■レポ－トの種類：グロ－バル市場調査レポ－ト
■日本語タイトル：バス用パンタグラフ充電器のグローバル市場（2020-2029）
■英語タイトル：Bus Pantograph Charger - Market Share Analysis, Industry Trends & Statistics, Growth Forecasts 2020 - 2029
■発行元：Mordor Intelligence
■発刊日：2024年2月
■レポ－ト形態：英文PDF（Eメ－ルによる納品）

■主な掲載内容：
バス用パンタグラフ充電器市場規模は2024年に27.8億米ドルと推定され、予測期間（2024-2029年）のCAGRは24.65%で成長し、2029年には83.6億米ドルに達する見込みです。
COVID-19は、2020年上半期のバス用パンタグラフ充電器市場に深刻な影響を及ぼしました。さらに、電気バスプロジェクトの遅延やサプライチェーンの混乱が市場の状況を悪化させました。しかし、大半の自動車メーカーとEV充電プロバイダーは、限定的な生産と必要な措置を講じてパンタグラフ式充電器の生産を再開しました。電気バスの販売台数は2020年後半から大きく伸びており、予測期間中も続くと思われます。このため、予測期間中、注目される市場の牽引役となることが予想されます。
中期的には、世界の主要国において、交通機関だけでなく、学童輸送にも電気バスの導入が進んでいることから、パンタグラフ式充電器の需要が増加すると予測されます。さらに、政府投資の拡大と充電インフラ整備への注力は、予測期間中の市場の需要を促進すると予想されます。さらに、各社による充電ステーション市場の新たな展開も成長を後押しすると予想されます。
例えば2021年10月、オーストラリアの大手バスメーカーの一つであるCustom Denning社は、Siemensを選び、Sicharge UC管理ソリューションと充電ステーションを提供しました。現在試験中のこのテクノロジーは、同メーカーの次期電気バスを支援するものです。最大1,000ボルトで動作し、出力範囲は50～600kWです。
さらに、主要企業からの投資や、充電ソリューション・プロバイダーとバス・メーカー間の戦略的協力関係の拡大は、市場で活動する企業に新たな機会を提供すると予想されます。バッテリーのコスト低下により、電気バス充電システムの利用が急増しています。温室効果ガス(GHG)排出削減への取り組みの高まりと、政府による規制の強化は、予測期間中の市場の成長を促進すると思われます。
例えば2022年6月、カナダの太平洋経済開発庁は、ブリティッシュ・コロンビア州の運輸・インフラストラクチャー大臣と共同で、ブリティッシュ・コロンビア州の公共交通サービスを改善するための連邦政府の共同資金による3,120万米ドルの投資計画を発表しました。このアップグレードには、新しいトランジット・インターチェンジの建設とバス車両の電化が含まれます。
北米地域は、同地域の主要国で電気バスの採用が増加していることから、予測期間中に大きな成長が見込まれています。さらに、中国とインドは、政府、交通機関、その他のグリーンビークルを支援するコミュニティや組織からの強い後押しにより、アジア太平洋地域の成長に貢献すると期待されています。

主要ハイライト
2021年3月、デリー政府は市内のバス車両を増やすため、低床電気（AC）バスを新たに300台購入する提案を承認しました。これらのバスはデリー交通公社に受け入れられました。118台のバスの最初のバッチは2021年10月に到着し、11月にはさらに100台が到着する予定でした。すべての納入は2022年1月までに完了する予定でした。

バス用パンタグラフ充電器の市場動向

環境に優しいバスを重視する政府の増加
ディーゼルバスは世界中で広く使用されています。さらに、これらのバスは人口密度の高い都市で主に使用されており、他の汚染物質によって空気の質がすでに悪化しています。そのため、世界各国の政府は、環境に優しい輸送を奨励することを目的としたさまざまな規制や支援政策の策定に力を入れています。
米国のEPAとNHTSAは、2021年から2026年にかけてSAFE（Safer Affordable Fuel-Efficient Vehicles）規則を実施することを提案しました。この規則では、乗用車および商用車の企業平均燃費と温室効果ガス排出量の基準が定められる可能性があります。OEMは、ゼロ・エミッション・ビークル（ZEV）計画のもと、一定数のクリーンなゼロ・エミッション車（電気自動車、ハイブリッド車、燃料電池を搭載した商用車および乗用車）を販売することが義務付けられています。同国のZEV計画は、2030年までに1,200万台のZEV（バスを含む）を走らせることを目標としています。
インド政府は、2030年までに自動車販売台数の30％を電動化する方針です。この戦略の一環として、政府は2022年までのFAME（Faster Adoption and Manufacturing of Hybrid and Electric Vehicles）プログラムの第2段階に14億米ドルを投資すると発表しました。このフェーズでは、7090台の電気バスに補助金を支給することで、インドの公共交通機関と共有交通機関の電化に重点を置いています。これにより、車両運行会社は電気バスに切り替えるようになりました。
さらに、公共交通機関は大気の質を改善することで、自家用車で複数回に分けて移動する必要性を減らし、密集した都市部における都市の持続可能性に貢献します。このような利点があるため、世界各国の政府は持続可能で効率的な公共バス輸送サービスを積極的に推進しており、市場にプラスの勢いが生まれると期待されています。
例えば 2022年11月、ロンドンのバス運行会社Metrolineは、都市間輸送用に39台の電気2階建てバスを購入すると発表しました。これらのバスを調達したのは、北アイルランドのバス・メーカー、Wrightbius社です。これら39台のバスは、ロンドンのブレント、イーリング、ハロー、バーネットの各自治区と、ロンドン北部のハートフォードシャーのワトフォードを297番線と142番線で走行する予定です。バスの充電能力は、CCSで最大300kW、パンタグラフで最大420kWです。
2022年3月、イタリアのカリアリで最先端の電気バス・コンセプトが発表され、バスメーカーのRampiniが受注した7台のうちの最初の1台を納入しました。納入されたのは、パンタグラフを備えた6メートルのバッテリー電気バス6台。欧州のバスにおけるこの新技術は確認されており、中期的に大きな関心を呼んでいます。

