ログポース、「物流2024年問題ソリューション調査」を実施。 2024年の輸送力14%不足を『共同配送』と『指定時間緩和』で解消可能、 最大18%の輸送力の改善効果があることが明らかに。

株式会社Logpose Technologies

2023.12.15 10:00

株式会社Logpose Technologies(本社:東京都渋谷区、代表取締役CEO:羽室行光、以下「ログポース」)は、AI自動配車アシスタント「LOG」ユーザーを対象にした「物流2024年問題ソリューション調査」を実施しました。この調査では、共同配送の導入による物流2024年問題への影響と効果をシミュレーションを通じて探りました。その結果、2024年問題により予測される輸送力の14%の不足を、共同配送の導入と輸送時間の調整によって解消し、輸送力を18%確保できることが明らかになりました。

 

  実施背景 

2024年4月の法改正に伴い、トラックドライバーの労働時間が短縮されることにより生じる「物流2024年問題」が注目されています。現在のところ、ドライバーの労働生産性と人手不足が従来の論点となっていますが、この問題の最も効果的な解決策はトラック運送の輸送力の改善、つまり荷物に対して最小のトラック台数で運ぶことが重要となります。しかし、現在のトラック運送の平均積載率はわずか38%にとどまっており、「トラックが運んでいるのは空気が6割」とも呼ばれる極めて非効率な状況です。政府が提示した「物流革新に向けた政策パッケージ」においても、輸送力(平均積載率)の改善はインパクトが最も高い施策として認識されています。

共同配送は、複数の事業者がトラックを共有して荷物を運ぶ方法で、物流効率を高めるソリューションです。しかし、共同配送の定量的な効果に関するデータは不足しており、このことが運送会社や荷主の積極的な取り組みを妨げる要因になっていると私たちは考えました。これらの背景から、ログポースが自社で保有する豊富な配送データを活用し、業界全体の課題解決と効率化に貢献するために、今回の調査を実施することにしました。

 

  調査サマリ 

(1)共同配送により、輸送力は11%改善が見込める

(2)共同配送に加えて指定時間を1時間緩和することで、輸送力は最大18%改善が見込める

(3)共同配送を実施する可能性がある地点は、全体の約40%にのぼることが明らかに

※ログポース調べ

 

  調査概要 

・調査名 :物流2024年問題に対する共同配送効果のシミュレーション分析

・調査時期:2023年11月

・調査対象:主に関東エリア、東海エリアを中心に活動しているLOGの利用ユーザー15社

・調査方法:LOGに蓄積される配車データをもとに分析

 

 

  調査結果 

 

(1)共同配送により、トラックの積載率(輸送力)は11%改善が見込める

 

AI自動配車アシスタント「LOG」に記録された実際の配送データをもとに、共同配送のシミュレーションを行いました。その結果、個別に配送した場合と比較して共同配送を実施することで積載率が11%向上することが判明しました。2024年の問題により、輸送力が14%不足すると予測されていますが、共同配送の実施によって不足分の約80%を補う可能性が示唆されています。

 

 

(2)荷主の指定時間の緩和により、最大18%輸送力向上・CO2排出量の削減・走行距離の短縮を同時に実現。輸送力懸念の解消だけでなく、運送業界の各種コストの削減や脱炭素社会への貢献も期待できる

 

2つ目の調査では、AI自動配車アシスタント「LOG」に記録された実際の配送データを基に、共同配送に加えて納品時間の制約を1時間緩和した場合のシミュレーションを行いました。このシミュレーションの結果、納品時間の緩和によりトラックの台数を18%削減できることが分かりました。これにより、2024年の問題で予測されている輸送力の14%の不足に対して、「共同配送」と「納品時間の緩和」の両方を導入し推進することで、輸送力不足の問題を解決できる可能性が定量的に明らかになりました。

 

 

 

 

(3)全体の約40%の地点が、共同配送実施の可能性あり

 

