【おとり物件でタイパが低下】都内82%の人がおとり物件に遭遇。その後の物件紹介率、売買で24%|いえらぶ調査
不動産業界のDXに取り組む株式会社いえらぶGROUP(本社:東京都新宿区、代表:岩名泰介、以下「いえらぶGROUP」)は、不動産会社およびエンドユーザー1,554名に対し実施した「おとり物件に関する調査」の結果を発表します。
■調査サマリー
- エンドユーザーの91.7%が「おとり物件で住まい探しのタイパが下がる」と回答。都内で住まい探しをする人の81.7%がおとり物件に遭遇
- 問い合わせた物件が契約済みの場合、同じ店舗で住まい探しをするエンドユーザーは賃貸41.3%、売買24.0%
- 売買仲介会社の90%以上が物件確認に電話を使用!不動産業者専用サイトの普及率も賃貸の7割にとどまる
■調査の背景
故意・過失問わず「入居者募集の広告が掲載されているが、実際には契約できない物件」をおとり物件(および、おとり広告)と呼びます。インターネットが普及する前から問題となっており、1980年には消費者庁により「不動産のおとり広告に関する表示」(※1)が施行されました。近年も2019年の「おとり広告の禁止に関する注意喚起等」、2022年9月の「不動産の公正競争規約」(※2)と、たび重なる制度改正による対策が講じられています。
時間をかけてポータルサイトで選んだ物件が元々契約できない物件だった場合、エンドユーザーの顧客体験が悪くなるだけでなく、不動産仲介会社のイメージ低下につながることもあり、両者にとっての機会損失になります。
いえらぶGROUPでは、新生活のための住まい探しが始まるシーズンに合わせて、業界全体の課題意識と実状を明らかにするために不動産会社・エンドユーザーを対象に実態調査を実施しました。
1. エンドユーザーの91.7%が「おとり物件で住まい探しのタイパが下がる」と回答。都内で住まい探しをする人の81.7%がおとり物件に遭遇
「おとり物件で住まい探しのタイパが下がると思いますか?」という質問に対して、「思う」「どちらかと言えば思う」と回答した人は91.7%でした。
2年以内に引っ越しをした/する予定のエンドユーザーのうち、67.2%が「ポータルサイトに掲載されている物件に問い合わせて『契約済み』と言われたことがある」と回答しています。特に、都内在住に限ると81.7%の人が「ある」と回答しており、おとり物件の問題が未解決であると分かります。
2. 問い合わせた物件が契約済みの場合、同じ店舗で住まい探しをするエンドユーザーは賃貸41.3%、売買24.0%
「契約済みと言われた場合、同じ店舗で別の物件を紹介してもらいますか?」という問いに「はい」と回答したエンドユーザーの割合は、「賃貸のために探すとき」で41.3%、「購入のために探すとき」で24.0%でした。
特に繁忙期には賃貸物件の申込みが重なることも多いため、契約済みの物件に出会うことを割り切っているエンドユーザーが一定数存在しています。
しかし購入の場合、同じ店舗で物件を紹介してもらう割合は24.0%と、賃貸の場合の41.3%と比べて低く、問い合わせから物件紹介につながる割合が下がっています。
特に都内在住者に限ると紹介してもらう割合は18.5%であり、紹介してもらわない人の割合20.0%を下回りました。
3. 売買仲介会社の90%以上が物件確認に電話を使用!不動産業者専用サイトの普及率も賃貸の7割にとどまる
物件の取引状態を確認する作業を「物件確認」と呼びます。物件確認のタイムラグが、意図しないおとり物件の発生につながることもあり、不動産仲介業務において重要な作業の一つです。
賃貸、売買を問わず最も多く使われる物件確認のツールは「電話」であり、特に売買仲介会社の90.8%が電話を使用しています。しかし、物件確認のための電話は売り手・買い手(貸し手・借り手)双方の不動産会社の手間になります。
また、オンラインで物件確認が手間なくできるITサービスも存在します。その一つが不動産業者専用サイトです。しかし、専用サイトで物件確認する売買仲介会社は58.7%であり、賃貸仲介会社の83.3%を大きく下回りました。売買仲介会社は、賃貸仲介会社と比べて、業務のデジタル化が遅れています。
オンラインで物件確認をしたいですか?という質問に対しては、賃貸仲介会社の87.5%、売買仲介会社の89.9%が「したい」または「どちらかといえばしたい」と回答しています。加えて、「おとり物件の掲載は避けたいですか?」という問いに対して、97.3%の不動産会社は「避けたい」「どちらかと言えば避けたい」と回答しました。
