流動化できる敷金約170億円、企業の投資超過を目指すために滞留する敷金に流動性を
日本に眠る約5兆円 (※)のオフィス敷金を企業成長資金にプロジェクト開始から1年
「敷金減額サービス」を展開する、株式会社日商保(本社:東京都港区、代表取締役社長:豊岡順也、以下「日商保」)が中心となり、オフィスオーナーや専門家と共に、スタートアップ・中小企業の成長を支援する「敷金を成長資金に。プロジェクト」を2022年7月に発足して1年が経過しました。
脱コロナと経済活動が活発化する一方で、依然として欧米のインフレと金融政策、不安定な国際情勢などが足かせとなり、世界経済の成長を阻んでいます。さらに、今、日本国内で取り沙汰されているのが、コロナ禍で売上が減少した民間企業の約半数が借入を行った、いわゆる“ゼロゼロ融資”の返済です。公的機関が負担してきた金融機関に支払う利子の期限の3年が経過し、今月多くの企業が返済を開始しました。
今年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2023」では、持続的な経済成長を実現するために、スタートアップや生産性を高める投資、GXを始めとする官民連携による社会課題解決に向けた長期計画的投資の強化等、国内投資の強化が必要だとしています。
企業が余剰資金を保有する状態である貯蓄超過から投資超過へのシフトを促すことで、国のめざす”新しい資本主義“の実現が可能となります。
敷金を眠らせておくのではなく、企業の「成長資金」へ 約625億円の流動化を目指す
「敷金を成長資金に。プロジェクト」では、投資に回っていない見過ごされがちな推計5兆円にも及ぶオフィス敷金に着目しました。企業がオフィスに入る際に支払うオフィス敷金を眠らせておくのではなく、企業が成長するための事業資金として流動化することで、日本が抱える課題を解決できるようなプロダクトに取り組むスタートアップが台頭し、日本経済の活性化が見込めます。
プロジェクトでは、敷金ゼロ円の「敷金フリーオフィス」を3年間に全国5,000件導入することを目指しています。これにより、推計約625億円もの預託敷金が解消され、スタートアップ・中小企業の事業への投資資金として活用されるとみています。
プロジェクト開始から約1年で65の企業・団体が賛同し、敷金フリーオフィスの対象区画はのべ828件・流動化できる敷金の総額は約170億円となりました。
サービスの仕組み
対象となるサービスは、新規入居や移転の際に敷金をゼロ円にする「敷金フリーオフィス」と、入居している企業へビルオーナーから半額〜全額、敷金を戻してもらう「敷金返還」があります。
「敷金フリーオフィス」は、日商保の保証を利用することで、新規入居や移転でオフィスを借りる際に発生する敷金がゼロ円となり、敷金を預けることなく入居できます。
「敷金返還」は、日商保の保証を利用することで、預けている敷金を、ビルオーナーから現金で戻してもらうサービスです。(これら2つの敷金減額のサービス利用料は年間5%)
サービスの利用には、所定の審査及びビルオーナーの許諾が必要となりますが、保証の提供により、ビルオーナーが安心して敷金をゼロ円に、または、敷金をお返しできる仕組みとなっています。
プロジェクト賛同企業
本プロジェクトでは、敷金ゼロ円の「フリーオフィス」を3年で全国5,000件の導入を目指しています。2023年7月までに65の企業・団体がプロジェクトに賛同しました。賛同企業は、敷金を返還してもらう側のテナント企業だけでなく、オーナー側も名を連ねています。日本経済を活性化させる起爆剤となり得るスタートアップ支援を国だけでなく、民間企業も手を取り合って盛り上げていこうというものです。さらに、多くの賛同を得られるよう活動を続けます。
賛同企業の声
■敷金を”子どもたちの学力水準の向上に貢献”
Monoxer(モノグサ) 株式会社
返還された敷金を資金に採用やプロダクトのアップデートに充てながら、今後は学校・塾といった横の連携のみならず、大学や専門学校、企業など縦の連携を深め、学習者を生涯に渡って支援するプラットフォームとなるべく、事業を推進して参ります。
■敷金を”スタートアップにとってプラスの取り組みに”
GOOPASS株式会社
当社は、従業員・ユーザーも含めて集まれる場として、原宿にオフィスを構えました。敷金の減額により、オフィスチェアやモニターなどの業務効率向上への設備投資にも使えました。
さらに、投資家やVCなどの株主へ説明する際に、敷金が数千万円減額されることが好材料となった経験があり、スタートアップにとってとてもプラスになる取り組みだと感じています。
■敷金を”事業資金へ変えスタートアップの成長を早める資金に”
株式会社カミナシ
支払わなかった敷金を元に展示会に出展するなどの質の高い営業活動ができました。売り上げがある程度立った状態で次のフェーズの資金調達に移ることができたことは、投資家らの高評価(資金調達額)につながり、結果、成長スピードを早めることができたと思います。
投資家も敷金を支払うためにスタートアップに投資しているわけではないと思いますので、事業に使えないまま眠らせておく資金があることはもったいないです。
敷金を成長資金に変え、企業のミッション・ビジョンの実現に活用
