コスメの正しい”捨て方”を提案「化粧品廃棄のガイドライン」策定

日本サステナブル化粧品振興機構

2022.10.14 15:17

企業・一般双方で叶える、化粧品廃棄の削減へ

化粧品業界のサステナブル産業支援を行う業界団体 一般社団法人 日本サステナブル化粧品振興機構(JSCF)<所在地:東京都港区 代表理事:長井美有紀>は、定例のサステナブルビューティー協議会を2022年7月に開催し、業界・一般ともに定まっていない化粧品廃棄について正しい理解を促進するため、「化粧品廃棄のガイドライン」策定を協議。本日、公式文書を当団体HPに発表いたしました。化粧品を扱う企業や実際製品を使用する生活者が持つべき正しい理解を促し、化粧品の廃棄物削減へと導きます。

JSCFでは、サステナビリティ達成のために、サステナビリティ専門家や先進企業、一般生活者が集まり、課題の多い化粧品業界のサステナブルな未来を模索する「サステナブルビューティー協議会」などを開催しています。2022年7月28日にオンラインで開催された第3回サステナブルビューティー協議会では、昨今の化粧品業界のサステナビリティ現状を共有し、さらに2022年4月に施行された「プラスチック資源循環促進法」によりパッケージソリューションがトレンドになりすぎ、見えにくくなっている実情を明らかにし、正しい理解を促進するため、「化粧品廃棄のガイドライン」策定にむけて協議しました。

「化粧品廃棄のガイドライン」策定の背景には、日本国内でも海洋プラスチック問題への解決が一大ムーブメントになり、特に、バイオマスプラスチックへの転換がトレンドとなっています。化粧品の容器のほとんどはプラスチック製で、このトレンドの波をうけ、業界でも容器をバイオマスプラスチックに変更する企業がよく見られています。ただ、化粧品業界に限らず、バイオマスプラスチックの廃棄方法については不透明で、バイオマスプラスチックへの転換だけでは根本解決になっていない場合が多くあります。また、3大グローバル課題に「汚染」が出てきたことで、よりグローバルでも廃棄に関する取り組みが今後注目されます。さらに、日本国内で化粧品廃棄について、企業のみならず生活者も知らない場合が多く、国内のサステナビリティ達成のため、明確なガイドラインが必要であると考え、策定に至りました。

化粧品廃棄に関する課題は、プラスチック容器によるいわゆる海洋プラスチック問題のほか、日焼け止めやスクラブなど特定の製品に配合されている高分子ポリマーがマイクロプラスチックになりえるほか、日焼け止めに含まれる一部の紫外線吸収剤が原因でおこるサンゴの白化現象により、海洋汚染や生物多様性にも悪影響を及ぼしています。一般的に、化粧品でも容器のみが取りだたされていることが多く、また化粧品の約70%が最期まで使い切れないまま捨てられているという現状がある中で、海洋汚染の解決や廃棄物削減に業界として取り組む必要があります。

本ガイドラインでは、容器および外箱、バイオマスプラスチックの廃棄、未使用および最後まで中身を使い切れなかったもの、リユースやリサイクルの推奨、など項目ごとに要件を策定し、協議会で共有・審議・了承されたものを、本日公式文書としてまとめ、当団体HPに公表しました。
   ■公式文書 公開先:https://sustainable-cosme.org/official-announcement/
これにより、企業・一般双方が、海洋汚染への解決や、廃棄物削減やそれによる温室効果ガス削減に取り組むことができます。

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