セックスレスじゃない夫婦のSEX頻度・満足度・仲の良さ ──非レス夫婦400人アンケートから見えたレス夫婦との違い
「夫婦のセックスレスに関する実態調査」の第7報(2023-2024年調査)
既婚者マッチングアプリ「Healmate(ヒールメイト)」を運営するレゾンデートル株式会社(東京都新宿区)は2023年10~12月、20~50代の既婚者男女4,000人を対象にセックスレスの実態に関するアンケート調査を行いました。既婚者を対象にした日本最大のセックスレス調査です(2024年5月現在)。
今回は既婚者4,000人から絞った「非レス」400人へのアンケート結果を報告します!
セックスレスはもはや日本の社会問題です。レス夫婦の割合は年々増加しており、多くの調査では5~6割に達するとの結果が出ています。最近は日本家族計画協会とジェックス株式会社が実施する恒例の性に関する実態調査、「【ジェックス】ジャパン・セックスサーベイ2024」が2月に公表され、「婚姻関係がありながら、性交渉が1カ月以上ない人の割合が6割以上」との結果が話題です(産経新聞記事)。
既婚者マッチングサービス「ヒールメイト(Healmate)」を運営するレゾンデートル株式会社(東京都新宿区)は、2023年10~12月に既婚者男女4,000人を対象とした独自の夫婦間セックスレス調査を実施し、順次分析結果を発表しています。これまでの報告は次の通りです。
・第1報:20代~50代既婚者の68.2%がセックスレス傾向(うち43.9%が完全なレス状態)
・第2報:結婚3年未満の新婚夫婦でさえ5割以上がセックスレス傾向
・第3報:レス当事者の6割以上が1年以上レス、約4割が5年以上レス
・第4報:「妊娠・出産」がレスの最大のきっかけ(25%)、最大の原因は女性の性欲減退
・第5報:男性(夫)はレスを解消したいが、女性(妻)はそう思っていない
・第6報:レス夫婦の5割以上は仲が良い(男性:56%、女性:53%が「仲が良い」と回答)
今回の第7報では、非レスの既婚者に「夫婦間セックス頻度」「セックス満足度」「夫婦仲の良さ」「婚外恋愛・不倫・浮気率」などを尋ねた結果をまとめます。
レス当事者と非レスでどのような違いがあるでしょうか。どうぞご覧ください。
<結果のポイント>
- 非レス夫婦のセックス頻度は「月に数回」「年に1回もない」が多い
→「月に数回」:男性23.0%、女性21.0%
→「年に1回もない」:男性21.5%、女性27.5% ※本人にレスとの認識はないが「実質レス」
- 非レス夫婦の6割以上が「セックスに満足」
→男性:「満足」23.5%+「おおむね満足」39.0%=62.5%
→女性:「満足」25.5%+「おおむね満足」35.0%=60.5%
- 非レス夫婦の約7割が「仲良し」
→レス当事者よりも夫婦仲が良い(「良い」の回答に10ポイントの差)
- 夫婦仲良しの人のほうがセックス満足度は高い
→夫婦仲が良い人の8割が「夫婦間のセックスに満足」
- 婚外恋愛・不倫・浮気率は有意に低い
→非レス男性の婚外恋愛・不倫・浮気率は17.0%(レス含む既婚男性全体は22.5%)
→非レス女性の婚外恋愛・不倫・浮気率は5.5%(レス含む既婚女性全体は16.1%)
<調査概要>
・調査タイトル:夫婦のセックスレスに関する実態調査 第7報
・調査期間:2023年10月30日~12月18日
・調査対象者:20~59歳の既婚男女400人(男性200人、女性200人)
※第1報の回答者4,000人のうち「レスではない」と回答した人の中から無作為に400人を抽出。
・調査方法:インターネット(セルフ型アンケートツールFreeasyを利用)
・エリア:全国
・調査機関:レゾンデートル株式会社(https://raisondetre-inc.co.jp/)
・調査報告の掲載:https://healmate.jp/survey/
・本報告の発表日:2024年5月16日
<調査対象者について>
次の通り男女、年齢層ともに均等なサンプルになっています。
・総数:男性(200人)、女性(200人)
・20代男性:50人(25.0%)、20代女性:50人(25.0%)
・30代男性:50人(25.0%)、30代女性:50人(25.0%)
・40代男性:50人(25.0%)、40代女性:50人(25.0%)
・50代男性:50人(25.0%)、50代女性:50人(25.0%)
回答者は青森県を除く全都道府県に分布しており地域的な偏りはありません。東京都(45人)、埼玉県(34人)、神奈川県(33人)、愛知県(32人)、大阪府(30人)、兵庫県(29人)、北海道(16人)、福岡県(10人)など、概ね人口分布にも沿っています。
子どもの有無は、子ども有が251人(62.8%)、子ども無が149人(37.3%)でした。
1 非レス夫婦のセックス頻度は?