2023年3月から敷金の具体的な使い方を示す「敷金を〇〇資金に。プログラム」を開始しました。本プログラムは、本来オフィスに支払うはずだった敷金をゼロ円にした「敷金フリーオフィス」への新規入居や移転、また現在入居しているオフィスで既に支払っている敷金を戻してもらう「敷金返還」といった2つの敷金を減額する仕組みを用いて、敷金の流動化を図るアクションです。
本来預けるべき敷金を眠らせず、適切なタイミングで事業や会社のために使い、各企業が掲げる目標やミッションを実現するために使って欲しいと願っています。
今後も、ゲームやスポーツなど、複数のテーマを設けたうえで、敷金減額のスキームを活用して、様々な事業を応援します。
【過去のプログラム】
敷金を”女性を応援する資金”に。
3月8日の国際女性デーにあわせ、フェムテック商品や美容商品といった女性の生活を支える事業を展開する企業や、女性たちが仕事と家庭(プライベート)を両立しやすいような働き方の選択ができるスタートアップ企業を対象にしました。
敷金を”子どもの可能性を広げる資金”に。
5月5日のこどもの日にあわせ、デジタルを活用した教育関連企業や、運動能力向上を支援する企業、保育関連企業など、子どもたちの可能性を広げる様々なスタートアップ企業を対象にしました。
敷金を”地球環境を守る資金”に。
6月5日の環境の日にあわせ、廃棄衣料をアップサイクルする“サーキュラーエコノミー”(循環型社会)を実装するサステナブルブランドや、脱炭素の実現に向けたディープテック(大規模研究開発型)系企業など、環境問題に取り組むスタートアップ企業を対象にしました。
「敷金を○○資金に。プログラム」には、各方面のスタートアップ企業からも賛同の声が寄せられました。
■敷金を「女性を応援する資金」に。
ー厳しい環境下、敷金減額での手元資金増加は「大きな武器」。敷金を活用し、女性が生きやすい社会の実現に期待
女性経営者の活躍は、新たな市場創出やサービス提供に加え、女性の雇用増にも貢献します。本取組に賛同する企業が増え、女性経営者が資金を有効活用することで、より女性が生きやすくなる社会の実現に寄与する機会が増えることを心から期待しています。
■敷金を「子どもの可能性を広げる資金」に。
ー教育への投資は“人”への投資。教育スタートアップ成長が家庭支援に。
不確実性が高い世の中を資源がない日本が乗り越えるためには「人」への投資がとても大事です。GIGAスクール構想により1人1台のPC/タブレット端末、学校に高速インターネット環境、活用する教育コンテンツの拡充も進んでいますが、今後はこの支出も家庭負担になる可能性があります。家庭負担が増大する事により、格差が増大しないよう、本プログラムの支援金がうまく活用される事を期待しています。
ー教育問題は今目の前で起きている。迅速に問題解決するスタートアップに事業資金を。
今、目の前にいる子どもたちの問題解決のために、教育スタートアップには人や資金が、今必要なのです。そんな教育スタートアップにとって、オフィスの敷金は大きなコスト負担であり、事業成長への影響だけでなく、目の前の子どもたちへのサポートが遅れる原因にもなりえます。
本プログラムを利用する企業が増えることで、一人ひとりの子どもたちの可能性を広げる教育がすぐに・より広く届くことを願っています。
■敷金を「地球環境を守る資金」に。
ー地球環境を守る活動は 社会全体での支援が必要。敷金を、よりよい社会づくりのための資金に。
私たちの日々の生活は、地球の持続性と直結しています。その地球環境を守る活動、例えばサステナブルな製品開発やサーキュラーエコノミーの推進には、一部の人・企業の力だけでなく社会全体での支援が必要です。
敷金を事業資金へと変えることで、持続可能な社会実現をミッションに掲げるスタートアップ企業の成長の一助となり、さらに良い社会づくりに寄与することを願っています。
渋谷区×敷金を成長資金に。プロジェクト 拡がるスタートアップ支援
「敷金を成長資金に。プロジェクト」の中心である日商保は、渋谷区と民間企業のコンソーシアム(※)「Shibuya Startup Deck(通称:シブデック)」へ参加します。
シブデックは、実績のある企業の数々が会員として参加し、自らの起業・経営体験と専門知識をもとにスタートアップ支援政策に助言するだけでなく、具体的な「場」の提供やプロジェクトなどを通じてスタートアップの成長を手助けしようというものです。「環境整備」「コミュニティ形成」「グローバル化」「実証実験」の4つをミッションに掲げ、スタートアップにおける様々な課題解決に取り組みます。
日商保は、これまでの取引経験からスタートアップの事業フェーズごとの適正なオフィスの規模や賃料やエリアなどについてのコンサルティングを行い、敷金をスタートアップの事業資金へと流動化していきます。
※ 2つ以上の個人、企業、団体、行政などから成る団体であり、共同で何らかの目的や目標に沿った活動のために結成される。
約4割が「敷金がなければ成長できた」「敷金が原因で成長をセーブした」
昨年6月、調査会社の株式会社ネオマーケティングが実施した調査では、約半数の経営者が「オフィスビルの重要性」を再認識しています。
