提供の背景

小売店舗では従来、会員カードの登録情報やPOSレジの購入データなどを通じて来店者に関するデータを取得し、仕入れや売場づくり、マーケティング、商品開発に活かしてきましたが、近年ではAIやIoTの技術が発達したことで、より大規模かつ精緻な来店者データの取得・分析が低コストで実施できるようになっています。その一方、AIカメラの活用を検討しているものの、導入コストへの不安や取得できるデータの種類、活用イメージが漠然としているといった課題により、取組み開始に踏み出せない店舗も少なくありません。

かねてより当社はこうした課題を抱えた店舗に対し、従来に比べて圧倒的に低コストかつ高度なAIで課題解決に取り組んでまいりました。現場のデータは継続して取得することにより価値が生まれます。さらに多くの店舗でもAIカメラを体験しメリットを実感いただきたいと考え、この度、エッジAIカメラ活用に関心のある小売事業者に向けて、実証実験（PoC）や本格導入の前段階（PrePoC）としてご利用いただける本パッケージの提供に至りました。

本パッケージの概要

「エッジAIカメラ 来店者属性・行動分析 スターターパッケージ」では、以下のサービスを提供します。

＜取得可能なデータ＞

・来店者の属性（年代・性別）
・来店タイミング
・来店時間
・年代別来店者数
・性別来店者数
　等

※エッジAIプラットフォーム「Actcast」で取得したデータはダッシュボード上で簡単に確認可能

＜データ取得期間＞
2週間程度

＜エッジAIカメラ導入台数＞
1台
※カメラの取り付けはお客様にご対応いただきます。当社スタッフがオンラインでサポートいたします。
※複数台をご希望の際は個別にご相談ください。

＜料金＞
無料
※カメラの配送費は着払いにてお客様にご負担いただきます。

＜提供対象＞
スーパー・ドラッグストアなどの中規模小売店舗を運営する企業 先着20社

＜AIスターターパッケージお申込フォーム＞
https://bit.ly/3XPqoz7

エッジAIカメラ導入事例

そごう・西武は、エッジAIカメラを活用した来店者属性・行動分析に関する実証実験を過去に2度実施し、現在は3度目の実証実験※として、そごう大宮店にて来店客のフロアをまたいだ行動・目的を可視化するプロジェクトを実施しています。AIスターターパッケージを活用することで、こうした取り組みを手軽にお試しいただくことが可能です。

※参照：そごう・西武とIdein、AIカメラを活用した「来店目的」可視化プロジェクトを開始（Ideinプレスリリース）
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000068.000026271.html

〈1度目の実証実験〉
【実施内容】来店客数の把握と来店客属性（性別・年代）の分析
【課題】店頭で取得できる顧客データが店舗全体の来店客数と商品を購入した顧客情報に限られていた
【実証結果】来店層と購入層に10歳以上の年齢ギャップがあった
【成果】店舗内レイアウトの変更、動線改善による30代以下の来店客増加

〈2度目の実証実験〉
【実施内容】催事場（物産展）の来店客数の把握と属性（性別・年代）の分析
【課題】物産展はメンバーズカードの対象外であり、来店客の定量的なデータを取得できていなかった
【実証結果】毎年開催している「京都名匠会」来店客の3割近くが30代以下であることが分かった
【成果】若年層来店客により楽しんでいただくための商品・販促アイデア創出

〈3度目の実証実験〉
【実施内容】来店客の属性（年代・性別）と、来店当日のフロアをまたいだ移動履歴（店舗内の位置、買い回りの順序、滞在時間）の分析
【課題】来店目的を十分に把握できていなかった
【現時点での実証結果】20代の来店客の約7割が上層階の他の売場を経由して食品売場（地下1階）に来ていたことが分かった。同様の行動は、30～60代の来店客では3～5割に留まっており、大きな違いがある
【成果】20代に向けた品揃えの強化や催事の開催による若年層の取り込み施策の検討

＊ご参考：そごう・西武 過去実証実験の詳細と成果（Idein公式ブログ）：
「百貨店の利用者は中高年ばかり」は思い込み？そごう・西武がAIカメラで発見した意外な利用客
https://www.idein.jp/ja/blog/230404-retailtech-edge-ai

別の事例として、長崎県佐世保市の商業施設「TWINKLE西沢」を運営する西沢本店にて実施された実証実験では、AIカメラで取得した来店者属性データ（年代・性別）と人流データから、「来店者の7割が40〜50代」「特に人流の多い時間帯は開店後1〜2時間（10〜12時）と夕刻（16〜18時）」といった傾向が可視化できました。この結果を踏まえ、現在、適切な人員配置や在庫最適化による、売上最大化、コスト削減を目的として、人流データとPOSデータを掛け合わせることで需要予測に取り組むべく、データの取得を継続実施中です。

※参照：Idein、長崎・佐世保の百貨店「TWINKLE西沢」にてエッジAIを活用した「人員配置・在庫最適化」プロジェクトを開始（Ideinプレスリリース）
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000069.000026271.html

「国内シェアNo.1」について
デロイト トーマツ ミック経済研究所 『エッジAIコンピューティング市場の実態と将来展望　2022年度版』
（https://mic-r.co.jp/mr/02530/） 「エッジAIプラットフォームのベンダシェア（台数）」の調査結果に基づく

■Idein株式会社 概要

安価な汎用デバイス上での深層学習推論の高速化を実現した、世界にも類を見ない高い技術力を有するスタートアップです。当該技術を用いたエッジAIによる現場データ収集プラットフォーム「Actcast」を開発し、実用的なAI/IoTシステムを開発・導入・活用する開発者及び事業会社へのサービス提供を行っております。今後もパートナー企業と共に、AI/IoTシステムの普及に貢献してまいります。「実世界のあらゆる情報をソフトウェアで扱えるようにする」をミッションに掲げ、日本国内では経済産業省 J-Startup選定をはじめ、日本経済新聞社 NEXTユニコーン企業にも選ばれています。英Arm社のAI Partnerや、米NVIDIA社のInception Program Partnerになるなど、海外でも高く評価いただいています。

【設立日】 2015年4月7日
【代表者】 代表取締役 中村 晃一
【所在地】 東京都千代田区神田神保町1-4-13
【事業内容】 Actcast事業（エッジAIプラットフォームの開発・運営）、受託開発事業（次世代自動車開発での協業等）
コーポレートサイト: https://www.idein.jp