地図中心2023年6月号 通巻609号
「日本の万余の島々」
2023年2月、国土地理院が日本の島を一定の条件で数えた結果、14,125島となりました。法令等に基づく島のほか、地図に描画された陸地のうち自然に形成されたと判断した周囲長0.1km以上の陸地を島として計数した値です。 従来の6,852島と大きく異なったのはどのような経緯があるのでしょう?
「島の数の調査」より
伊東欣英(国土地理院 地名情報課長)
今回、数えた結果(14,125 島)は、これまで我が国の島の数として広く用いられてきた 6,852 島(海上保安庁、昭和 62 年公表)と大きく異なるが、現実に存在する島に大きな変化が生じたり、島が新たに発見されたものではない。これは計数に用いられた基の資料が、海図(紙)か、電子国土基本図(電子データ)か、の違いに加え、測量技術の進歩による地図表現の詳細化が大きく影響していると考えられる。より詳細な地図表現がで
きるようになると、詳細な海岸線の形状が表現される。国土地理院の地図で例示すると、右図のように周囲長 0.1km 以上の陸地として数えることができる島の数も変化する。
なお、我が国の国土の面積は、電子国土基本図に基づき全ての陸地を計測しており、今回、数えた結果(14,125 島)が面積に影響することはない。また、島の数については「我が国の領海の外縁を根拠付ける領海基線を有する島(国境離島)」の数(令和5年2月2日付け内閣府総合海洋政策推進事務局公表)との整合性を確保しているので、今回の計数結果が、我が国の領土・領海に影響を与えることはない。
今般の公表結果は、現に国土地理院が維持管理する電子国土基本図に描画された海岸線データを用いて、海洋法に関する国際連合条約に基づく島のうち、法令等に基づく島のほか、自然に形成されたものと判断した周囲長 0.1km 以上の島を重複無く数えたものである。
地図中心2023年6月号 通巻609号
特集
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