国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED) 令和6年度「革新的がん医療実用化研究事業」への採択のお知らせ
株式会社ペルセウスプロテオミクス、株式会社特殊免疫研究所が参画し東京慈恵会医科大学生化学講座の山田幸司准教授が研究代表者を務める研究テーマが、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(以下「AMED」)が公募した「革新的がん医療実用化研究事業」に採択されました。
- 採択された課題名
「新規肝がん本態機構に基づく早期肝がんに対する高性能診断法の臨床開発」 - 研究代表者
東京慈恵会医科大学 生化学講座 准教授 山田幸司 - 課題の概要・目的
本研究は、血中に存在するプロテインキナーゼCデルタ(PKCδ)に着目した研究であり、肝臓がん(肝がん)を早期発見する体外診断用医薬品の開発を目的とします。PKCδは従来、細胞内にのみ発現すると考えられていましたが、肝がん細胞からは細胞外にも分泌されるという、新たに見出された分泌メカニズムに基づき、世界初のバイオマーカーとして研究開発を進めています。これまでに、血中PKCδが、健常者や慢性肝炎・肝硬変患者に比べて肝がん患者において高値で検出されることが判明しております(Yamada et al., Cancer Research, 2021, 81:414-425)。血中PKCδを新しいバイオマーカーとして利用することで、将来的には血液検査による肝がんの早期発見や早期診断率の向上、さらに予後改善が期待されます。
肝がんは、再発率が極めて高く、2019年のがんによる死因では世界で2番目、日本でも5番目に多い難治性がんです。現在の腫瘍マーカー検査の感度が低いことが、がんの見逃しと早期発見を困難にしています。さらに、今後患者数の増加が懸念される生活習慣病を背景とする肝がんは現腫瘍マーカー検査では陰性になりやすいことも問題になっています。
この問題を解決するため、PKCδを含むバイオマーカー研究に対する最先端の知見と肝疾患の臨床的知見を有する東京慈恵会医科大学、診断・治療用の抗体作製技術を有する株式会社ペルセウスプロテオミクス及び体外診断用医薬品の開発、製造販売に実績を有する株式会社特殊免疫研究所は、血中のPKCδを特異的に検出する最適な診断方法を確立し、実用化レベルの高感度検査キットを開発することを目的として、本共同研究を実施しております。今後、血中PKCδ測定の臨床的意義の検証及びバイオマーカーの実用化を目指します。
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