北米が最も急成長する見通し
予測期間中、北米は市場の成長において重要な役割を果たすと予想されます。さらに、米国は、いくつかの政府の取り組みと国全体で電気スクールバスの人気が高まっているため、同地域の成長に大きく貢献する可能性が高いです。北米地域全体の電気バスの需要は、政府や自治体などの採用の増加によってサポートされると予想されます。
例えば2021年6月、ニューヨーク電力公社（NYPA）は、市の電気バス車両を充電するため、市内のさまざまなステーションに67台のパンタグラフ充電器を設置する3000万米ドルの契約が完了したと発表しました。
2021年3月、メリーランド州のモンゴメリー郡公立学校は、Highland Electric Transportation社との契約を承認しました。この契約に基づき、Highland Electric Transportation社とそのパートナーであるThomas Built Buses社、Proterra社、American Bus社は、モンゴメリー郡公立学校区に属する5つのバス発着所すべてを電気化し、電気バスと充電インフラを供給する予定です。
さらに、電動モビリティへの移行が進む中、カナダ政府も国全体でネット・ゼロ・エミッションの交通産業の構築に取り組んでいます。例えば2021年3月、インフラ・コミュニティ省とイノベーション・科学・産業省は、ゼロ・エミッションの公共交通機関やスクールバスの購入資金を含め、公共交通システムを改善し、よりクリーンな電力に移行するため、2021年から5年間で27億5000万カナダドル（～20億2000万米ドル）の資金提供を発表しました。
北米地域におけるこのような活発な成長は、いくつかの主要企業や電気バスインフラプロジェクトのプレーヤーがパンタグラフを採用することを奨励しているため、予測期間にわたってバス用パンタグラフ充電器の需要を促進しています。例えば 2022年3月、ABBは、米国最大の充電器の配備でセントルイスの新しい電気バス車両にサービスを提供すると発表しました。ABBの逐次充電システムは、150kWの電力を持つ20台のプラグイン・デポ充電器と3台の追加パンタグラフ充電器で構成されています。
したがって、上記の開発および事例に基づいて、予測期間中、北米地域は他の地域と比較して最も速い成長を遂げる可能性が高いと推定されます。

バス用パンタグラフ充電器の産業概要

バス用パンタグラフ充電器市場の主要プレーヤーには、ABB Ltd.、Wabtec Corporation、Schunk Transit Systems GmBH、BYDなどがあります。バスのパンタグラフ充電器市場は適度に統合されており、いくつかのグローバルおよび地域のプレーヤーが占めています。製品革新、合弁事業、中小企業の買収、製品の発売は、主要企業が展開する主要な戦略です。さらに、世界中の様々な政府によるイニシアチブも市場の成長を支えています。例えば2022年6月、カナダ・インフラストラクチャー銀行とダラム地域自治体との間で覚書が締結され、CIBがダラム・リージョン・トランジット（DRT）の購入注文を支援するために最大5,310万米ドルを投資することが締結されました。輸送車両の電化イニシアチブは、今後25年間の地域の気候変動公約を達成するための重要なステップです。
2021年12月、ベルリン交通局（BVG）の監査役会は、さらに90台の電気バスの購入を承認しました。車両は全長12メートルのバッテリー単機で、車両基地で充電されるため、今後数年間で全国で使用されるパンタグラフ充電システムの需要が高まります。
上記の電気バスの開発は、電気バス用の充電ステーションの要件をさらに高める可能性があります。これらの戦略とは別に、バス用パンタグラフ充電器は、市場での地位を強化するために、主要なバスメーカーや充電ステーションプロバイダーと供給契約を締結しています。例えば2022年12月、Solaris Bus & Coach Sp. z o.o.は、35台のSolaris Urbino 12電気バスをラトビアの運行会社Rgas Satiksmeに供給することに合意しました。これらのバスには、容量140 kWhのSolaris製ハイエナジーバッテリーが搭載され、プラグインコネクターと反転パンタグラフで充電される予定です。このバスには、ゼロエミッションバス車両を管理するためのeSConnectシステムも搭載されます。Solarisの専門家が作成したこのソフトウェアは、車両データにリアルタイムでアクセスできるほか、不具合が発生した場合はその都度特定することができます。

その他のメリット
エクセル形式の市場予測シート
3ヶ月間のアナリストサポート

■レポートの詳細内容・販売サイト
https://www.marketresearch.co.jp/MRC2403C003-Bus-Pantograph-Charger-Market-Share/

■調査会社 Mordor Intelligence について
https://www.marketresearch.co.jp/Mordor-Intelligence/

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