【調査結果】新事実!幸福度とファイナンシャル・ウェルビーイング(FWB)の相関
~幸福度にとってFWBが高いことは“年収1,000万円分”を埋めるほどの効果がある~
当社が行った調査で 幸福度においてァイナンシャル・ウェルビーイング(FWB)が高いことは“年収1,000万円分”を埋めるほどの効果があるということや、 FWBを高めるために必要なものがFWBが高い人・低い人で認識に違いがあったことなどが明らかとなりました。
ライフプランの実現を支援する金融サービス開発カンパニー ブロードマインド株式会社は、幸福学第一人者であり、日本初「ウェルビーイング学部」学部長に就任した前野隆司教授をお招きし、【従業員幸福度を高める、まったく新しい“切り口”を学ぶセミナー】を5月29日に開催しました。そのセミナーにて発表した「幸福度とファイナンシャル・ウェルビーイング(以下、FWB)の関係性」に関する調査結果やセミナーアーカイブについて、公開いたします。
なお、当該調査結果につきましては前野教授に監修いただいております。
この調査では、幸福度においてFWBが高いことは“年収1,000万円分”を埋めるほどの効果があるということや、FWBを高めるために必要なものがFWBが高い人・低い人で認識に違いがあったことなどが明らかとなりました。
■調査サマリー
「幸福度」において、FWB※が高いと自認していることは“年収1,000万円分”を埋めるほどの効果がある。
【FWBが高い 年収400万円の人】と【FWBが低い 年収1,400万の人】の幸福度は同等であることが明らかになった。
❶FWBが高い人の方が低い人にくらべ、幸福度が5ポイント以上高くなった。
❷また年収帯別にみても、どの年収帯においてもFWBが高い人の方が低い人にくらべ、幸福度が5~6ポイント程度も高くなった。年収だけではなく、FWBが高いことも幸福度に作用する重要な要素であると言える。
❸さらに年収400万未満でFWBが高い人と、年収1,000~1,500万でFWBが低い人を比べると、同等の幸福度であることが明らかとなった。年収差が1,000万近くあっても、FWBを高めることで同等の幸福度になることが分かった。
❹FWBを高めるために必要なものについては、FWBが低い人においては【1位 収入の上昇】だったのに対し、FWBが高い人においては【1位 ライフプランニング】という結果となった。
❺また、いずれにおいても【2位 金融知識】となり、FWBを高めるには重要だと捉えられていることが分かった。
※FWB=現在・将来にわたって経済的な健全性が確保されている状態、お金に関する不安から解放され人生を楽しむ選択肢が確保できている状態と定義
■調査結果(1) 幸福度とFWBの相関を調査
※調査はクラスターに分類して実施。詳細は下部「調査概要」に掲載
前野隆司教授が幸せの因子として掲げる「やってみよう」因子/「ありがとう」因子/「なんとかなる」因子/「ありのままに」因子の4つをもとに幸福度を調査した。その結果、FWBが低い人62.9pt、FWBが高い人68.5ptとなり、FWBが高い人の方が、幸福度が5ポイント以上高いことが分かった。この結果から、FWBの高低は幸福度に有意に影響すると言える。
また、幸福度と年収の関係については、年収が高い方の方が幸福度も高い傾向にあった。年収額は幸福度に影響すると言える。
さらに年収別に幸福度とFWBの相関を見てみると、どの年収帯においてもFWBが高い人の方が5~6ptほど幸福度も高い結果となった。年収額に関わらず、FWBは幸福度に同等の影響があることが分かる。
年収400万未満でFWBが高い人と年収1,000~1,500万未満でFWBが低い人を比べると、同等の幸福度であることが明らかとなった。この結果から、年収差が1,000万近くあっても、FWBの高低によっては同等の幸福度になることが分かった。
なお、上記調査結果についてはT検定(両側検定)を実施し、以下の通り有意性を確認した。
■調査結果(2) FWBを高めるためには?アプローチ方法調査【ランキング形式】
幸福度にはFWBを高めることも重要であることが明らかになったが、そのFWBはどのように高めるのが良いのかを探るべく、次に以下を調査した。
