ワイン本、世界三大貴腐・トカイワインの秘密を解き明かした「『ワインの国・ハンガリー』の理由」を出版しました
副題は「フランスより200年早くAOCを導入した国」。1737年の国王令などに触れてその歴史を深堀りしています
19世紀、フランス、イタリアに次ぐ世界三大ワイン産地だったハンガリーは、原産地呼称制度などを盛り込んだフランスのAOCと同様の制度を、フランスより200年早く制度化しました。その理由はルイ14世をはじめとした貴族らから絶大な人気を集め、偽造品が出回ったからです。その歴史を1737年の国王令などに触れながら、解き明かします。
ハンガリー北東部のトカイ地方は、世界三大貴腐ワイン・トカイワインの産地であるだけでなく、蜜そのものと言いたくなる貴腐ワイン発祥の地でもあります。フランスの太陽王・ルイ14世が「王のワインにして、ワインの王なり」と絶賛したことは知られていますが、ロシアのピョートル大帝ら当時の君主らが競うように買い求めたことまではあまり知られていません。1737年ごろには原産地呼称制度やワイン造りのルール、畑の格付けが行われ、その背景に大量に出回った偽造があったことに至っては、日本ではまず発信されていません。
「『ワインの国・ハンガリー』の理由」はこれら日本で知られていないトカイワインをめぐる情報を現地の写真なども盛り込んで紹介しています。第一章では、トカイ(貴腐)ワインとはどのようなワインなのかを、カラー写真を使いながら説明します。
上は、貴腐菌によって灰色かび病にかかったイチゴです。貴腐菌は世界中にある常在菌で、日本でも農作物をダメにする厄介な菌です。しかし、特定の気象条件によって上のブドウの写真のようにしぼんだ状態になります。このしぼんだブドウを貴腐ブドウといい、蜜の香りと蜜の味わいをもたらします。
貴腐ブドウをもたらす特別な気象条件をもたらすのが、トカイの中心部で交わる2つの川と低い山です。「朝方に霧が出て、昼からは晴れる」。トカイ地方はそんな気象に恵まれているのですが、長らくの間、このようなブドウでワインを造ろうとする人はいませんでした。
その始まりは最近になって、1550年ごろとなりました。おそらくオスマン帝国に攻められ、収穫時期が遅れたトカイの人たちがやむなくしぼんだブドウでワインを作ってみたのです。それがとても美味しかった。それが貴腐の発祥でした。
その貴腐ワインは、あるハンガリー王国の貴族によってヨーロッパの貴族の知るところとなり、人気が爆発しました。それが故の1737年の国王令です。本では、原産地呼称制度の歴史やソーテルヌなどの他の世界三大貴腐ワインや日本の貴腐ワイン、さまざまな甘口ワインなどにも触れています。現地のカラー写真なども数多く掲載しています。
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