関東・東海間を配送する約1600万の積降地のペアを分析した結果、全体の約40%が共同配送できる可能性があることが明らかになりました。現在は、企業間の競合関係や荷物が規格化がされていない点、企業ごとに利用する物流システムが異なる点で共同配送の推進が阻まれていますが、これらの課題が解消されれば、共同配送の導入・提供は加速し、業界全体の物流効率が大幅に向上することが期待されます。

 

<(3)データ分析条件>

・主に関東エリア、東海エリアを中心に活動している企業から類似の業種業界の企業15社を抜粋

・積地数117地点、降地数4,248地点

・二地点間の距離が3km以内の降地を共同配送可能エリアとして定義

 

 

  ログポース代表取締役CEO 羽室コメント 

 

共同配送は、効率的な物流を実現するための有効な手法です。
しかし、その有用性にもかかわらず、その普及はまだ十分ではないと感じております。共同配送の難しさは、企業間の情報共有、荷物の規格化不足、異なる物流システムが生む複雑なオペレーション、複雑な条件を考慮した効率的な配送計画作成などが挙げられます。
これらの課題が存在する一方で、技術の進歩と2024年を前にした業界関係者の考え方の変化により、共同配送は今後加速度的に増加する可能性があります。

 

当社は、独自開発したAI「LOG」を活用して、これらの課題を解決し、共同配送の推進を図りたいと考えています。LOGはこれまで一般的に使用されていた数理最適化をベースにしたアプローチとは異なり、ヒューリスティックxAI(※3)という柔軟な作りが特徴で、共同配送で必要とされる非常に複雑な条件を考慮した最適な計画を瞬時に作成できます。この技術で、共同配送を提供する企業のオペレーションの効率化に貢献しつつ、我々自身が、この技術を持って旗振り役として共同配送を進めることで2024年以降の輸送力不足の解決に貢献したいと考えております。

※3 ヒューリスティックとは必ずしも正しい答えを導けるとは限らないが、ある程度のレベルで正解に近い解を得ることができる方法であり、柔軟である一方で実装の難しさと精度に課題をもつ。この技術をAIと組み合わせることで現場で活用できるレベルに仕上げられる。

 

  今後の展開 

今後の取り組みとして、ログポースは二つの主要な価値提供を目指しています。第一に、自動配車システムの普及を図ることで、より多くの企業が最適な配送方法を実現できるようにします。第二に、共同配送を促進するプラットフォームを確立し、業界全体の最適化を推進する役割を担います。これらの取り組みを通じて、物流業界の効率化とサステナビリティの向上に貢献することを目指します。

 

 

  自動配車システム「LOG」について 

「AI配車アシスタントLOG」は、「どの地点にある、どの車両を使って、誰が、どういう順番で運ぶと効率的に荷物を運べるか」を瞬時にAIが計算することで、限られた車両・ドライバーのリソースを最適化することができる、運送業界向けSaaSです。

汎用的なAI・最適化技術により、2021年12月にサービスをリリースして以降、ファーストマイル・ミドルマイル・ラストワンマイルに従事している運送企業様、卸・3PL事業者様など、幅広いお客様にご利用いただいております。

サービスURL:https://logpose.co.jp/log/

サービス事例:山岸運送様LOG導入事例 / 株式会社ホーコー様LOG導入事例

 

 

【 共同配送に特化したノンアセット型3PL「LOG-3PL」先行募集開始 】

自動配車システムで培ったノウハウと、SaaSの提供で構築した運送ネットワークを活かしてノンアセット型3PL事業を2024年2月より開始予定です。先行してご相談を希望される荷主企業様、パートナーに参画を希望される運送事業者様を本日より募集開始いたします。是非下記リンクよりご応募ください。

https://log-3pl.logpose.co.jp/

 

 

  会社概要 

 会社名:株式会社 Logpose Technologies

 所在地:東京都渋谷区道玄坂1丁目12−1 渋谷マークシティW22F

 代表取締役CEO:羽室行光

 事業内容:物流向けソフトウェアの開発・販売  

    URL:https://logpose.co.jp

 

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種類
調査レポート

カテゴリ
交通・物流

サブカテゴリ
システム・通信
エネルギー・環境