■レポ－トの種類：グロ－バル市場調査レポ－ト
■日本語タイトル：認知症治療薬のグローバル市場（2021-2029）
■英語タイトル：Dementia Drugs - Market Share Analysis, Industry Trends & Statistics, Growth Forecasts 2021 - 2029
■発行元：Mordor Intelligence
■発刊日：2024年2月
■レポ－ト形態：英文PDF（Eメ－ルによる納品）

■主な掲載内容：
認知症治療薬の市場規模は、2024年に164.4億米ドルと推定され、予測期間（2024〜2029年）にCAGR 6.20%で成長して2029年には222.1億米ドルに達すると予測しています。
COVID-19パンデミックの発生は認知症治療薬市場に大きな影響を与えました。一部の国では、認知症患者への薬物療法の提供に大きな支障が生じました。2021年10月にAlzheimer's and Dementia誌に掲載された調査によると、月間販売量の68.6％が前年比で増加しました。封鎖が始まった2020年3月には、欧米34カ国で消費量が82.3％増加しました。販売量はパンデミック前の期間に増加し、最も顕著な急増は3月に起こりました。パンデミック期間中、4月と5月の使用量は減少しましたが、6月には増加しました。したがって、COVID-19は市場の成長に大きな影響を与えました。しかし、規制が解除されて以来、産業は順調に回復しています。過去2年間、市場の回復を牽引してきたのは、認知症の高い有病率と新製品の発売です。
市場成長を後押ししている要因は、対象疾患の有病率の増加、新しく革新的な技術や医薬品の導入、認知症に対する政府の資金援助や啓発プログラムの増加です。世界保健機関（WHO）によると、2022年9月には世界で約5500万人が認知症に罹患しており、その60％以上が中低所得国に居住しています。実質的にすべての国で65歳以上の人口の割合が増加しているため、この数字は2030年には7,800万人、2050年には1億3,900万人になると予測されています。このように、世界的に認知症の有病率が高まっていることが、市場の成長を後押しすると予想されます。
政府の資金援助や啓発プログラムの増加が、市場の成長を促す主な要因です。例えば、2022年2月の最新情報によると、カナダ公衆衛生局から認知症に対する認識を高め、認知症を含むコミュニティを促進するための資金提供を受ける15のプロジェクトの中に、マギル大学の認知症教育プログラムによる新たな取り組みが含まれています。さらに、2021年10月、インドのケララ州政府は、認知症にやさしい地区プログラム "Udbodh "を開始しました。このプログラムは、コーチン科学技術大学の神経科学部門、エルナクラム地区行政、高知市公社と協力して実施されました。さらに、2021年1月には、欧州を代表するライフサイエンス投資家であるLSPが、神経変性疾患対策に特化した基金「LSP認知症基金」を立ち上げました。このような取り組みは認知症の認知度を高め、ひいては医薬品や治療法の普及につながり、市場の成長に貢献します。
さらに、2021年8月、米国国立衛生研究所（NIH）は、薬物誘発性認知症を調査し、アルツハイマー病研究を推進する新しいモデルを開発するため、Tabula Rasa HealthCare Inc.とHesperos Inc.に190万米ドルの資金を授与しました。このような公的機関からの支援も市場の成長に寄与しています。
このように、市場は予測期間中に成長が見込まれます。ただし、承認段階での薬剤の失敗率が高いことが、予測期間中の市場成長の妨げになると予想されます。

