デスクトップ版 Vivaldi 6.2:コードの大幅書き換えにより、新しいウィンドウを開く速度が向上

Vivaldi Technologies

2023.08.30 16:14

デスクトップ版 Vivaldi 6.2 では新たに Portal Windows を採用しました: 複数のウィンドウのハンドリング方法を根本的に変更することで、ウィンドウをより素早く開くことができ、メモリの使用量を削減できるようになりました。Vivaldi 6.2 を今すぐお試しください。

Vivaldi Technologies(ヴィヴァルディ テクノロジーズ/本社:ノルウェー・オスロ、CEO:Jon von Tetzchner)は 2023 年8月30日、デスクトップ版無料ウェブブラウザ Vivaldi の最新版となる 6.2 をリリースしました。

デスクトップの最新版 Vivaldi 6.2 では、新しいウィンドウを開く際の速度を改善しました。React の Portal を通してブラウザウィンドウをレンダリングすることで、メモリ使用量の削減と全体的なパフォーマンスの大幅な改善を実現しています。

Portal Windows の概要

JavaScript のフレームワーク、React から派生した Portal Windows を使用すると、実行しているコードをウィンドウ間でより効率的に共有できます。

2013 年から Vivaldi デスクトップ版のユーザーインターフェイスの開発に React を使用しています。ここ数年は Portal Windows を実装するために、開発を進めてきました。 

ブラウザに Portal Windows を実装すると、Vivaldi での複数のウィンドウのハンドリング方法を根本的に変えることができます。

Vivaldi の開発者で、このプロジェクトに深く関わった André Schultz は次のように話します。

「何らかの操作が行われると、従来では各ウィンドウに別々のドキュメントが割り当てられており、各ウィンドウの各ドキュメントで操作が実行されていましたが、複数のウィンドウで 1 つの UI ドキュメントを共有して処理するという新しい構造に変えました。この変更に対して大幅なコードの書き換えを行った結果、すべてのウィンドウに対して同じプロファイルの 1 つのスクリプトのコンテキストのみを実行するだけで済むようになり、よりシンプルな構造になりました。」

React の Portal に関する技術的な詳細は、createPortal のドキュメントをご参照ください。

Portal Windows が Vivaldi にもたらした効果は絶大です。これまでの「ウィンドウパネル」は現在のウィンドウで開いているタブの状態のみを表示できる機能でしたが、複数のウィンドウを扱えるように進化しました。

ウィンドウをまたいだタブのナビゲーションも簡単に行えます。これも、Portal を採用して達成できたコードの書き換えの成果です。

加えて、少し前に Portal ベースのポップアップウィンドウ(ウェブサイトにより作成・起動される小さなウィンドウ)を開発しましたが、これも、より素早く表示されるようになりました。

より速く開けるようになった新しいウィンドウを体験

ショートカットやメニュー、クイックコマンドなど、どんな機能を使う時でも、Portal をベースとした機能により、新しいウィンドウを開く際の速度が飛躍的に向上しました。

速度が実際にどれほど向上するのかは、設定や環境にもよりますが、ほとんどのユーザーが実感できることと思います。

内部で行ったテストでは、先のバージョンと比べ、新しいウィンドウを開く際の速度が 37% 向上しました。Vivaldi の 2018 年のバージョンと比べても、64% 速くなっています。これらのテストは、2GHz のインテル Core i3 プロセッサーが備わったパソコンで、新しいプロファイルを使用して行いました。

「Portal プロジェクトは我々にとっても大きな節目であり、達成できたことを非常に誇りに思っています。Portal は多くの可能性と柔軟性を秘めています。Portal の導入することでもたらされる違いを、存分に楽しんでいただけたらと思っています。」

と Vivaldi の CEO、Jon von Tetzchner は述べています。

その他の改善点

  • アドレス欄での候補の優先度変更機能: ドロップダウンメニューで優先して表示する項目をニーズに応じて自由にカスタマイズできるようになりました。アドレス欄の設定にアクセスし、ブックマーク・入力履歴・ニックネーム・閲覧履歴・検索の中から、どれを利用するかとその優先順位を設定できます。
  • MacOS で位置情報サービスが復活: Apple Location Services を搭載した MacOS の組み込み CoreLocation システム を使用することで、MacOS 版 Vivaldi でも、組み込みの Microsoft Location Service を使用する Windows 版 Vivaldi と同様に位置情報サービスの利用が可能になりました。

  • ブラウジングデータ消去ボタン: 履歴パネルにボタンを表示することで、閲覧履歴やデータを手軽に消去できるようになりました。項目や期間を指定したり、あるいは一括して消去を行えます。ボタンをワンクリックするだけでプライバシーを保護し、データや履歴の整理を簡単に行えます。
  • フィード機能がより見つけやすく、そして使いやすく:アルゴリズムをスキップして、Google アカウントなしでユーチューバーをフォローしたり、お気に入りの Flickr や Tumblr をフォローしたり、自分だけのニュースフィードを構築することができます。 [アドレスフィールド] の RSS アイコンをクリックして、最新のニュース、ブログ、ポッドキャストなどの更新をゲットしてください。

Vivaldi メールに新たに加わった機能

  • 新しいメールフィルター: ユーザー体験を向上するため、メールの表示フィルターを刷新しました。「縦型」モードの場合、デフォルトではドロップダウンメニューが展開し、文字による説明が表示されます。表示方法を変更したことで、異なる機能を持つ似たようなアイコンと間違えることが無くなります。

個々のアイコンを表示したい場合には、[設定] → [メール設定] → [表示フィルターボタン] から、好きなようにカスタマイズできます。

  • FastMail の OAuth 認証をサポート: Fastmail のアカウントに OAuth 認証を使用してスムーズにログインできるようになり、アプリ固有のパスワードを使う必要がなくなりました。FastMail のユーザーにとってログインプロセスが簡素化され、より安全かつ便利になりました。

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