第1報では、既婚者の約7割が配偶者とセックスレス(※1)傾向であり、そのうち4割以上が完全なセックスレス状態と判明しました。今回は同じサンプルで「セックスレスではない」と回答した1,274人から男女400人を無作為抽出しました。
なお、本調査におけるセックスレスの定義は「本人がセックスレスととらえている」という主観的なものです(第1報参照)。日本性科学会の定義(1994年)は「(挿入と伴わない性的コンタクトも含む)性的接触が1か月以上ないカップル」では実態との乖離を生じると考え、本人の認識を重視しました。
では、非レス既婚者の夫婦間セックス頻度はどのくらいでしょうか。
調査の結果は、意外に「非レス」と認識している人でも、セックス頻度は少ないというものでした。「月に数回程度」(男性23.0%、女性21.0%)、「年に1回もない」(男性21.5%、女性27.5%)が多くを占めます。「週に1回」以上の頻度で配偶者とセックスをしている既婚者は男性4割、女性3割しかいないのです(男性37.0%、女性30.5%)。
なお、「年に1回もない」と回答した人は、本来セックスレスに当たるでしょう。「認めたくない」「セックスできる関係性にあるがしていないだけ」「挿入以外の性交渉はある」などの理由から「セックスレスではない」と回答したものと推測します。
■非レスの既婚男女:年代別の夫婦間セックス頻度
年代別にみると、非レス夫婦のセックス頻度に違いがあるでしょうか。まずは男性から。
20代男性ですら約4割しか「週1回以上」でセックスしていません。それどころか20代男性の約3割は日本性科学会の定義(1か月以上なし)ではセックスレスに該当します。30代も「週1回以上」は約4割ですが、「ほぼ毎日」「週に数回」の割合が減り、「週に1回程度」が増えていますから、全体の頻度は低下しています。40代になると「週1回以上」は約3割強、50代では3割にまで低下します。
続いて女性の場合は次の通りです。
非レスの20代女性で夫と「週1回以上」セックスしている人は46.0%。30代になると「週1回以上」は32.0%と一気に減ります。40代になると「週1回以上」は26.0%、50代では18.0%しかいません。
一方、日本性科学学会の定義(1か月以上なし)でセックスレスに該当する女性は、30代では34.0%、40代で38.0%、50代では急増し62.0%にもなります。女性は「自分は非レス」と考える人でも年齢を追うごとにセックス頻度が低下するようです。子育てや更年期の影響も大きいでしょう。
この調査結果からは「日本人は、自分はセックスレスじゃない考える人でもあまりセックスしない」ということが分かります。
世界的な避妊具メーカーDurex(デュレックス)社が2008年に公表した調査によると、年間の性交回数は、ギリシャが164回/年で1位、ブラジルが145回/年で2位、ポーランドとロシアが143回/年で3位となり、世界平均は103回/年となりました。しかし日本は48回/年しかなく最下位です(産経新聞記事)。草食化が進んだ2024年現在は、さらにセックス頻度が低下していると思われます。
■非レスの既婚男女:子供の有無による夫婦間セックス頻度
「セックスレスではない」と回答した非レス既婚者ですが、20代・30代でもセックス頻度は高くなく、年齢が上がるにつれてさらに頻度が下がることが分かりました。そこで、年齢以外のもう一つのファクターとして、子供の有無別に比較してみました。
すると、子供のいない非レス夫婦は、「セックス頻度が高い層」「セックス頻度が低い層」の割合が共に、子供のいる非レス夫婦よりも高いことが分かりました。子供がいないために気兼ねなく性生活を送る人がいる一方で、もともと性生活に興味が乏しい人の割合が高い(その結果として子供がいない可能性もあり)ということでしょうか。
なお、子供の有無による違いを年代別にみても、グラフの全体の結果と比べて特筆すべき違いはありませんでしたので、全体のグラフのみ示します。
2 非レス夫婦のセックス満足度は?
