■レポ－トの種類：グロ－バル市場調査レポ－ト
■日本語タイトル：臨床化学分析装置のグローバル市場（2021-2029）
■英語タイトル：Clinical Chemistry Analyzers - Market Share Analysis, Industry Trends & Statistics, Growth Forecasts 2021 - 2029
■発行元：Mordor Intelligence
■発刊日：2024年2月
■レポ－ト形態：英文PDF（Eメ－ルによる納品）

■主な掲載内容：
臨床化学分析装置の市場規模は2024年に137.3億米ドルと推定、2029年には169.4億米ドルに達すると予測され、予測期間中（2024〜2029年）のCAGRは4.28%で成長する見込みです。
COVID-19の大流行により、医療システムは大きな困難に直面しました。COVID-19パンデミックの間、ほとんどの慢性治療は緊急性がないとみなされたため、ウイルス感染のリスクを減らすためにすべての外来治療は延期または制限されました。しかし、COVID-19感染の出現に伴い、SARS-CoV-2ウイルスに感染した人々に対する大規模な臨床化学検査が実施されました。臨床化学検査は血清学的検査とともに、パンデミック期間中の罹患者の全般的な健康状態のモニタリングに役立ちました。2020年4月にJournal of Clinical Chemistry and Laboratory Medicineに掲載された論文には、IFCCが推奨する緊急時のCOVID-19患者に対するいくつかの臨床化学検査が記載されています。この検査では、検査の解釈に影響を与えうる分析前、分析、分析後の変数も考慮されています。挙げられた臨床化学検査の中には、アルブミン、乳酸脱水素酵素（LD）、アラニンアミノトランスフェラーゼ（ALT）、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ（AST）、総ビリルビンなどがあります。COVID-19の大流行時にこれらの検査の利用が増加したことが、市場の成長に大きな役割を果たしました。しかし、COVID-19の症例が安定していることから、予測期間中に臨床化学分析装置市場はパンデミック前の水準に戻ると予測されています。
臨床化学分析装置市場の成長の主な要因としては、高齢者人口の増加、慢性疾患の有病率の増加、ポイントオブケア検査の重要性と認知度の高まり、臨床化学分析装置の技術的進歩の高まりなどが挙げられます。
臨床化学分析装置は、血液、血漿、尿、脳脊髄液などの検体を分析し、病気や薬物に関連する分析物の存在を検出します。2021年10月に発表されたWHOの高齢化と健康に関する論文によると、2030年までに約6人に1人が60歳以上になるとされています。同資料によると、60歳以上の人口は2020年の10億人から2030年には14億人に達するとのこと。さらに2050年には21億人になると予測されています。このように、増加する高齢者人口はいくつかの慢性疾患にかかりやすく、その結果、臨床検査の需要が高まります。このため、臨床化学分析装置市場は予測期間中に高い成長が見込まれます。
また、世界的な慢性疾患の増加も市場の成長に拍車をかけると予想されます。GLOBOCAN 2020」レポートによると、2020年に世界でがんに罹患する人の総数は約1,929万2,789人でした。この数は、2040年までに28,887,940人にまで増加すると推定されています。また、IDF Diabetes Atlas Tenth Edition 2021によると、2021年には世界中で約5億3,700万人の成人が糖尿病に罹患しており、2030年には6億4,300万人、2045年には7億8,300万人に増加すると予測されています。臨床化学分析装置は、血液、血清、血漿、脳脊髄液など幅広い成分の脂質、電解質、血糖値、その他のプロファイルを測定することで、このような慢性疾患の評価に重要な役割を果たしています。そのため、慢性疾患の増加により臨床化学分析装置の需要が増加し、市場の成長が見込まれます。
さらに、市場参入各社による製品投入も市場の成長を後押ししそうです。例えば、EDAN Instruments社は2022年7月、血液ガスから電解質、CO-オキシメトリまで45以上のパラメータを分析できるPOC蛍光ベースCO-OX血液ガス・化学分析システム「i20」を発売しました。このような製品の発売は、予測期間中の研究市場の成長を促進すると予想されます。
しかし、訓練を受けた有資格の専門家の不足と臨床化学分析装置の高コストが、予測期間中の市場成長の妨げになると予想されます。

