のセックスレスに関する実態調査」の第1報参照)。日本性科学会の定義(1994年)「(挿入と伴わない性的コンタクトも含む)性的接触が1か月以上ないカップル」は実態を反映しにくいと考え、本人の認識を重視しました。忙しかったりすれば1か月以上しないのはざらでしょう。
レスの期間は回答者によってまちまちです。数か月もいれば数年、数十年もいます。諦めている方もいるでしょうし、相手に悪いと思ったり不満に感じたり、解決したいと考えていたり普段は考えないようにしていたり、レスに対する気持ちや考え方も様々でしょう。
そのなかで果たして、どのくらいの割合のレス当事者が配偶者(パートナー)の浮気・不倫を許す境地に達しているのでしょうか。次の結果になりました。
結果は、夫婦間セックスレスの当事者の45.8%が「浮気・不倫を許さない」でした。これが拒否されている側(レスられ妻・レスられ夫)からの回答ならば分かりますが、拒否している側ならばかなり酷な話かもしれません。
一方、「許す」は12.3%、「仕方ない」は19.3%で、合計31.6%が許容派という結果になりました。「許さない」よりもかなり低い結果です。
許容派の多くが「自分がパートナーとのセックスを拒否している側」かというと、そうでもなさそうです。「夫婦のセックスレスに関する実態調査」の第3報の結果(下図)によると「自分が拒否側」の男性は14.1%、女性は多くて31.1%で、男女合計すると2割くらい。そのため、数字が合いません。
「自分が拒否側」の人でも相当数が「配偶者の浮気・不倫は許さない」という考えなのだと推察できます。
続いて、「浮気・不倫」の許容度を男女別に比較すると、次の通りになりました。男女合計では「許さない派」が45.8%でしたが、女性の方が許さない傾向にあると見て取れます。
先ほど紹介した第3報の結果も合わせると、「妻側の方がセックスを拒否することが多い」うえに「夫が浮気・不倫するのは許さない妻が多い」となります。これが多くの既婚女性の心理かもしれません。
2)20代で大きく異なる既婚男女の浮気・不倫の許容度
次に、夫婦間セックスレス当事者の「浮気・不倫」の許容度を、年齢層×男女に分けて比較してみます。特に20代の既婚男女の考え方の違いが衝撃的です。
20代男性は「許す」が26.0%もあり、「許さない」36.0%と低めですが、20代女性は「許す」が6.0%しかなく、「許さない」66.0%と圧倒的です。つまり、20代の既婚女性は夫の浮気・不倫に非常に厳しいと言えるでしょう。
この結果は、恋愛時代の感覚が残ることもありますが、乳幼児の子育て・ワンオペと無縁ではないでしょう。「浮気・不倫なんてされてたまるか」という感情が垣間見えます。
20代以外の結果は、年代および男女でバラバラです。サンプル数が少ない影響もありますが、世代や結婚年数による考え方の違いも大きく反映していそうです。40代になると「諦めムード」が漂うのか、「仕方がない」と考える割合が高くなっています(男性:32.0%、女性:26.0%)。
50代は、特に女性が保守的で「許さない」が54.0%にもなります。「子育てがひと段落したところで他の女性(若い女性)に走られるなんてとんでもない!」といったところでしょうか。裏切りに近い行為ですからうなずけます。
男性は「分からない」が36.0%と全世代で最も高く、現状維持を希望しているか、何も考えていない様子がうかがえます。
3)「浮気・不倫を許さない派」はなぜ許さない?どこまで許さない?
次のテーマに移る前に、最初の質問の「もし配偶者が浮気・不倫をしたら許しますか?」に「許さない」と回答した当事者について深掘りしてみたいと考えます。これまでの棒グラフで、赤色に黄色の枠で示されていた人々です。
まず、「浮気・不倫を許さない理由」を尋ねたところ次の結果になりました。
「いけないことだから」と倫理観を理由にする回答が多く男女とも6割を超えています。特に女性は7割に近いです。
また、男性は「自分は我慢しているから」との回答が23.4%と目立って高いですが、「男性は性欲の生き物」とされる生理的特性と関係がありそうです。
続いて、プラトニックなら許せるのかと疑問がわいたため、近年、既婚者の新たな男女関係として注目されているセカンドパートナーなら許容するかを尋ねたところ、次の結果となりました。
なお、セカンドパートナーとは既婚者が配偶者(ファーストパートナー)と別に持つプラトニックな婚外パートナーをいい、その関係は「友達以上、恋人未満」などと呼ばれます。
グラフの通り「セカンドパートナーも許さない」が圧倒的に多数です。この結果から、「セックスレスでも浮気・不倫を許さない派」は、体の関係の有無とは関係なく、配偶者が他の異性と親密な男女関係を結ぶことそのものを許さないことが分かります。
なお、「浮気・不倫を許さない理由」「セカンドパートナーを許すか」についてはサンプル数が183人と少ないため、年代別は取り上げません。
4)セックスレス当事者は配偶者の性風俗利用を許す?許さない?