非レス既婚者のセックス頻度は高くないことが分かりましたが、どちらかが不満を残すものになっているのでしょうか。また、中身に満足しているのでしょうか。非レスに夫婦間のセックス満足度を尋ねた結果は次の通りですが、極めて満足度が高いことが分かります。6割近くが満足しているようです。
年代別では30代にのみ特徴的な違いが現れました。満足度が約75%とさらに高い一方、男性の不満足度がやや高くなっています。子育て世代・働き盛り世代で頻度が低い影響かもしれません。
3 非レス夫婦は仲が良いって本当?
一般的に「セックスしている夫婦のほうがレス夫婦よりも仲が良い」というイメージがあるでしょう。男女関係でも「心と体は一体」「セックスは大事」と言われます。その実態を探るため、非レスの既婚者に「夫婦仲」を尋ねてみました。
男女とも5割近くが「良い」と回答し、「やや良い」を合わせると、実に7割近くの夫婦が「仲が良い」と回答しています。「やや悪い」と「悪い」の合計は男女とも1割程度です。
このことから、「セックスしている夫婦は仲良し」というイメージが裏付けられる結果となりました。
前回の第6報では「セックスレス夫婦の半数以上は仲が良い」と紹介しましたが、比較すると「非レス夫婦のほうがセックスレス夫婦よりもさらに仲が良い」という結果になりました。全体として夫婦仲は良い人が多い傾向がありながらも、セックス関係のある夫婦のほうが仲が良いということになるでしょう。
上のグラフのセックスレスじゃない夫婦と、下のグラフのセックスレス夫婦の「仲の良さ」を比べると、「良い」との回答の差が目立ちます。また「普通」や「やや悪い」の回答もレス夫婦のほうが優位に高い結果になっています。
「レス」「非レス」と既婚者の「夫婦仲」を男女合計で比較したのが次のグラフです。「非レス夫婦のほうが仲が良い」傾向が一目瞭然でしょう。
4 セックス満足度と夫婦仲のカンケイ
非レス既婚者の「夫婦間セックス満足度」と「夫婦仲」に相関があるかを調べてみました。すると、驚きの結果が……。
普通に考えて、セックス満足度が高ければ夫婦仲が良いでしょうが、ここまで極端な結果が出るとは…!
