ITエンジニアのシニア向け求人傾向調査、過半数が定年なし・再雇用上限なし

株式会社シニアジョブ

2023.08.04 16:10

テレワーク可やフレックス制度などは少なめ、シニア専門求人メディア・シニアジョブ

シニア転職支援の(株)シニアジョブ(本社:東京都新宿区/代表取締役 中島康恵/以下、シニアジョブ)は、サービス提供するシニア専門求人メディア「シニアジョブ」の2023年8月1日時点でのITエンジニアの求人に関する傾向調査結果を公開しました。定年なしや再雇用年齢制限なしの求人が過半数を占め、老後も長く勤められる可能性や、休日や残業時間では手厚い配慮が見られる求人が多い一方で、テレワークやフレックス制度、副業など柔軟な働き方を認める割合は少ないことがわかっています。

 

 

 

シニア向けITエンジニア求人の調査に関するトピックス

50歳以上のシニアに特化した求人メディア「シニアジョブ」(https://seniorjob.jp/)において、2023年8月1日時点で掲載されているITエンジニア(システム開発・SE・インフラ)関連求人178件について、その傾向を調査した結果のトピックスをまとめたものが下記となります。

 

  • 定年なしが5割超、再雇用年齢制限なしが6割超と、長く働き続けやすい
  • 休日や残業時間の配慮が手厚い求人が多い一方、テレワーク可は4割など柔軟な働き方のできる割合は少ない
  • 育児・介護休業取得実績ありの求人は7割超で、老親の介護がしやすい可能性
  • 派遣社員の求人が5割弱を占め、転職・再就職時の選択肢として検討する必要がある
  • 関東・東日本よりも、関西・西日本の求人が多い

 

 

シニア向けITエンジニア求人企業の所在地について

シニア向けITエンジニア求人企業の所在地については、他の職種ではもっとも多い関東よりも、関西が2倍以上多いという得意な傾向がわかりました。

 

  • 北海道・東北 0
  • 関東 28.1%
  • 北陸・甲信越 5.1%
  • 東海 7.3%
  • 関西 59%
  • 中国 0.6%
  • 四国 0
  • 九州・沖縄 7.9%

 

シニア向けの求人も他の年代と同様に、求人数は企業数と人口に比例するのが一般的ですが、ITエンジニアについては、関東の28.1%に対し、関西は59%と2倍以上多い結果となりました。北海道・東北と四国は0であり、中国も0.6%と微小であるものの、九州・沖縄は7.9%、東海は7.3%であり、西高東低の求人分布となっています。

 

 

シニア向けITエンジニア求人の詳細職種について

シニア向けITエンジニア求人の詳細職種については、Web系のシステムエンジニア求人がもっとも多く、次いでその他のカテゴリーが多いことで、一般的にニーズの高い職種と、主要なカテゴリーに当てはまらない職種が並び合う結果となりました。

 

  • Web系 23.6%
  • その他 22.5%
  • 制御・組み込み 16.3%
  • ネットワーク/サーバ監視・運用・保守 12.9%
  • 汎用系 6.2%
  • ネットワーク/サーバ設計・構築 5.6%
  • PM・リーダー 4.5%
  • 社内SE 4.5%
  • モバイル系 1.7%
  • パッケージソフト・ミドルウェア開発 1.7%
  • ITコンサル・プリセールス 0.6%
  • データサイエンティスト 0

 

23.6%ともっとも多いWeb系のシステムエンジニア求人には、Web系、業務系、オープン系など一般的にニーズの高いエンジニア求人が掲載されています。一方、22.5%と次いで多かったその他のシステムエンジニア求人には、他のカテゴリーと被るような内容のものや、特定の業界や用途のアプリケーションやハードウェアに特化した内容のもの、テストエンジニアなどが含まれており、シニアの活躍の場として経験スキルを絞り込んだ求人が出されている可能性が感じられます。
また、ITコンサル・プリセールスやデータサイエンティストといった、マーケティング領域にも重なる求人は、極めて少数、あるいは皆無でした。

 

 

シニア向けITエンジニア求人の雇用形態について

シニア向け求人全体では多いパート・アルバイトが極めて少なく、反対に派遣社員が突出する珍しい傾向となりました。

 

  • 正社員 25.9%
  • 契約社員 23.6%
  • パート・アルバイト 0.6%
  • 派遣社員 49.4%
  • 業務委託 0.6%

 

他の職種のシニア向け求人では、パート・アルバイトと正社員の雇用形態が多い傾向にあることが一般的であるのに対し、シニア向けITエンジニア求人では、派遣社員が49.4%ともっとも多い得意な傾向があり、反対にパート・アルバイトは0.6%と極めて少ない状況でした。正社員も派遣社員に次いで多く、また、パート・アルバイトと同様の有期雇用でもフルタイム勤務であることが多い契約社員の比率が他の職種より多く見られたことも特徴です。

 

 

シニア向けITエンジニア求人の歓迎する年代、経験・資格について

シニア向けITエンジニア求人の歓迎する年代や経験・資格は、60代歓迎求人が75.3%と豊富である一方で70代以上歓迎なると大幅に減少しています。また、資格が問題とされない一方で、経験は求められる傾向がわかっています。

 

  • 60代歓迎 75.3%
  • 70代以上歓迎 6.7%
  • 未経験歓迎 16.3%
  • 無資格OK 100%
  • 未経験・資格なしOK 16.3%
  • ブランクOK 75.8%

 

シニア向けITエンジニア求人の中で、60代歓迎求人の割合75.3%は、他の職種と比べても多めの割合である一方、70代以上歓迎が6.7%と急激に減少しており、70代以上の中途採用が難しいことがわかります。また、未経験歓迎が16.3%と少なめである一方、無資格OKは100%、ブランクOKも75.8%と、無資格やブランクが空くことには寛容なものの、まったくの未経験が許容されにくい環境がわかります。