資金調達を行なった中小・スタートアップ企業の経営者のうち45.6%が「敷金がなければ成長できた」と回答しました。また、敷金が原因で「成長への投資をセーブした」との回答が42.7% 、敷金がなかったら「設備投資・社員雇用・社員へのボーナスに投資してみたかった」などの回答結果が発表されました。
敷金の平均は455万円。中には2億円も。 経営者の64.6%が「敷金は高い」と感じつつ、49.6%が「取られて当然」という根強い考えがあるものの、3人に1人が「具体額わからない」。大きな初期コストのはずが、低い関心だということがわかりました。
(参考:全国の企業経営者・経営層1,000名に聴いた「コロナ禍でのオフィス利用と企業経営に関する調査」)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000281.000003149.html
これまで敷金を活用した企業の実例
敷金を”人材採用”に活用 契約から1年半足らずで従業員数が70名増に
初期費用の高さが移転のネックになっていた当時、不動産からの紹介で『敷金半額くん』を知りました。本サービスの仕組みが整っており、数千万円の資金を敷金に充てるのではなく、事業資金として運用するために契約しました。浮いた資金を人材採用に活用したことで、従業員数が契約当時の120名から190名まで増加。また、新規事業の『Webtoon』サービスの展開も可能になりました。
敷金を”新規店舗出店”に活用 都心での事業拡大に加速
都心は賃料が高いため敷金も高く、シェアサロンの出店を加速していく中で、契約が終わるまで動かせないお金がどんどん大きくなってしまいます。そのため、『敷金半額くん』を使う選択肢以外は考えられませんでした。
浮いた敷金は新規店舗の出店費用の一部に充てています。単純計算で賃料が月額100万円、敷金が1,200万円(賃料12カ月分と想定)だとすると、『敷金半額くん』を利用すれば半額の600万円が浮きます。それが3店舗あれば1800万円になり、そのお金で都心に一店舗分の内装工事費用と敷金・礼金が払えます。このように、浮いた敷金が新たな店舗の出店に活用できています。
敷金を”人材採用”に活用 数億円単位の敷金流動化が可能に
オフィスの敷金はかなりの金額です。事業拡大のために調達した資金が、敷金として3年〜5年もの間、数億円単位でロックされてしまうということに我々はずっと課題感を感じてきました。そこで、オフィスの契約を更新することが決まったタイミングで敷金をどう流動化するかを再検討した際に、『敷金返還くん』なら期間中に返済がない形で敷金を流動化できると知って利用することにしました。浮いた資金は事業拡大に不可欠な人材採用に投資していく方針です。当面は1年間で100名ぐらいの規模感で採用していきたいと考えています。
敷金を”広告宣伝や人材採用に活用” タクシー広告を打つことが可能に
資金があるならばできるだけ事業に投資したい、そう思う中で「敷金半額くん」をご紹介いただき、利用しない理由はないなと思いました。 サービス利用で浮いた資金を広告宣伝費に充てて、サービス認知を広めるのに効果的なタクシー広告を打つことができました。 また、良い人材を採用するための採用費にも活用し、オフィス移転では内装や家具にもこだわって選ぶことができたと思います。そして、連帯保証がないことにも大きな魅力を感じ、我々のような資金が潤沢にあるわけではないスタートアップにとって検討しやすいサービスだと思いました。
株式会社日商保について
当社では、「敷金」を事業資金として変換し、ベンチャー・スタートアップ企業等の“事業成長”をサポートするサービスを展開しています。
ビジネスを取り巻く環境の変化に合わせて、そのビジネスを支える「ファイナンス」も、自由になっていいという考えのもと、「本業を助ける金融」の実現のため、旧い慣習を打ち破る、新しい保証の形を目指し、オフィス・店舗など事業用不動産に入居する企業が、敷金という入居・移転に際し必要な初期費用を抑え、その減額分の資金を事業に有効活用できる敷金減額サービス等を提供しております。
<会社概要>
会社名 :株式会社日商保(URL:https://jpcpg.co.jp/)
所在地 :〒105-0003 東京都港区西新橋1-7-2 虎の門髙木ビル3階
代表者 :代表取締役社長 豊岡 順也
設 立 :2011年9月16日
資本金 :64,649万円(資本準備金含む)
※敷金推定額5兆円の算出方法について
【推定額=賃貸面積×坪単価×オフィス規模別敷金額】にてオフィス規模別に預託敷金を推計し、合算して算出
■オフィスビルの賃貸面積
ザイマックス総研によるオフィスストック調査を参照
<賃貸面積>
大規模(延床面積5,000坪以上):691万坪
中小規模(延床面積300坪以上5,000坪未満):607万坪
■オフィスビルの規模別賃料坪単価
三幸エステートのオフィスマーケットレポートより推計
<規模別賃料坪単価>
大規模 :25,000円
中小規模:18,000円
23区外 :15,000円
<規模別敷金額>
大規模 :家賃×12ヶ月分
中小規模:家賃×10ヶ月分
23区外 :家賃×8ヶ月分
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