認知症治療薬市場動向

アルツハイマー病領域が大きな市場シェアを占め、予測期間中も同様の状況が続く見通し
アルツハイマー型認知症治療薬市場は、アルツハイマー型認知症に対する負担の増加やアルツハイマー型認知症治療薬の研究開発の進展などの要因により、予測期間中も大きな市場シェアを維持する見込みです。
アルツハイマー病患者のための効果的な治療薬を開発するための研究開発活動に対する企業の重点的な取り組みが増加していることが、予測期間中の同分野の成長を促進する見込みです。例えば、アルツハイマー病協会（Alzheimer's Association）の2021年報告書によると、米国食品医薬品局（FDA）は、アルツハイマー病の治療薬として、リバスチグミン、ガランタミン、ドネペジル、メマンチン、メマンチンとドネペジルの組み合わせの5剤を承認しました。同じ情報源によると、アルツハイマー型認知症を発症する人の大多数は65歳以上です。これは晩発性アルツハイマー病と呼ばれています。米国では、65歳から74歳のほぼ5.3%、75歳から84歳の13.8%、85歳以上の34.6%がアルツハイマー型認知症です。さらに、2021年には65歳以上のアメリカ人のうち620万人がアルツハイマー型認知症を患っていると推定され、2050年には1350万人に達すると予測されています。このような高い有病率は、今後数年間、患者集団の間で認知症治療薬の需要を高めると予想されています。
さらに、複数の市場プレーヤーが戦略的な開発に取り組んでおり、市場の成長に貢献しています。例えば、2021年6月、米国食品医薬品局はアルツハイマー病の治療薬としてAduhelm（aducanumab）を承認しました。
このように、アルツハイマー病の負担の増大と相まって、上記の開発により、このセグメントは予測期間中に大きな成長を目撃することが期待されています。

欧州地域が市場の主要シェアを占めており、予測期間中も同様の状況が続く見込み
欧州地域は、英国やドイツのような国々における神経疾患の負担増加、この産業で事業を展開する市場参入企業による戦略的開発の成長、政府のイニシアチブの増加などの要因により、予測期間を通じて主要な市場シェアを維持すると予想されます。
英国政府による2022年2月の更新によると、2020年の英国における認知症およびアルツハイマー病の推定診断率は62.4%であり、この数字は国内の患者数が増加していることを示しています。
さらに、2021年国家認知症戦略によると、ドイツでは2020年に160万人が認知症を患っています。同出典によると、認知症は25世帯に1人が罹患しており、その数は2050年までに推定280万人に増加すると予想されています。このように、欧州人口の認知症罹患率の増加は、欧州地域における認知症治療薬の需要を促進し、市場の成長に貢献すると考えられます。
さらに、ドイツ政府によるイニシアチブの増加も市場の成長に寄与しています。例えば、2020年7月に採択された国家認知症戦略により、ドイツ政府は認知症患者の生活環境を持続的に改善し、将来に向けて持続可能な構造を構築するためのイニシアチブを取っています。このような動きは、認知症に関連する研究開発活動を促進し、同国における認知症治療薬の開発をさらに後押しし、市場成長に貢献すると期待されています。
さらに、2021年2月には、Exscientia社がAlzheimer's Research United Kingdom University of Oxford Drug Discovery Institute（ARUK-ODDI）と提携し、アルツハイマー病治療のための神経炎症を標的とした医薬品を開発しました。企業活動の活発化や提携・協力などの事業戦略の採用は、認知症治療薬の需要を増加させ、同地域の市場成長を後押しすると予想されます。
このように、同市場は上記の要因により、予測期間中に大きな成長を遂げることが期待されます。

認知症治療薬市場概要

認知症治療薬市場は適度な競争があり、ローカルプレイヤーとグローバルプレイヤーで構成されています。主要企業は、新製品開発、提携、M&Aなどの戦略的提携に投資し、市場での地位を高めています。市場の主要企業として、Apotex Inc.、AstraZeneca、Aurobindo Pharma、Eisai Co., Ltd.、Eli Lilly and Company、Johnson & Johnson、Pfizer Inc.、Teva Pharmaceuticals、Zydus Cadilaなどがあります。

その他のメリット
エクセル形式の市場予測シート
3ヶ月間のアナリストサポート

■レポートの詳細内容・販売サイト
https://www.marketresearch.co.jp/MRC2403C109-Dementia-Drugs-Market-Share-Analysis/

■調査会社 Mordor Intelligence について
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