「ご自身のFWBを高めるために最も必要だと思うものはなんですか?」という問いに対し、7つの選択肢から1つ重要と感じるものを選択してもらった。
<選択肢>
- 1. ライフプランニング(将来の見通しを立てる)
- 2. 家計管理(家計簿アプリ等)
- 3.金融知識
- 4. 収入の上昇
- 5. 資産の増加
- 6. 第三者(ファイナンシャルプランナー等)からの現状に対するアドバイス
- 7. 第三者(ファイナンシャルプランナー等)からの定期的なフォロー
すると、FWBが低い人においては「収入の上昇・資産の増加」が35.8%と、4割近くが選択し最多となった。次に「金融知識」(18.6%)、「資産の増加」(17.5%)という結果である。
一方でFWBが高い人においては、「ライフプランニング(見通しを立てる)」が21%で最多、次に僅差で「金融知識」(20.5%)、次いで「収入の上昇」(18.6%)という結果となった。
比較すると、いずれの場合も金融知識の必要性は高いと認識されているものの、FWBが高い人においては、直接的な収入の上昇よりもライフプランニングという見通しを立てることの重要性が高いとされていることが明らかになった。
■総括
これらの調査結果を受けて、当社の企業従業員向け金融教育プログラム『ブロっこり』開発リーダーである中村は、次のように述べた。
「FWBを高めることは幸福度を高めることにも有意に影響することが分かったが、幸福度は従業員の生産性にも大きな影響があるため(FWBを高めることは)従業員の生産性を高めるためのアプローチの1つになると考える。」
「FWBが高い人が“FWBを高めるために必要だ”と認識している要素として、ライフプランニング・金融知識が上位に挙がったが、イギリスでは経済的な損失を止めるために国家戦略を定めており、その国家戦略のテーマにも含まれている。日本においても、FWBを高めていくためのアプローチとして重要なヒントに成り得るだろう。」
ブロードマインド株式会社 経営企画室。大学卒業後、2014年にブロードマインドへ入社し、ファイナンシャルコンサルティング部署でFPとして顧客対応に従事。2023年4月に経営企画室へ異動。FPの知見を活かし、ライフプランシミュレーター『マネパス』の開発・改修、営業、導入サポートを担当。さらに金融教育プログラム『ブロっこり』の開発リーダーとしてチームを率い、カリキュラム設計~顧客企業の人事担当者とのコミュニケーションなど推進業務全般を担当する。
■調査概要
いずれの調査データも「出典元:ブロードマインド株式会社調べ」を記載のうえご自由にお使いください。また、当社社員へのご取材や、導入企業様の事例のご紹介などが可能です。
- 調査方法:インターネット調査
- 調査対象:全国の25~70歳 男女 (会社員、役員・経営者を対象)
- 有効回答数:1,998サンプル
- 調査時期:2024年3月4日~2024年5月8日
- 調査設計・質問項目
以下のステップで調査対象者を分類し、調査を実施
- ❶自認するFWBの高低を調査し、「低い群」「高い群」に分類
- ❷年収帯毎に分類(全10クラスターに分類)
- ❸各クラスターに対し、幸福度調査を実施
- Q.ご自身の年収
- Q.ご自身のファイナンシャル・ウェルビーイングは高いですか?低いですか?
- Q. ご自身のファイナンシャル・ウェルビーイングを高めるために最も必要だと思うものはなんですか?
- Q.幸福度「幸せ4つの因子」に関する全16問を、7段階で自己評価
・監修者プロフィール
前野 隆司(まえの・たかし)氏1984年東工大卒業、1986年同大学修士課程修了。キヤノン株式会社、カリフォルニア大学バークレー校訪問研究員、ハーバード大学訪問教授などを経て、現在慶應義塾大学システムデザイン・マネジメント研究科教授。2024年4月より武蔵野大学ウェルビーイング学部 学部長にも就任。ウェルビーイング学会会長。博士(工学)。著書に、『ウェルビーイング』(2022年)、『幸せのメカニズム』(2014年)、『脳はなぜ「心」を作ったのか』(筑摩書房,2004年)など多数
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