 

 

シニア向けITエンジニア求人の定年・雇用年齢上限について

シニア向けITエンジニア求人では、定年なしが56.2%、再雇用年齢制限なしが66.3%と、過半数の求人で年齢制限なく勤め続けられる環境となっています。

 

  • 定年が65歳以上 14%
  • 定年なし 56.2%
  • 再雇用が65歳以上 28.7%
  • 再雇用年齢制限なし 66.3%

 

定年なしが56.2%、再雇用年齢制限なしが66.3%といった割合は、他の職種の求人と比較しても高い割合です。条件の重なりを考慮したとしても、いずれにせよ過半数の求人が、本人が希望し、成績等の条件を満たしている限り、年齢にかかわらず働き続けられることがわかります。

 

 

シニア向けITエンジニア求人の働き方・その他について

シニア向けエンジニア求人では、休日の多さや残業時間の短さが傾向としてある一方、フレックス、時短勤務、テレワーク、副業などについてはさほど寛容でない傾向が見て取れます。また、Web面接率は非常に高く、意外にも育児・介護休業取得実績も多いことがわかります。

 

  • 年間休日120日以上 53.9%
  • 土日祝休み 87.6%
  • 残業なし・月平均20時間以内 70.2%
  • 完全週休2日制 93.3%
  • フレックスタイム制あり 16.9%
  • 時短勤務あり 0
  • 育児・介護休業取得実績あり 72.5%
  • 副業OK 13.5%
  • テレワーク・在宅勤務OK 41%
  • Web面接可能 94.9%

 

土日祝休み、完全週休2日制、残業なし・月平均20時間以内などの割合は、いずれも70%を超え、年間休日120日以上も53.9%と過半数となり、休日や残業時間については働きやすさを感じる求人が多い一方で、テレワーク・在宅勤務OK41%、フレックスタイム制あり16.9%、副業OK13.5%などの柔軟な働き方は意外にも低い割合で、時短勤務ありの求人は0件でした。
IT関連の技術職らしい点としては、9割を超えるWeb面接可能が挙げられ、また、育児・介護休業取得実績ありも72.5%と高く、老親の介護などにも対応しやすい職種であることがわかりました。

 

 

調査概要

シニア専門求人メディアにおけるドライバー求人およびドライバー人材の求人応募と就業決定状況の調査

  • 調査期間: 2023年8月1日時点
  • 調査機関: 自社調査
  • 調査対象: 2023年8月1日時点でシニア専門求人メディア「シニアジョブ」に掲載されているITエンジニア関連求人178件(※1)(※2)
  • 対象地域: 全国
  • 調査方法: 上記調査対象に関する社内データを集計し、傾向を分析

(※1)調査対象には、過去に求人を掲載していたものの掲載を取り下げた求人または登録を取り消した企業の求人を含まない。
(※2)調査対象は、システム開発、SE、ITインフラ等に携わるエンジニアの求人のみであり、機械・電気・電子・半導体等の製造に携わるエンジニアや、化学や薬品、建設等、その他の技術者を含まない。

 

 

 

シニアジョブ 代表取締役 中島康恵からのメッセージ

最近、シニア向けのITエンジニアの求人が増えていますが、皆様の中には「シニアはITが苦手なのでは?」と思う方も多いかもしれません。実は私自身、近年まで、ITエンジニアのような常に技術のアップデートが必要な職種は、シニアに向かないのではないかと思っていました。しかし、2021年にITエンジニアのフリーランスエージェントサービスの役員の方とメディア向けのセミナーを共催した際に、これまでの考えがバイアスに過ぎず、シニアもITエンジニアとして活躍できることを確信しました。
実際に今回、求人の傾向を調査・発表した、シニア専門求人メディア「シニアジョブ」を昨年8月にオープンしたあとは、多数のITエンジニア求人が掲載されています。
今回の調査結果では、労働時間や休日の配慮は手厚い求人が多いのに、IT系で進んでいそうなリモートワークやフレックスが少なかったことは意外でしたが、テクノロジー・ファーストを謳い、システムの自社開発とエンジニアの活躍にこだわる私たちも、エンジニアの遠隔地採用などにチャレンジして課題も把握しているため、求人元の企業もいろいろ試行錯誤した結果の傾向なのではないかと思います。

 

 

シニア専門求人メディア「シニアジョブ」について

50歳以上のシニアに特化した求人サイト事業として、2022年8月にオープンしました。求人の対象が主に50歳以上になることを了承した企業のみが求人を掲載しており、また、求人企業の平均年齢や、50代・60代・70代以上の勤務人数といったシニアの活躍情報がわかるなど、シニアが安心して応募や就職活動ができる機能が揃っています。
求人企業も初期費用無料、成果報酬制で、採用決定までは、求人を何件掲載しても無料で使用できます。

 

お仕事をお探しのシニアの方や、シニア人材採用をお考えの企業の採用担当者の方は、サイトからご登録・お問い合わせをお願いいたします。

 


【会社概要】
代表 : 代表取締役 中島 康恵
本社 : 東京都新宿区大久保2丁目5−22セキサクビル8F
URL  : https://corp.senior-job.co.jp/
事業内容 : シニアの人材ビジネス提供 

 

運営サイト:
シニアジョブ: https://seniorjob.jp/
シニアジョブエージェント: https://senior-job.co.jp/
シニアタイムズ: https://senior-job.co.jp/magazine/

 

 

本件に関するお問い合わせ先
株式会社シニアジョブ 広報部 安彦(あびこ)
TEL:080-4107-5851  e-mail:m-abiko@senior-job.co.jp

 

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種類
調査レポート

カテゴリ
システム・通信

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