「夫婦仲が良い」と回答した人では、セックス満足度が高い人が8割以上を占めます。しかも「やや満足」(38.3%)よりも「満足」(45.3%)という力強い回答が、そのうちの半数以上を占めるのです。一方、「不満」「やや不満」は足しても5%程度。「夫婦仲はやや良い」と回答した人も、セックス満足度の高い人が7割以上になりますが、こちらは「おおむね満足」が大半を占めるなど弱めの回答で、「やや良い」と「おおむね満足」が見事に相関します。
この傾向は夫婦仲が良くない人の場合も同様で、「夫婦仲が悪い」と回答した人の7割以上が「セックスに不満足」と回答しています。
この結果をみると、夫婦仲はセックス満足度で決まると言っても過言ではないかもしれません。
5 非レス既婚者の婚外恋愛・不倫・浮気率
2023年6月に行った「婚外恋愛に関する実態調査」の第1報で、既婚者全体の婚外恋愛経験率は22.5%に上り、既婚男性は33.0%、既婚女性は16.1%と報告しました(対象:30~59歳既婚者、2,000人)。
この調査の対象は、レス・非レスを問わない既婚者全体でしたが、非レスの既婚者に限定すると、婚外恋愛・不倫・浮気の経験率はどの程度になるのでしょうか。なお、婚外恋愛・不倫・浮気は厳密な区別が難しいため、一括で質問しました。
結果は、男性の婚外恋愛・不倫・浮気の経験率は17.0%、女性は5.5%と、レス当事者も含んだ既婚者全体での調査結果と比較してかなり低いものになりました。今回の結果から、非レス夫婦は仲が良く、結果、婚外恋愛・不倫・浮気に至りにくいと言って良いでしょう。
ただし、年齢別にみると、男性は20代8%→30代18%→40代16%→50代26%とおおむね増えていくのに対し、女性は20代10%→30代4%→40代6%→50代2%とおおむね低下傾向にあります。
男性の場合は累積もありますが、50代は「男は浮気するもの」というやや昭和的な考え方が残る影響もあるでしょう。50代女性が低いのも「女性は家庭を守るもの」という時代的な考え方の影響もありそうです。一方、20代女性は「性に幻想を抱かない」「性を自由に考える」時代の影響を受け、10%という比較的高い割合になっているのでしょう。
続いて、婚外恋愛・不倫・浮気願望についても調査しましたが、非常に低いものでした。
6 まとめ
今回はセックスレス調査の第7回目の報告になります。日本人のセックスレス化が進んでおり、20代男性の5割以上が童貞、20代女性の4割以上が処女という衝撃の調査結果もあります(産経新聞:【ジャパン】セックス・サーベイ2024の結果についての記事)。セックスレス、草食化どころか、日本人の「絶食化」が進んでいるのです。夫婦のセックスレスについても、6割、7割などの衝撃的な調査結果が公表される一方で、婚外恋愛を走る既婚男女が急増中という現象も生じています。
そんな背景から、今回は「セックスレスじゃない夫婦」の性生活について深掘りをしました。レス当事者との比較は、結婚と性の問題について多くの示唆を与えてくれます。特に「非レス夫婦の7割は仲が良い」「非レス夫婦の65%が配偶者とのセックスに満足している」「仲の良い夫婦ほど、セックス満足度も高い」という結果はインパクトがあり、結婚生活におけるセックスの重要さを考えさせられます。
<過去の報告>
※「既婚者の男女関係に関する調査」のサイトではさらに詳細な結果をご覧いただけます。第6報も近日公開。
⇒第1回「既婚者の7割がレス傾向」はこちら
⇒第2回「新婚の5割がレスほか」はこちら
⇒第3回「長期レスの当事者が多い」はこちら
⇒第4回「レスの原因ときっかけ」はこちら
⇒第5回「レス解消の意欲と性欲」はこちら
⇒第6回「セックスレスだけど仲は良い」はこちら
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◎調査の目的
私どもレゾンデートル株式会社(東京都新宿区)は、「結婚後の新たな生き方」を提案する既婚者向けメディアやネットサービスの展開を行うシステム開発です。現代の夫婦関係のあり方や多様性を把握し、今後のサービス開発に向けた市場動向を探るため、今回の調査を企画しました。
◎調査内容・本リリースに関するお問い合わせ
今回の調査内容やデータの詳細に関するお問い合わせ、報道関係の皆様の取材依頼やお問い合わせは下記までお願い申し上げます。
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レゾンデートル株式会社(https://raisondetre-inc.co.jp/)
〒160-0022 東京都新宿区新宿4-3-15 レイフラット新宿B棟3F
問い合わせアドレス : info@healmate.jp
担当:浦野
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