夏休み明けの『登校しぶり』どう対応したらよい?!
~ 子どものSOSサインを見逃さないで ~
楽しかった夏休みが終わり、元気だったはずのお子さんの様子がかわり、学校に行きたくないとなった時、保護者としてはどう対応したらよいのでしょうか? お子さんからのSOSを見逃さずに『登校しぶり』と向き合う方法をご紹介させて頂きます。
『登校しぶり』とは?!不登校との違い
「行き渋り」ともいわれることもありますが、学校に行きたくないという素振りをしたり意志を示す子どもの状態のことを言います。
文部科学省では、「不登校児童生徒」を 「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間 30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」と定義していますので、30日未満のお子さんは『登校しぶり』の状態であるといえます。
『登校しぶり』と子どものSOSサイン
一般的に真面目で頑張り屋さんのお子さん程、『登校しぶり』になりやすいといわれています。
4月の新学期から夏休み前まで、新しい教室、新しい先生・お友達、新たな科目の勉強、春の遠足や運動会等の行事、新しい環境下で様々な事一つ一つに一生懸命向き合い頑張ってきた子どもたちが、ようやく一呼吸つき、リラックスできる夏休み。
そのホッと出来る夏休みも子どもたちにとってはあっという間に過ぎ、後半にさしかかってくると、またはじまる学校生活をふと思い出し、一旦解放されていた気持ちが緊張状態に戻り、以下のような症状がでる事があります。
- 急に胸が苦しくなったり、気分が悪くなったりする
- 食欲不振
- 不眠(なかなか寝付けない/起きられない)
- イライラして怒りっぽくなる(機嫌が悪い)
- 頭痛
- 下痢/便秘
- 嘔吐
- ぼーっとしていて遊ぼうとしない(無気力)
少し前までは元気に楽しく夏休みを過ごしていたが故に、「覇気がない=やる気がない=さぼっている」と捉えられがちですが、お子さんにそれまでとは違う様子が見られはじめた時には、「何らかのストレスを抱えているんだろうな、登校しぶりのSOSサインかな?!」と、保護者の方より「どうしたの?何か不安なことある?」と、優しくお声がけ頂けるとよいかと思います。
「学校に行きたくないんだ」と言い出せないお子さんも中にはいることと思いますので、「いつでも味方だからね、なんでもいっていいんだよ。安心安全な場なんだよ、お家は。」という、雰囲気づくりを日頃からしてあげて下さい。
症状が日に日に酷くなる場合には、早めに一度小児科などの医療機関にも相談に行きましょう。
『登校しぶり』の対応法
大前提として先ずは、「無理をさせない」という事です。
「学校は毎日必ず行かなければならない」という思いが強ければ強い程、反動的に症状に現れてきます。「がんばって」と言われてしまうと、お子さんは「やっぱりがんばらなきゃいけない場所なのか。まだ頑張れるかな・・・。しんどいよ。」とより登校がプレッシャーになってしまいます。
保護者の方が、「行きたくない気分の日もあるよね。今日は休もうか。」という、大らかな気持ちでお子さんに寄り添うことで、お子さんは「自分の味方でいてくれる、分かってくれる存在なんだ。」と安心でき、お家の中では心を開けるようになってきます。
しぶるのには、必ず何らかの理由があります。交友関係がうまくいかない、勉強がついていけない、いじめられたり叱られたりするのが辛い等。焦らずゆっくりじっくり対話を重ねて、お子さんがどうしてしぶるのかを共感し、内容によっては、学校の先生やスクールカウンセラーにも相談するなどしましょう。
お家の中で向き合って真剣に「どうしたの?」と聞くよりは、気分転換でお出掛けやお散歩に行った先などでふと「実は〇〇が嫌だから行きたくないんだよね」と、話せるお子さんもいるかと思います。ですので、焦って問い詰めるのではなく、お子さんの様子をみながらそっとアンテナははりつつ、日常会話の延長線上で情報や気持ちを引き出せるとよいですよね。
まとめ
不登校の小中学生は2021年度に24万人を超え過去最高となりました。不登校の増加は9年連続で、10年前と比較すると小学生は3.6倍、中学生は1.7倍増となっています。(文部科学省「問題行動・不登校調査」の結果より)
共働き家庭にとって、特にお子さんが小さいうちは、学校に行ってくれないのは非常に困る事態でしょう。ですが、その時に「仕事があるから休まれると困る。何が何でもいって!!」と、無理やり行かせてしまうと事態がより悪化し、結果完全な不登校となってしまい、最終的に保護者の方も長期に渡って働けなくなるといったケースもしばしば見受けられ、親子ともに災難です。
「『登校しぶり』は、不登校前段階のお子さんからのSOSサインなんだ、今は焦らず丁寧に向き合おう」という姿勢で対応頂けると良いかと思います。
学校も大事ですが、学校が人生の全てではない、地域のコミュニティ(町内会や少年団のスポーツ団体,民間のサークル活動や習い事,フリースクール等々)から学べることや深まる絆も沢山あります。学校以外の息抜きできる居場所づくりも普段からして頂くと、お子さんのストレスも緩和されるかもしれません。
親子ともに、肩に力を入れすぎずに、大らかな気持ちで新学期を迎えられますように・・・。
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