湘南に残る唯一の皇族別荘「旧東伏見宮葉山別邸」 町民参加型の保存・利活用プロジェクトスタート
「一般社団法人 La Casa Blanca Hayama」を設立、9/14 に葉山町内でお披露目会
神奈川県葉山町にある皇族別荘遺構、旧東伏見宮葉山別邸の保存と利活用を行う団体として、地元 NPO法人代表や学識経験者、不動産事業者、地域住民などが参加し、一般社団法人La Casa Blanca Hayama (理事長:丸谷博男)を設立しました。9月14日(土)に、現地(葉山町堀内1968)で一社設立のご報告と旧東伏見葉山別邸の一般公開イベントを実施します。
旧東伏見宮葉山別邸とは
1914(大正3)年に東伏見宮依仁親王の別邸として竣工しました。親王はイギリスやフランスに留学後、海軍の軍人として、横須賀鎮守府の司令長官も務めました。建物は、木造2階建てで銅板葺。緑青の屋根と白色の端正なドイツ下見板張りの外壁が特徴的で、風格ある外観に大きな窓と海見えの廊下(サンルーム)など、随所に皇族別荘の風格と優雅な意匠があります。親王の没後も別荘として機能しましたが、戦後、1952年から宗教法人イエズス孝女会による管理運営に引き継がれ、修道院として使われていました。
イエズス孝女会修道院旧館(旧東伏見宮葉山別邸)概要
竣工:1914(大正3)年/1976(昭和51)年・1987(昭和62)年改修
設計:木子幸三郎(宮内省内匠寮技師)
構造及び形式:木造2階建、銅板葺、建築面積280㎡、塔屋付
国登録文化財登録年月日:2017(平成29)年5月2日
所在地:神奈川県三浦郡葉山町堀内1968
2017年に国登録有形文化財に登録され、長年維持管理されてきましたが、老朽化もあり、同会による運営が困難となっています。皇室ゆかりの遺構として唯一残された旧東伏見宮葉山別邸を保全するとともに、葉山のまちの希望の一つに膨らませていくため、町民をはじめとする有志が集まり、約1年間の準備期間を経て一般社団法人La Casa Blanca Hayamaを設立しました。
9月14日、改修工事前最後の一般公開イベント
9月14日(土)に行うイベントは2部制となります。第1部では、一社への継承の背景から具体的な工事内容や着工時期、また今後の利活用についてご説明します。また、第2部では地域住民の方々に改修工事前、最後のお披露目会として館内をご案内します。建物の歴史を知っていただき、この場所がどのように使われることになるのか、実際にイメージできるようなイベントを企画しています。
〈第一部〉13:00~14:00(予定)
・一般社団法人理事会メンバーの紹介
・継承の経緯
・建物の現状と改修予定のプラン説明
・プロジェクトスケジュール
〈第二部〉14:00~16:00(予定)
・施設の一般公開
・建物の歴史の解説と館内のご案内
・「東伏見宮葉山別邸での過ごし方を考えてみよう」ブレスト会議 など
葉山独自の「別荘文化」を守り継ぐ
1894(明治 27)年の葉山御用邸竣工と前後して、葉山町内では昭和初期にかけて、約 500 棟もの別荘が建てられました。財界人や経済人、政治家、文化人など著名人の別荘も多く、それが葉山独自の「別荘文化」を形成していました。時を経て現在では、その別荘も50棟以下に減少しています。意匠のある建築物も少なくなく、 同町内では7件の別荘や居宅が「国登録有形文化財」として登録されており、それぞれ保全や利活用が進められています。
私たち「一般社団法人La Casa Blanca Hayama 」は、旧東伏見宮葉山別邸の保全と利活用だけでなく、葉山の「別荘のある景観」「別荘文化」を守っていくため、地域のみなさんと一緒になって進めていきます。
*現地へのアクセス
JR「逗子」駅(京急「逗子葉山」駅)より、京急バス/山回り/逗1・2・5・6・7・8・14・15・16「向原」下車徒歩2分
・専用の駐車場はありません。公共交通機関などでご来場ください
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