臨床化学分析装置の市場動向

製品タイプ別では分析装置が予測期間中に最速の成長を遂げる見込み
予測期間中、最大の市場シェアを占めると予測されるのは分析装置セグメントです。分析装置は、血清や尿などのサンプルを検査する機器です。分析装置の技術的進歩により、分析装置は高い成長を遂げています。自動化は世界中の臨床検査室に浸透しています。医療費削減のため、検査室は収益性を維持するためにも自動化に依存しています。
さらに、2021年9月、Roche Diagnostics Indiaは、インドの多数の検査室や病院に特に適した、よりスマートなシステムを備えたCobas pure統合ソリューション分析装置を発売しました。この分析装置により、スペースを有効活用し、医療価値の高い検査をより多く提供することが可能となり、患者様により大きな利益をもたらします。さらに、EKF Diagnosticsは2022年5月、ポイントオブケア（POC）分析装置と関連データを1つの集中プラットフォームで安全に管理するための新しいEKF Linkデジタル接続ソリューションを発表しました。このように、分析装置の技術的進歩の高まりは、臨床化学分析装置市場における分析装置分野の成長を促進すると予想されます。
したがって、上記の要因から、分析装置セグメントは予測期間中に大きく成長すると予想されます。

予測期間中、北米が大きな市場シェアを占める見込み
北米地域は調査期間中、市場成長に大きく貢献する見込みです。同地域の市場成長に寄与する主な要因としては、慢性疾患の有病率の上昇、医療費の増加、同地域の主要市場プレイヤーによる製品イノベーションなどが挙げられます。
2022年7月に更新された慢性疾患に関するCDCのデータによると、慢性疾患は米国で毎年死亡と身体障害の主な原因となっています。同国における慢性疾患の増加は、北米地域における臨床化学分析装置の成長に拍車をかけています。同地域における対象疾患と慢性疾患の負担の大きさ、早期診断に対する需要の高まりは、北米地域の市場成長を促進するその他の主な要因です。例えば、カナダがん協会の2021年報告書によると、カナダでは2021年に約229,200人のがん患者が新たに診断され、平均して毎日628人のカナダ人ががんと診断されており、今後さらに増加する見込みです。また、同レポートによると、肺がん、乳がん、大腸がん、前立腺がんは、カナダで最も多く診断されているがんの種類です（非黒色腫皮膚がんを除く）。
主要な市場参入企業は、技術的に先進的な新製品を市場に投入しています。例えば、2021年2月、Thermo Fisher ScientificはMindrayと提携し、米国とカナダの顧客に臨床および法医学検査室での薬物スクリーニング用の臨床化学分析装置2機種を提供しました。Thermo Fisher ScientificとMindrayは、米国FDA認可、カナダ保健省認可のBS-480（毎時400テスト）とBA-800M（毎時800テスト）を毒物検査ラボに提供する契約を締結しました。
以上のことから、臨床化学分析装置市場では北米が最大のシェアを占めると予想されます。

臨床化学分析装置産業の概要

臨床化学分析装置市場は様々な企業が存在するため、細分化された市場となっています。市場企業としては、Abbott Laboratories、Danaher Corporation（Beckman Coulter, Inc.）、Elitech Group、F.Hoffmann-La Roche Ltd.、Horiba, Ltd.、Johnson & Johnson、Mindray Medical International Limited、Siemens Healthcare Private Limited、Sysmex Corporation、Thermo Fisher Scientific Inc.などが挙げられます。

その他のメリット
市場予測シート（Excel形式）
3ヶ月間のアナリストサポート

■レポートの詳細内容・販売サイト
https://www.marketresearch.co.jp/MRC2403C055-Clinical-Chemistry-Analyzers-Market-Share/

■調査会社 Mordor Intelligence について
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