最初と同じ「夫婦間レスの当事者400人」への質問に戻ります。最初の質問では、セックスレスでも5割近い人が「配偶者の浮気・不倫を許さない」ことが分かりましたが、性風俗の利用はどうでしょうか?
尋ねたところ、次の結果となりました。
回答者の「セックス拒否側・拒否られ側」の内訳は不明ですが、仮に拒否側が配偶者の浮気・不倫を許さず、性風俗の利用も許さないとなると、結果的に「配偶者は一生セックスするな」という意味になるでしょう。
なお、女性の場合、近年徐々に流行しつつある女性用風俗(女風)の利用を想定しています。
年齢層別・男女別の違いは次の通りです。
20代・30代・40代男性の許容度が高く、女性は年代に変わらず許容度が低いように思えますが、いかがでしょうか。
5)セックスレス当事者はオープンマリッジを許す?許さない?
続いて、配偶者からオープンマリッジを提案されたら許すのでしょうか?
オープンマリッジとは「開かれた結婚」という意味で、お互いに他の異性と恋愛・お付き合いするのを許す結婚の形をいいます。オープンリレーションシップ(開かれた関係)の結婚バージョンです。1970年代に欧米で流行し、近年は再び一部の人々の間で盛り上がりを見せつつあります。
レス当事者に「オープンマリッジを提案されたら同意するか」を尋ねたところ結果となりました。
女性は4割が許容しないだけでなく、2割が離婚を検討するとあるので、厳しい結果といえるかもしれません。男性も3割が許さず、15.0%が離婚を検討する結果になっています。
男女別・年齢別の結果は次の通りです。30代男性、40代・50代女性の許容度が特に低い結果となりました。
このように夫婦間でセックスレスでも、浮気・不倫はダメ、風俗利用もダメ、オープンマリッジもダメが大勢という結果ですが、ならば人間の自然な生理的欲求である性の問題はどうなるのか?結婚制度はこのままでよいのか?何のために性の独占状態を維持するのか?いろいろと考えさせられる結果です。
皆さんはどのように考えるでしょうか。
6)まとめ
今回が「夫婦のセックスレスに関する実態調査」の最終報告です。多くの既婚男女の心理は、「夫婦がレス状態にあっても配偶者が他の異性に接触するのを許したくない」というものでした。調査前の予想よりも「許さない」の割合が高く感じられましたが、皆さんはいかがでしょうか。
これまでの報告でも紹介したように夫婦間レスを克服するのは難しく、長期化し、多くの当事者が解決を諦めています。すると、他の異性との関係を許容しない状態は、「一生誰ともセックスするな」と言うのに等しいものです。隠れて浮気や不倫をするか、性風俗を利用することがさらに常態化するでしょうし、実際にセックスしないまま一生を終える人も多いかもしれません。
性的欲求や性機能があるのに我慢を続けるのは生物学的に不自然であり、「配偶者に隠れてする」ことも健全ではありません。もちろん夫婦間にある程度の秘密は必要ですし、昔から「浮気や不倫は隠れてするもの」ではありますが、ここまで夫婦のセックスレスが拡大すると話が違ってくるように思います。
性風俗産業・アダルトコンテンツ産業は拡大し続け、今では非常に手軽に利用できるほか、女性用アダルトビデオ、女性用風俗(女風)まで人気となっている現状があるのです。
結婚制度そのものの矛盾が顕在化したように感じられますが、いかがでしょうか。今後も夫婦のセックスレスはさらに拡大していくと思われます。既婚者向けのマッチングサービスの利用者が拡大するなか、結婚制度の在り方そのものを検討すべき時期かもしれません。
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☆レゾンデートル株式会社の調査結果は多くの報道機関・マスメディアに引用されています!
特に注目度が高いリリースはこの3つです。
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◎調査の目的
私どもレゾンデートル株式会社(東京都新宿区)は、「結婚後の新たな生き方」を提案する既婚者向けメディアやネットサービスの展開を行うシステム開発です。現代の夫婦関係のあり方や多様性を把握し、今後のサービス開発に向けた市場動向を探るため、今回の調査を企画しました。
◎調査内容・本リリースに関するお問い合わせ
今回の調査内容やデータの詳細に関するお問い合わせ、報道関係の皆様の取材依頼やお問い合わせは下記までお願い申し上げます。
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