不動産会社もおとり物件に対して問題意識があり、どうにかしたいと考えているものの、人材不足・業務過多・予算不足などの課題があり、十分な対策ができていません。今後、オンラインサービスの活用などによるおとり物件の一掃が期待されます。
■いえらぶGROUP 常務取締役 庭山健一 コメント
このたびのアンケートでは、おとり物件によりエンドユーザーの快適な住まい探しが妨げられていることが分かりました。そして、不動産会社様も「避けたいのに避けられていないおとり物件」があり、問い合わせから物件紹介につながる確率が下がっています。これは不動産業界、そして不動産会社様にとってのIT部門たるわれわれの課題でもあります。
当社では売買版「業者間サイト」といったオンライン物件確認サービスにより、不動産業界のおとり物件撲滅に向け、まい進しております。
今後とも全ての人に快適な住まい探しを提供できるよう、不動産会社様と足並みをそろえ、業界全体に貢献してまいります。
■調査概要
調査期間:2024年2月2日(金)~2月12日(月)
調査機関:自社調査
調査対象:【不動産会社】「いえらぶCLOUD」を利用している不動産会社の従業員など、【エンドユーザー】「いえらぶポータル」利用ユーザーや当社SNSフォロワーなど
有効回答:【不動産会社】370名、【エンドユーザー】1,184名
調査手法:インターネット調査
詳細データ:https://ielove-cloud.jp/blog/entry-04764/
▽本リリースに関する問い合わせ
https://ielove-cloud.jp/news/entry-756#mail
■売買版「業者間サイト」について
売り手業者と買い手業者とのやり取りをオンライン化し、リアルタイムで募集状況・居住状況・工事の進捗を共有できる会員制サイトです。売り手業者は、買い手業者のアカウント管理、業者・物件ごとの閲覧数・内見数などの集計・分析も可能です。また、販売終了時には自動でメールが送付されるので、おとり物件の掲載を防げます。
買い手業者はオンラインで広告掲載申請・内見予約・物件資料のダウンロードができ、FAXや電話といったアナログな問い合わせが不要になります。
当サービスは、2023年11月にマンション買取再販No.1の株式会社レジデンシャル不動産様にも導入いただきました(※3)。
サービスサイト:https://ielove-cloud.jp/service/leasing-sale/
■いえらぶGROUPについて
いえらぶGROUPは「ITの力を使って不動産会社の業務を効率化する」「誰もが快適に住まいを探せる環境をつくる」を使命に、2008年に誕生した不動産テック企業です。不動産業界向けバーティカルSaaS「いえらぶCLOUD」「いえらぶBB」は全国25,000社以上で利用されています。
SaaSの提供だけでなく、グループ各社を通じてSNSマーケティングや賃貸管理業務・駐車場運営管理の代行など、幅広く不動産業界を支援しています。また、利益相反の観点からも、宅地建物取引業者の登録・不動産取引業に参入する予定はございません。
会社名:株式会社いえらぶGROUP
代表者:岩名泰介
設立 :2008年1月
資本金:3,825万円
所在地:東京都新宿区西新宿 2-6-1 新宿住友ビル24F
コーポレートサイト:https://www.ielove-group.jp/
不動産事業者向けサービス紹介サイト:https://ielove-cloud.jp/
※1【消費者庁】「不動産のおとり広告に関する表示」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/public_notice/pdf/100121premiums_18.pdf
※2【公取協連合】「おとり広告」の規制概要及びインターネット広告の留意事項(おとり広告ガイドライン)
https://www.rftc.jp/webkanri/kanri/wp-content/uploads/2019/11/20191106-otori-guideline.pdf
※3【PRTIMES】マンション買取再販No.1のレジデンシャル不動産が売買仲介会社様向け専用サイトを公開!売買物件の問合せ対応をオンライン化|いえらぶGROUP
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000403.000008550.html
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