「シニアのウェルビーイングは若者にも重要」作業療法士が提言と情報発信
シニアジョブがオキュラボとの共同で開催した5月17日のイベントについて報告
シニア就職支援の(株)シニアジョブ(本社:東京都新宿区/代表取締役中島康恵/以下、シニアジョブ)は、作業療法的アプローチから企業の人的資本経営への参画と働く人の心身をサポートする(株)オキュラボ(本社:東京都台東区/代表取締役CEO兼CWO森島肇/以下、オキュラボ)との共催で、オンラインセミナー「シニアワーカーと人生100年時代のウェルビーイングとは?〜メディア向け共同セミナー・作業療法士と人材会社が討論するシニア就業環境〜」を2023年5月17日に開催しました。
報道機関向けに開催した本イベントでは、作業療法士でもある森島氏から「シニアでも幸せに働けることを示すのは、若い世代にも重要なことである」といった提言がなされました。これら本イベントの内容を抜粋し、お知らせいたします。
セミナー開催の背景、概要およびプログラム
「シニアワーカーと人生100年時代のウェルビーイングとは? 〜メディア向け共同セミナー・作業療法士と人材会社が討論するシニア就業環境〜」は、シニアジョブとオキュラボが共同で情報発信を行うために開催しました。
昨今、法改正を含め、老後も長く働き続ける世の中へと変化する一方、シニアに限らず、就業現場では、就業環境における「ウェルビーイング=幸福」が注目されています。もちろん、シニアの就業でもウェルビーイングは重要であるものの、シニアとその他の世代では幸福と感じる要素が異なることや、シニアの就業そのものが大きな変革期にあること、健康や体力、能力の低下によって幸福を感じにくくなることなど、シニアのウェルビーイングの実現は他の世代よりも難易度が高いと言えます。
その中で、シニアの就業を支援するシニアジョブと、作業療法的アプローチで働く人の心身のケアを行うオキュラボが共同で両社の知見や考えを発信することで、シニアのウェルビーイングをめぐる議論や取り組みが活発化することを狙い、この度のイベントを開催しました。
イベントの概要は下記のとおり、変更なく行われました。
- 日時: 2023年5月17日(水) 14:00〜15:00
- 会場: オンライン
- スピーカー:
・株式会社オキュラボ 代表取締役CEO兼CWO(Chief Well-being Officer) 森島 肇
・株式会社シニアジョブ 広報部部長 安彦 守人
イベントのプログラムは下記のとおり、変更なく行われました。
- 理想のシニア就業環境とは?
- シニア活用企業へのウェルビーイング提言
- トークセッション①シニアにとってのウェルビーイングとは?
- トークセッション②ウェルビーイングは採用戦略を左右するのか?
- 自由討論と質疑応答
身体能力よりも環境要因がウェルビーイングに大きく影響
セミナーは、前半がシニアジョブとオキュラボそれぞれの視点から、シニアにとっての理想の就業環境と、企業がシニアのウェルビーイング実現を目指す場合のアドバイスとを行いました。それぞれ、オキュラボは作業療法的アプローチから、シニアジョブはシニア転職市場の観点から発言しました。
オキュラボCEO兼CWOの森島氏からは、シニアの理想の就業環境について、
「高いQOLの実現には、身体能力の状態よりも環境要因の影響がより強いため、環境整備が大きなカギとなる」
といった発言があり、また、企業へのアドバイスでは、
「企業のウェルビーイングの取り組みでは、ワーカーの精神面、身体面、作業、生活背景、環境など評価項目が多岐におよび、多角的に診ることが必要なため、その専門職である作業療法士を活用してほしい」
とも述べました。
一方、シニアジョブ広報部長の安彦は、シニアの理想の就業環境について、
「シニアは変革期にあり、そこでの認識や実際とのズレがミスマッチや不満の要因となる」
「また、健康・体力・能力の個人差が大きく、それに企業がどう対応しつつ、年齢による差別を無くすかが重要」
と発言し、企業へのアドバイスも同様に、健康不良時のケアなどシニアの個人差や変化に対応する一方で、世代間の差別をせずに活躍してもらうことの重要性を説きました。
シニアでも幸せに働けることを示すのは、若い世代にも重要なこと
セミナーの後半では森島氏と安彦が、やはり作業療法の視点と人材市場の視点のそれぞれから、シニアにとってのウェルビーイングと、企業の採用戦略におけるウェルビーイングの2つに分けて、トークセッションを行いました。
シニアにとってのウェルビーイングについては、まず森島氏から、
「シニアのやることを決めつけ、チャレンジを制限すると、シニアのやる気を阻害し、ウェルビーイングも遠ざかる」
