ナリス化粧品 バラの棘・茎から美肌成分を開発

株式会社ナリス化粧品

2022.04.01 12:00

活性酸素の肌への傷害性に着目、原因となる活性酸素種に関する包括的研究。自社バラ園で栽培したバラの廃棄部位を有効活用

株式会社ナリス化粧品(本社:大阪市福島区 代表取締役社長:村岡弘義)は、宮城県に自社バラ園を持ち、過去20年以上に渡り、化粧品のオリジナル成分の開発を行っています。バラの花弁(花びら)から抽出した成分は、これまでに8種に上り、主にエイジング化粧品に配合してきました。今回、花弁以外の従来は廃棄していたバラの部位である棘・茎から、活性酸素を消去する成分を新しく見いだしましたので報告します。

悪玉活性酸素と呼ばれる「ヒドロキシラジカル」に着目

当社は、従来から、人の細胞の老化を進めると言われている活性酸素を消去する研究について、20年以上の研究実績があります。

従来は、活性酸素の中でも、「スーパーオキシド」や、「過酸化素」など、生体内で多く存在する活性酸素へのアプローチを主に研究してきました。今回は、生体内で少ないとされつつも、悪影響が高いと考えられ、人の体内で消去するシステムが存在しない活性酸素である「ヒドロキシルラジカル」について対応できる成分の研究を行いました。ヒアルロン酸は肌の保湿にとって不可欠な構成成分ですが、活性酸素によって断片化することがわかっています。ヒドロキシルラジカルは、過酸化水素や、スーパーオキシドに比べて断片化率が高いことがわかりました。また、肌の弾力をつかさどるエラスチンについてもヒドロキシルラジカルによって、沈着が認められました。

バラの要らないものの代名詞、棘から美肌成分を発見

本来は、その美しさを人に見せることや、芳しい香りで人の気持ちを豊かにすることが一般的なバラの役割です。当社のバラ園で栽培しているバラは、その美しい姿を見せることなく、バラの成分や、ローズウォータ―として、化粧品に生まれ変わります。これまでは、主にバラの花弁から成分を抽出してきましたが、花弁以外の従来、廃棄してきた部位を有効活用できないかと研究を進めました。花弁・子房・葉・茎・棘を調べた結果、棘に最もヒドロキシルラジカルなどの活性酸素を消去する能力があることがわかりました。今回バラ園のバラの中でも最も棘の多い茎をもつバラから、オリジナル成分を抽出し、今後の化粧品開発に搭載していく予定です。

今後の展望

普段は、大阪の本社で研究開発に携わっていますが、コロナ禍の現状は、バラ園に足を運ぶ回数が減りましたが、現地の栽培課の社員とWEB会議を密に重ね、一緒に、バラをより生かすための研究を行っています。バラの棘は悪者扱いされることも多いですが、若いうちに棘を除くとバラの成長が妨げられるともいわれており、秘めたパワーを持ち合わせていると考えていました。今後も、棘以外の部位やその他の品種のバラからも有効な成分を見いだし、せっかく咲いてくれたバラを余すことなく使用していける研究を続けたいと考えます。

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