という意見が出され、安彦から森島氏への「やる気の高いシニアだけでなく、落ち着いた老後を過ごすことが優先のシニアもいるが、両者が混在する職場ではどうするのがよいか?」という質問には、
「やる気のあるシニアと落ち着きたいシニアどちらの価値観も尊重すべきであり、企業は両者が互いに他方を否定し合わない環境を作ることが重要」
との返答を行いました。
ウェルビーイングは企業の採用戦略を左右するのかについては、森島氏から、
「シニアの世代でも幸せに働けることを示すことで、若い世代にとっても職場の魅力や自身のキャリア設計での参考となる」
との意見が出され、安彦も、
「人生100年時代の中、60歳以上の期間も長くなり、その層も多くなった。現代の企業がその層やその期間の価値を軽く考えることは得策とは言えない」
との意見を述べました。
質疑応答では、参加した報道関係者から、「シニアのフリーランスの選択肢も出てきた中で、シニアフリーランスに重要な点、注意点は何か?」という質問が出され、これに対して森島氏は、
「フリーランスは自分に合った働き方ができるため素晴らしいが、自己責任・自己計画が重要となるため、雇用契約がより安全であると思う」
と回答し、安彦も同様に、
「理想を言えば、自分自身で最適な働き方を選べるフリーランスが望ましいが、現在の日本ではフリーランスの働き方自体が新しく過渡期であって、変化も激しく、シニアの適応が簡単ではないことから、現時点では雇用契約が無難である」
と回答しました。
登壇したシニアジョブ広報部長 安彦から、セミナーの総括とメッセージ
今回、私たちシニアジョブは、オキュラボの森島氏とのご縁をいただいたことで「シニアワーカーのウェルビーイング」をテーマとしたセミナーを、報道関係者向けに開催しました。
これは、私たちシニアジョブが既にシニアワーカーのウェルビーイングを実現する支援ができており、その発表の場を持ったということではなく、むしろ、今後の課題であるが故に、社外のプロフェッショナルで作業療法士でもある森島氏に協力を仰ぐことで、今後のシニア雇用に何が必要であるかを発信したものです。
現時点では、働く場や給料でさえ、すべてのシニアの方に行き渡っているとは言えず、シニアジョブの取り組みもまだシニアのウェルビーイング支援にまでは至っておりませんが、一方で今後、間違いなく取り組みを進めなければならない領域であるとも思っております。
シニアジョブでは今後も、社内外を問わず、様々な知見や創意工夫を組み合わせながら、高齢化による社会問題を解決し続ける姿勢を貫いてまいります。
株式会社オキュラボについて
作業療法的アプローチから企業の人的資本経営への参画と働く人の心身をサポートする会社です。作業療法技術を活かした、企業や企業で働く人に向けた様々なサービスを提供、開発しており、人的資本に特化した企業向けのコンサルティングおよび経営マネジメント支援や、ワークライフバランス分析とその支援、個人やフリーランスに向けたワークライフバランス実現の生活設計の伴走、中高年を対象とした生活再構築リカレント教育などを提供しています。
株式会社シニアジョブについて
50歳以上のシニアに特化した人材紹介、人材派遣、求人サイトの各サービスを提供する会社です。学生起業家出身である代表取締役の中島が、人材不足にも関わらずシニアの就職が困難であるという社会課題に気づき、その解決をライフワークとするべく業種転換。徹底した効率化とスピードによって、シニアの総合人材会社としてそれぞれ延べ7万件を超える求職者と求人企業が登録。
お仕事をお探しのシニアの方や、シニア人材採用をお考えの企業の採用担当者の方は、サイトからご登録・お問い合わせをお願いいたします。
- お仕事をお探しのシニアの方はこちら https://seniorjob.jp/
- 企業の採用担当者の方はこちら https://seniorjob.jp/landing/client/lp-02/
株式会社オキュラボ 会社概要
代表 : 代表取締役CEO兼CWO 森島 肇
本社 : 東京都台東区元浅草4-5-18
URL : https://www.occulabo.co.jp/
事業内容 : 作業療法技術を活かした、人的資本経営サポート及び相談窓口アウトソーシング受託、メンターサポート
株式会社シニアジョブ 会社概要
代表 : 代表取締役 中島 康恵
本社 : 東京都新宿区大久保2丁目5−22セキサクビル8F
URL : https://corp.senior-job.co.jp/
事業内容 : シニアの就職支援の提供
本件に関するお問い合わせ先
株式会社シニアジョブ 広報部 安彦(あびこ)
TEL:080-4107-5851 e-mail:m-abiko@senior-job.co.jp
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